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嫉妬したりもしたけれど、私はげんきです#2

わくわくか、緊張か、単純に時差ボケなのか。5時30分には目が覚めてしまった。久しぶりに感じるスッキリとした朝。東京では死にものぐるいで布団から出ているのに、これがアドレナリンというやつだろうか。
いよいよ今日からカンヌがスタートした。

カンヌは僕が思っていたよりもずっとゆるいもので、基本的にはずっと自由時間。
夜にある授賞式にみんなが参加する程度で、それまではセミナーに参加しても、事例を見ても、海を見ても、ピカソ博物館に行ってもOKだ。

ただ、僕は一切の迷いなく地下のスペースへ。
地下には今回エントリーしている事例のボードがまとまっており、ケースビデオや動画を見まくることができる。ここでクリエイティブのシャワー(ダサい)を浴びるのが今回の僕の最大の目的の1つ。明日も明後日も僕はここに籠もるつもりだ。
ここで思ったこと、いい事例の話は次回に持ち越して、今日はなんといってもアワードの授賞式の話を残しておこうと思う。

人生初めてのカンヌアワード授賞式。僕はコンペに一緒に挑戦したなかじーまと出席した。
この衝撃はもうなんていうか、楽しさと、悔しさと、希望と絶望が一気に押し寄せて来てずっとフワフワしてしまった。
ド派手な会場と司会。次から次へと発表される素晴らしい案件たち。
僕たちの仕事の最高峰はここまで連れて来てくれるのか!という感動の一方で、、、

僕の仕事の延長線上にこの舞台があるとは思えない絶望感。根本から違う競技をやっているんじゃないかとさえ思った。
授賞する案件のほとんどはソーシャルグッドと言われるもので、普段の広告とは少し違った、社会問題を解決したり、少し良くするアイデアたちばかりだったから。

タレントはスポーツ選手くらいで、ブランド発信だけからアイデアが出ていて、モノを売るなんてとっくに通り越してしまっていることが最大の違いだろうか。
今日がヘルスやデザイン等の発表だったこともあるだろうけど。

僕がこんなことを思っている中、先輩が担当した"障害者と平等に勝負ができる卓球台"のお仕事がデザイン部門でゴールドを受賞した。
(詳しくは変形型パラ卓球台とかで調べてください!)

ステージに上がる先輩たち。肩を組み嬉しそうな姿。会場全体から祝福されているのを見ても、僕はなんだかあまり悔しいと思えなかった。
その理由はきっとここまで書いてきたことが全てで、
やっぱり舞台にすら立てていないからだと思う。

僕が東京ヴェルディの選手だったとして、読売ジャイアンツが優勝しても悔しさよりも祝福が勝つだろうなってそんな感じ(あえて分かりづらく説明しています)

今は、悔しがれなかったことが1番悔しい。
誰だカンヌはもう終わりだよなって言ったやつ。そいつ絶対来たことないだろ。来いよ。

広告の最高峰は今ここにあるんだな。
僕にはまだ中腹すら見えない。
来なければ悔しがれないことも知れなかった。

明日からも授賞式は一緒に見よう。
なかじーまとそれだけ約束して、僕のカンヌは明日も続きます。

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