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2023年3月の記事一覧

最近読んだ本の話 vol.95

 「最近読んだ本の話」の第95弾です。私の住む地域でもとうとう桜が開花しました。まだ3分咲きくらいですが、これから楽しみです。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。 1、島本 理生『憐憫』  主人公の沙良は、芸能界の仕事を小さい頃からしていますが、大人になって伸び悩んでいました。子役時代に稼いだお金をすべて家族と親戚に使い込まれてしまい、絶縁状態になっていて、結婚したけど夫は調子の良いことばかり言う、沙良とはだいぶ性格の違う人です。何かいつもと違うことがしたくて友達とバー

最近読んだ本の話 vol.94

 「最近読んだ本の話」の第94弾です。早咲きの桜が咲きました🌸今日の雨で散りませんように✨今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。 1、小西 マサテル『名探偵のままでいて』  『このミステリーがすごい!』大賞受賞作です。絶対面白いに決まってる!と期待しながら読みました。主人公の楓は、小学校の教師をしています。レビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしている祖父に度々会いに行って話を聞きますが、ある時祖父が自分が見ているものが幻視だと気づいていることに気づきます。祖父の

最近読んだ本の話 vol.93

 「最近読んだ本の話」の第93弾です。もう3月です。春が近づいています。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。 1、斎藤 倫『ポエトリー・ドッグス』  主人公が訪れたバーのバーテンダーが犬なんです。カクテルと一緒におすすめの詩を出してくれます。文中にたくさんの詩が登場しますが、その詩について主人公が考えをめぐらせて、犬のマスターと話します。悲しみにくれていた主人公が最後には元気を取り戻すところがいいです。   2、清水 義範『世界文学必勝法』  2008年に出版され