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産後2ヶ月。愛だけではやっていけない。

※この記事はわけあって2022年9月に書いた記事を今アップしています。

出産して約2ヶ月。 
もう2ヶ月、と思うこともあるし、まだ2ヶ月と思ってしまうこともある。

この2ヶ月までの間、本当に余裕なくバタバタと過ごしていて、出産レポなどはまた後々にアップしようと思うけど、体力的にも精神的にも疲弊した2ヶ月だった…。もうほんとにわからないことだらけ。たくさんヒヤヒヤし、時にメソメソし、夫とけんかしながら、待ち望んでいた我が子が誕生した喜びと、お子が素晴らしく可愛いという事実に驚く毎日。不思議なことに産前の自分とはもう全然違う人間になってしまったなと感じていて、それが怖くもあり、少し寂しい。自分より大切なものができてしまったことと、もう好き勝手に生きていた前の自分には戻れないんだな、ということ。

不妊治療を頑張っていた時のことが遠い昔のよう。いつかタイムマシンに乗る機会があったらその頃の私に、大丈夫だよ、って一言だけ伝えにいきたい。あと、30代に突入した途端、当時付き合ってた彼氏との別れを予感した自宅の洗面所で、一生結婚も出産も縁がないのかもなぁと絶望した時の私にも。


この夏はほぼずっと家にいて、一日中パジャマで、時には顔も洗わず、お子をなんとか生かすことだけに専念していた。気づいたらフジロックの配信と高校野球が心の支えとなっていた(おせわになりました)。そして名前も顔も知らないTwitterのマタニティアカウントのフォロワーさんたちに沢山救って頂いた。 


もともと、想像していたよりもずっと妊娠中は辛いことがあまりに多くて、それに共感してくれる人となにか言葉を交わしたくて作ったアカウントだったけど、ほぼ同じ時期に出産を迎え、母になったフォロワーさんたちと、時には愚痴りあい、幸せを共有したりして、Twitterがなかったらこの2ヶ月を無事に乗り越えられていたのか正直わからない。最初の数ヶ月の育児は本当に孤独だと聞いてはいたけれど、本当に大変ではあったけどある意味、孤独ではなかった。夜中の授乳を終えてTwitterを開くと同じように深夜に起きているお母さんたちがそれぞれ呟いているのを見て、共感したり励みになったりした。便利グッズや小技の数々もほとんどTwitterで教えてもらえた。昔、星野源さんが匿名でやっていたTwitterでの知らない人との交流に癒された、とエッセイで書いていてその話がとても好きだったのだけど、まさにそれと同じだなぁと思ったりしてうれしくなった。皆、それぞれの場所で同じ道を生きていた。不思議で優しい世界。



今までの人生の中でも特別な夏だった。高校野球の決勝を、フォロワーさん達とのTwitter実況で盛り上がりながら見たことは一生忘れないと思う。 

最近は自分なりにワンオペ生活のリズムが出来上がってきていて、1日の終わりはやはりぐったりだけど、新生児の頃には考えられない余裕が少し出てきた。正直1ヶ月目までは神経をすり減らし続けていて、寝ていい時に寝ることすらうまくできなくて辛すぎた。自称ロングスリーパーだった自分には考えられない睡眠時間で日々生きていることに驚愕し、その事実に今にも失神しそうだった。今もそんなに眠れないししんどいけどあの頃よりは随分マシ。

そして出産で変わったことというと夫との関係性。結婚してから私は夫が1番大切だった。価値観は多少違えど結婚生活は愛で成立していて、お互い好きなことをやって自由にしていても一緒にいられた。でも今は違う。お互いがお互いのことを考えて、お子を育てるというタスクを協力してこなさなければならない。夫婦というより仕事のパートナーのような関係になって、相手に失望することも増えた。母親は妊娠中からお腹の中の子のことを常に考え、行動も制限せざるをえないのに父親はそうではなく、いざ産まれてからもなぜか産前のような生活をしようとするのでそれが本当に腹立たしかった。夜勤をやってくれるのはいいものの、深夜までゲームをし、お子が起きたらミルクを与えて寝、そして昼まで寝起きない。という生活をし始めたときは本気で離婚を考えた。考えすぎて眠れなくなった。そのうち夫のやってることが十中八九気に入らなくなり、でもそれを指摘しようと思っても時間も余裕もなく、毎日疲れ切っていて話し合う努力さえしなくなってしまう。何度か子供を連れて家を出て行ってしまおうか、と本気で考え、あれだけ忌み嫌っていた実家に帰ることも視野に入れ、新幹線の席の空き具合をネットで調べた。産前には考えられなかった。今までの結婚生活であまり喧嘩したこともなくうまくやっているほうだと思っていた。夫は家事も普通にこなすので育児もちゃんとやってくれるだろうと思っていた。出産したら夫のことを嫌いになる、というよくある話を聞いても、うちは大丈夫だろうと思っていた。 

全然大丈夫じゃなかった。 

気づいたらソファでうたた寝をして何もしない夫にとうとうキレて、それでも言葉を発する元気もないからずっと無表情で接した。夫と目を合わせなくなった。育児の合間にお笑い動画を見ても笑わなくなった。 
察しの良い夫はまずいと思ったのか、徐々にこちらが言わなくてもミルクを作ったり、寝かしつけをするようになった。最近は基本ワンオペだけど二人で育児してるって感じになってきて、夫婦仲も落ち着いた。けどあの時の怒りはずっと私の中に潜んでる。きっとこれからも消えないだろうと予感がする。そしていつかまた夫婦間で何かトラブルがあればいつでも起爆剤になるのだろう。そうなってしまってとても悲しいが、子育ての恨みは一生ものっていうのは全力でわかる。よくある離婚理由の価値観の違いってあるけど、以前は「うちは価値観もにてるからな~」って本気で思ってた。(夫はきっとまだ思ってる・・・!)

価値観の違い、全然あるわ。

むしろ、今まで価値観似てるなんて思ってきたのは違いからひたすら目を背けてきたからだわ。育児を通して浮かび上がってきた価値観の違いはもうどうしようもない、お互いの本質だとわかって絶望した。育児ってすごいなー。こりゃみんな離婚するわ。
最近は精神的に余裕が出てきたのもあって、夫に不満があるときはその場で感情的に伝えることはせず、一呼吸おいて自分の考えを整理し、順序だてて冷静に伝えるようにしている。これは我ながらめちゃくちゃえらいと思う・・・!夫もそうだし自分も嫌な気分にならずに済む。こんな努力が必要だなんて産前には考え付かなかったよ。



育休も大事だけど、それと同時に父親教室をぜひ開催してほしい。父親こそ実感なんて湧くわけないんだから、産院では「パパを教育してね」なんて言われたけど、母親だけに押し付けて終わりじゃなく、社会全体で意識づけをしていかないと厳しいなと思った。そしてそれだけで離婚率も減るんじゃないのか・・?愛があれば結婚はできるけど、その愛だけではやってられないのが育児。

そんなこんなで毎日生きています。このnoteで日々の想いを形にしていけたらうれしい。

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