嫉妬したりもしたけれど、私はげんきです#6
正直、カンヌには行きたくなかった。
行ったら悔しい思いが大きくなるのは目に見えていたし、辛いこともたくさんあるだろうし、英語も話せないのに大金はたいていく意味があるのか正直よく分からなかったから。
事実、現地ではいくつも悔しい思いをした。辛いことだって正直たくさんあった。打ちひしがれて部屋に籠りたい日だってあった。
でも、来なければよかったとは思わなかった。
この悔しさがいつか力になるとかそんな綺麗な話というよりは、それ以上の楽しいことや、美味しいものや、命がけで作られたクリエイティブの刺激が遥かに上回っていたからだと思う。
この日記も気持ちの整理にとても役に立ってくれた。
辛い思いするの分かってるから行きたくないと言う僕の背中を「だから行くんだ」と押してくれた先輩に書けと言われた日記。
この日記が嫉妬とか悔しさとかそういう思い全開でカンヌに行くことを肯定してくれて、それをみんなに話やすくしてくれた。
僕が気持ちを保つために日記をすすめてくれていたのかと思うと本当に恐ろしい先輩だ。ありがとうございました。
アイディアって素晴らしいと思い続ける1週間だった。世界の中ではこんなにもアイディアが世の中を変えているのかと、心が弾んだ。受賞作やショートリストを見ているとどんどんアイディアが浮かんで来る感覚は錯覚かも知れないけれど、大切にとっておきたい。
そして、たくさんの人に支えられた1週間だった。何も考えずカンヌに行くと決めた僕に救いの手を差し出してくれる方々がいた。会社からの情報を何も持っていない僕を誘ってくれる同期がいた。僕に楽しい思い出を残そうとしてくれる人が、励ましてくれる人が、前を走ってくれる人がいた。
カンヌでできたたくさんの繋がりや、さらに濃くなった繋がりにいつか恩返ししたいと思う。
僕にとって初めての広告の本は、2年目の時に読んだ箭内さんの
「僕たちはこれから何をつくっていくのだろう」
だった。これは箭内さんが連載していたコラムをまとめたものなのだが、僕はこの連載コラムのタイトルが好きだった。
広告ど真ん中
これは自分は今広告のど真ん中にいる。ということを箭内さんが主張したタイトルだけれど、
僕もこの1週間は、広告のど真ん中にいたと思う。
カンヌの時代は終わったとよく聞くけれど、たしかにここを目指して仕事をすることはちょっと違う気もするけれど、それでもここがその年の1番を決める舞台なんだから。(箭内さんはカンヌに興味がないと聞いたことがあるのでコラムと意味は違うけれど)
行ってよかったと最後にここに書けるかと、#1で書いたけれど、その答えはここまでの日記で出ているよね?だからあえて言わない。
日本食たくさん食べるぞ!
仕事頑張るぞ!
この気持ちを忘れないぞ!
読んでくださったみなさんには感謝しかありません。恥ずかしいこともたくさん書きました、鼻に付くことも多かったと思います。でも、読みたいと言ってくれただけでとても嬉しかった。事例とかの話しなくてすみません。
僕のカンヌシリーズはこれにておしまいです。
本当にありがとうございました。
嫉妬したりもしたけれど、私はげんきです。
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