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オナゴに必要な3大要素の話。

女性にとって必要な3大要素とは、何だろう。



私は、秋田の田舎の代々続く医者の家に生まれ幼い頃から「○○さん家のお嬢さん、とてもよくできたお嬢さんね。」言われるように育てられた。

文武両道は当たり前。
きちっと挨拶ができる、品よく振る舞える、
いつも明るく元気で、可愛くて、誰からも愛されるような女性でなくてはいけない。

可愛く、品よく、すべてにおいて優秀に。

そんなイメージが「正解」の女性像だと言われてきた私は、何の疑いも持つことなく、その道を突っ走る。
いつも花柄のひらっとしたスカートでハイヒール。長い髪をくるんと30分かけて巻いて出かけるのが日常だった。
茶道や装道(お着物)を習ったり日本の女性のマナー検定まで受けたり……
残念ながら成績はそこそこにしか伸びなかったが、親のススメを『素敵な女性になるためには必要なことなんだ!!』と、何の疑いもなくストレートに決行する高校時代を過ごし
親の望み通り「素敵なお嬢さんね」と言われるようになった。

更に、大学では体育会剣道部の主将をやっていたこともプラスされ、てっきり自分はとってもしっかりして礼儀正しくできている、ワリニデキル子だと思い込んでいた。


そんな勘違いお嬢になってしまったことに
全く気づかぬまま社会人になってしまったから、もちろん、ものすごく、ものすごーーーく、苦労をすることになる。



しっかりしてるはずがひたすら人に常識的なところで注意される。
キャパが少なすぎる上、視野が狭くて全く気が使えない。
自分がものすごくおっちょこちょい、トンチンカンなのに気づいたのもようやく社会人になってからだった。

素敵なお嬢さんだったはずが、実は自分はまともに日常生活も送れないヤバイ奴だった気付いた私。
ギャグみたいな話だが、あまりの自分のヤバさに真剣に悩んで、毎日のように家に帰って泣いていた。
歩けば穴に落ちる日々。
クレーターのように開いている自分の中の穴ぼこがどこかも、自分でもわからない。
やることなすこと、全てがトンチンカンな自分にうんざりし、生きることが辛かった。



人として、女性として、私は必要なことを何も身につけていないのではないか。
何としてでも、ちゃんと、真っ当に生きれる人間になりたい。
人の役に立てるように、とまでは行かなくとも、せめて人様のご迷惑にならないくらいになりたい。


そう思って、悩み、苦しんでいたときに出会った本がこれである。

新渡戸稲造の『武士道』

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-66427-9


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前置きが長すぎたが
本日1番言いたかったことは、これ。
私は、この一冊を心底愛している。


22歳くらいだったと思う。
この一冊を読んで、稲妻に打たれるが如く衝撃を受ける。



描かれていたのは、いつも優しく、穏やかで海のような広い心を持ち
それと同時に、忍耐強く、芯の通った、勇敢な女性の姿。
日本の女性は、家庭的であることは勿論のこと、男性以上に勇敢で強くなくてはいけない。

女性といえども自害の方法を知らないことは恥とされ、死の苦しみがどんなに耐え難く苦痛に満ちたものであっても、死後の姿に乱れを見せないために、両膝を帯紐でしっかりと結ぶことなども教育された。

生きることにどれほどの覚悟がいるのか。
女性が生きる上で、「強さ」が何よりも大切なのだと知り、人間の生き様から美しさが滲み出ると気付いた。


可愛く、品よく、すべてにおいて優秀に。


自分の中の女性の3大要素は、この出会いを持って大きく変わった。



強く、勇敢で、どこまでも優しく。
潔く、誠実に、どこまでも謙虚に。

20年間勘違いして生きてきてしまった自分は、最初からそんな真っ直ぐに大きな目標を掲げられないし
正直、強さも深い優しさも、自分にはまだまだよくわからないから、わかるまでは
まずは、ここからと決めた。

飾らず、粘り強く。
そして、何があっても明るく前向き。




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あの一冊との出会いから10年近くが経つ。
私の姿はどう変わったのだろうか。

参考までに旦那さんに、女性にとって必要な3大要素は何か聞いてみた。
「強さ 優しさ 美しさ」
そして、もっとあればいいものが「愛嬌」だと言われた。

なるほど。

ちなみに、男性に必要な3大要素は
「強さ 優しさ 面白さ」だそう。

特段お笑いとかが好きではない私からすれば、面白さは必要無いのでは?と聞くと
この『面白さ』は「人間的に『こいつ面白いな』興味を持ってもらえるような深みがあるか、ユーモアをもっているかは、男性にとってとても重要だ」ということだそうだ。


レベルが高すぎる。
あと何回か、人生をやり直さないとその境地には達しない。
とりあえず、女性で良かったと思った。



とにかく真剣に、体当たりで泥臭く歩んだその先に
少しでも本当の強さと、優しさを身につけていたい。

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