見出し画像

2024/04/14 お得の呪い


・桜の記録

・わたくし混雑が苦手なので花見とかしません!と思っていたけど、思いのほか桜を楽しんだので、その記録です。

・3月末から4月中旬ごろ、3週ほど連続で錦糸町に通った。

1週目は東京で桜の開花宣言があった直後。
21時ごろ、錦糸町駅近くの錦糸公園を通りかかると、小さい子たちが遊具で遊んでいた。

不審に思い公園を見渡すと、敷地内にお祭り用の提灯が飾り付けられている。しかも、ベンチも遊具もない芝生のエリアにたくさんの人がいて、特に公園の奥がにぎわっているようだった。
明らかに普段と違う様子だけど、それでも地域のイベントにしては盛り上がっていない。
実態のないお祭りをやっている……と思った。

人が多いエリアに近づいてみると、大きな枝垂れ桜が2本くらい植っていて、下から綺麗に照らされていた。この公園は花見会場になっていて、敷地内のあちこちで花見とは名ばかりの宴が開かれていたのだ。
わたしは花見として野外で宴会をする発想がすっかり抜け落ちている。

おそらく例年の開花時期を踏まえて花見会場になっているが、今年は開花が遅く、開花宣言につられて人だけが集まっていたのだと思う。花のない花見もある。

右に見えるのはゴミ捨て場

2〜3週目はソメイヨシノが綺麗に咲いている時期で、昼も夜もにぎわっていた。
錦糸公園からはスカイツリーが見える。桜とスカイツリーを同じ写真に収めたら、いかにも東京っぽいベタな雰囲気になった。いい感じだ。スカイツリーの後ろに巨大富士山も見えたら完璧だったな。

彩度高めだと洋画に出てくる日本ぽくなるね
3週目は八重桜も咲いてた

・あとは、生活圏で綺麗な桜を見られたのが嬉しい。

ある日、散歩をしている時に、遠くで光る何かに目が留まり近づいてみると、ライトアップされている桜並木だった。
並木といっても小規模だし、人通りがそんなに多くない場所だけど、桜自体はかなり立派だ。じっくりと静かに眺められるから、葉桜になるまでのほぼ毎日(雨の日以外)通うくらいお気に入りの場所になった。

引越をして半年ほど経ち、今回は家選びの優先事項をミスったな……とじわじわ気づきはじめている。でも偶然見つけたこの桜並木のおかげで溜飲が下がったというか、引っ越したからこそ見つけられた景色だと思えた。


・すき家レディオ

初めてすきパスを買った。
すきパスは、すき家で牛丼とカレーが70円引きになる割引券。200円で売っていて、購入した月の間に何度でも使えるから、使えば使うほど得をする。

わたしはすき家で定食を食べたい派なのに、考えなしにすきパスを買ってしまった。
一度は買ってみたかったから問題ない。でも、買ったからには使わなければと思うあまり、今月中はすき家で牛丼かカレーしか頼めない呪いにかかっている。すき家でカレーは食べないことにしているから実質的に牛丼の呪いだ。

せっかくなので、行くたびにすき家レディオ(店内放送のラジオ)を聴こうとしている。それなのに、ちゃんと聴こうとすればするほどすき家レディオに上手く意識を向けられず、いざ流れると耳が音を素通りしてしまう。

パーソナリティの好きな花がひまわりで、人に贈るならバラと答えてたことは覚えている。前月までの放送から推測される人柄と完全に一致していたのでむしろすごく驚いた。

インタビュー記事によると、すき家レディオは食事の邪魔にならない番組を目指して作っているらしい。何を話していたか覚えていないのもある意味で理想的な聴き方なのかもしれない。
でも、すき家レディオでしかパーソナリティの近況を知ることがないわたしにとってはもったいない耳になってしまったとは思う。そんなに頻繁に知りたいわけではないけど、聴き逃してしまうとちょっとだけ残念だから。


・最近読んだ本

最近読んだ本の話をするか……

『あと千回の晩飯』を読んだ。山田風太郎のエッセイ。表題の「あと千回の晩飯」のほか、いろいろな媒体に掲載されたエッセイがまとめられている。

表題の連載「あと千回の晩飯」は健康と老いと死の話が多い。最初は面食らったけど、70代になると生と死のことが人生のメインジャンル(?)になるのだろう、と半ば無理やり納得した。
後に別媒体で連載されたエッセイにてそういうテーマで心境を書くよう依頼があったと明かされていた。

とはいえ、連載中、四半世紀以上ぶりに医者にかかったら病気がいくつも発覚して連載が一時中断、その間に二度の入院……と波乱万丈だったらしい。図らずもテーマに沿ったできごとが起こっている。
そしてやけに暗い文章だな〜と思ったら唐突に最終回を迎えた。

全体を通して興味深かったのは、大体がほぼ同時期に書かれているのに、掲載誌によって明らかに面白さが違うこと。
最初から順に読み進めていて、急に異常に面白くなる部分があり、解説を読むと同じ掲載誌であることが多かった。なんでここまで違いが出るんだろう?担当編集のテーマ設定が上手いからなのか、報酬が関係あるのか、まったく理由は分からない。

わたしが読んでいて特に面白かったのは、『一冊の本』と『問題小説』に掲載されたもの。山田風太郎の由来が明かされるエピソードは特に印象的だった。
それとは別の連載で江戸川乱歩が亡くなった時の日記が引用されていて、それも興味深かった。詳細は不明だけど、文脈から推測するに、もういよいよ……となった段階で親交のある作家が乱歩の自宅に集められたようだ。

小説よりも先にエッセイを読んでうっすらとどんな人か分かったから、すでに手元にある魔界転生も読めたらいいなぁ。


・海なし県の埼玉に海があるって知ってましたか?