5分で読める登販対策その5〜HIV訴訟編〜

こんにちは。手話の指文字をまだ「あ行」から「さ行」と「み」しか覚えていないので
「青い海」「赤い鹿」などは表すことができますが日常のどこで使えば…となっているもち犬です(・∀・)
「アイス」だけはかろうじて使い道がありそうな予感がします。

登販対策、薬害編も残すはあと2つと思いきや近年C型肝炎も追加されたのですね…。
今回はHIV訴訟編です。
いつものように前半、覚えるポイントまとめと後半が長めの補足スタイルです。

HIV訴訟(薬害エイズ)

HIVに汚染した血液凝固因子製剤使用によるHIV感染。
血友病とは血液凝固因子を十分に保有していないため、出血した際止血までに時間のかかる病気。
この治療として用いられる血液凝固因子製剤の原料血漿にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が混入。
これを加熱してウイルスを不活化することなく使用し、血友病患者がHIVに感染したことによる損害賠償訴訟。

国と製薬企業が被告として提訴され1996年に大阪地裁と東京地裁の両地裁において和解が成立。
国はエイズ治療・研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の取組みを推進。

1999年に「誓いの碑」を立て二度と医薬品による悲惨な被害を繰り返さないよう努めることを誓っている。

HIV感染者に対する恒久対策のほか、医薬品の副作用等による健康被害の再発防止に向けた取り組みも進められた。
医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構との連携による承認審査体制の充実、製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて感染症報告の義務づけ。
緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が1996年に成立。翌年4月に施行。

また、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られるとともに、薬事行政組織の再編、情報公開の推進、健康危機管理体制の確立等が行われた。

◯血友病患者
◯血液凝固因子製剤の原料血漿にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が混入
◯非加熱だったので、ウイルスが不活性化しなかった
◯国と製薬会社が被告として提訴
◯1996年に大阪と東京の両地裁で和解
◯製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて感染症報告の義務
◯緊急輸入制度が1996年に成立、翌年から施行

以下、もち犬調べ。

血友病って何だろう?
こけたりしたら血が出るけれど、何かしばらくしたら黄色っぽい透明の液体が浮かび上がってきますよね。
それが固まって、気が付いたら擦り傷なんてすぐ血は止まっていますよね。

血友病の患者さんは、この血を固めてとめる力が非常に弱いのです。
だから「あ、指切っちゃった」「鼻血が…」となると、出血が中々止まらない。
このため多くは幼少期に血友病が発覚します。
重度であれば出生時に頭蓋骨内に出血を起こしてしまうこともあります。

赤ちゃんの落下事故や幼児が頭を強くぶつけてころんだりしたら、たんこぶではすまなかったりします。
脳内、頭蓋内に出血がないか迅速に検査、治療となります。

そんな血友病ですが、適切な治療でスポーツもできれば日常生活も問題なく行えます。
ただ、抜歯や手術のときは出血が止まりにくいので注意は必要です。

この血友病の治療に使われていた「血を固めるよ!という薬」である「血液凝固因子製剤」にHIVに感染した人の血液が混ざっていました。

HIVとは「ヒト免疫不全ウイルス」のことです。
風邪などのウイルスと戦って免疫が勝てば風邪にかからない!のですが、
免疫不全となると普段は「全く相手にもならねーよw」っていうレベルの菌やウイルスにも体が負けます。

HIV感染だと、まだそのウイルスを体が持っているだけで特に症状はありません。
5〜10年ほど持続感染が続くことで体内のウイルスが増えてAIDS(エイズ)、後天性免疫不全症候群を発症します。
発症すると先述の日常あり得ない菌やウイルスへの感染(日和見感染)を起こしたり、悪性腫瘍、肺炎などを発症します。

当時、このAIDSは黒人に多い、同性愛者がかかる病気だなどとたいそう差別を受ける病でなぜか性病や奇病といった扱いでした。
「触るとうつるから近寄るな」なんて発言がかわいいレベルでそれはもう苛烈でした。
コロナ禍初期のパニック感を強めた感じとでも言いましょうかね…最後は死に至る恐ろしい病気っていうイメージがあったようです。

話は戻って、血液凝固因子製剤の使用は血友病患者さんにとって必要不可欠な治療でした。
そのため、およそ3割の患者さんが感染しました。
主に1982〜85年に治療を受けた方です。
さらに当時は多くの患者にHIV感染が告知されていなかったため、※妻や子供への二次・三次感染も引き起こしました。
※出産の際に母子感染といったケースなど
日本の被害患者は1,433名、約40年が経過してすでに半数が亡くなり、生存者数は697名です(令和四年度血液凝固異常症全国調査より)

幼少期に血友病の発覚が多いので、赤ちゃんや幼児も多く感染しました。
赤ちゃんの時点で感染したとして、和解時には12歳。
小・中学生になるまで和解に時間がかかっています。

現在ではHIVには感染しても、ウイルスを減らす服薬してAIDSを発症するまでの期間が長くなったり
発症自体を抑えることもできるようになってきました。
この服薬は現時点では生涯にわたって続きます。
母子感染も帝王切開で安全に出産が可能となっています。

HIV、そもそもが日常生活で他者に感染するリスクって低いですからね。
服薬で体内のウイルスが減ることでさらに低くなっていますからね。
インフルエンザウイルスの方がよっぽど荒くれ者で感染力が強いよ…((((;゚Д゚))))
ワクチンの効果がそろそろ切れているから、だいぶ怖いんですけど。

追記。献血に行ったことがある方はわかると思うんですけど
最初のアンケート用紙っぽいのに「最近、海外旅行にいきましたか?」みたいな質問あるじゃないですか。
この薬害を受けて、感染症の可能性がないかをチェックするようになっているからです。

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

111,024件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?