憧れと恐怖

先日、職場の保育園で運動会があった。
子どもが一生懸命走り、踊り、泣き、笑う姿、子どもが親に駆け寄る姿、親が子どもにカメラを構える姿、親と子どもが手を繋ぎ競技を行う姿、とにかく幸せな光景が終始広がっていた。
私はそれを見てすごく幸せな気持ちになったし、涙が出たし、保育園で働いていてよかったと思った。
同時に、「子どもがいる」ということにすごく憧れた。


わたしは子どもが大好きで、小さい時からお母さんになりたかった。
でも、大人になるにつれていろいろな現実を知っていき、子どもを持つことが怖くなった。
産む覚悟も、育てる覚悟も、出来る気がしなかった。
それは今も変わっていなくて、夫にも「子どもは産めないと思う」と宣言してしまっている。
だけど、憧れだけは消えずにずっと残っていて、むしろ日々大きくなっていく気がする。
夫と私の子どもは、どんな容姿をして、どんな性格で、どんな顔をして笑って泣いて怒って、、、と考えたことも数知れない。
自分が愛する人との間に生まれた子どもが可愛くないわけがない。
愛おしいに決まっている。
なのに、どうしても怖い。
本当は子どもが欲しいと思っている夫には、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
できるなら、私も夫を父親にしてあげたい。
憧れを叶えてあげたい。
夫と私の間に生まれた命を2人で大切に育みたい。
なのにやっぱり、どうしても怖い。

わたしはこの憧れと恐怖の間で、いつまで揺れ続けることになるのだろうか。
「子どもがいなくても、心から幸せ!」と思える日が来るのか、ずっと悩み続けているうちにタイムリミットが来るのか、いつか産むのか、未来の私はどうなっているのだろう。
考えても今はわからないけど、いつか、自分が納得した決断をできたらいいなと思う。