銘柄分散よりも戦略分散?

仮想通貨同士の相関係数は高い

仮想通貨の有名どころを集めて相関係数を調べた。データはyahoo financeから、今年2022/01/01~2022/09/30までを使った。結果は↓の通り。トロン(TRX)だけが他との相関係数が低く、それ以外は0.8超の非常に高い相関がある。

Symbols     BTC-USD   ETH-USD   BNB-USD   XRP-USD   SOL-USD   ADA-USD  DOGE-USD  MATIC-USD   DOT-USD   TRX-USD
BTC-USD    1.000000  0.970420  0.934125  0.951418  0.925752  0.924262  0.955309   0.854660  0.948715  0.041518
ETH-USD    0.970420  1.000000  0.978499  0.938580  0.950949  0.931467  0.958512   0.903251  0.956784  0.029556
BNB-USD    0.934125  0.978499  1.000000  0.918205  0.952803  0.935824  0.948242   0.936125  0.958045  0.025162
XRP-USD    0.951418  0.938580  0.918205  1.000000  0.907666  0.909065  0.924074   0.885045  0.932830 -0.146017
SOL-USD    0.925752  0.950949  0.952803  0.907666  1.000000  0.969442  0.967130   0.943600  0.986635 -0.020003
ADA-USD    0.924262  0.931467  0.935824  0.909065  0.969442  1.000000  0.965189   0.946000  0.979577 -0.059913
DOGE-USD   0.955309  0.958512  0.948242  0.924074  0.967130  0.965189  1.000000   0.911540  0.969484 -0.029452
MATIC-USD  0.854660  0.903251  0.936125  0.885045  0.943600  0.946000  0.911540   1.000000  0.950039 -0.146682
DOT-USD    0.948715  0.956784  0.958045  0.932830  0.986635  0.979577  0.969484   0.950039  1.000000 -0.042654
TRX-USD    0.041518  0.029556  0.025162 -0.146017 -0.020003 -0.059913 -0.029452  -0.146682 -0.042654  1.000000

アルトコインの価格はビットコインの価格と連動する傾向がある。したがって、複数通貨に投資しても分散効果はやや薄い。
相関が高いことを利用して、ビットコイン価格が下がったときにそれ以上に下がったアルトコインを逆張りで買うという戦略がある。
複数の銘柄を長期保有する場合、価格が下がっても元に戻る確信があるなら定期的にリバランスした方が良いかもしれない。ただし税金制度がネック。

システムトレーダーの運用方針

短期システムトレーダーの場合、どうせ同じような値動きなら取引コストが一番安い銘柄を選ぶことになる。リスクの大きさはレバレッジ量で調整できるので、わざわざリスクの高い銘柄を選ぶ必要はあまり無いかもしれない。ただしマイナーな通貨ほど競合が少ないというメリットがある。

複数の通貨で同じ取引戦略を執行するよりも、1番流動性の高いビットコインで、複数の戦略で取引した方が良い。できれば順張りと逆張り両方を、パラメータがあればバックテストでの最適パラメータだけでなくその周辺も併せて実行する。どうせバックテストの結果で最適化されたパラメータは、その期間でのベストでしかない。現物を多く保有している場合はリスクヘッジのためには空売りの順張りが多めが良いかもしれない。

今はbybitやFTXなど複数のサブアカウントを簡単に作れる取引所が増えたので複数BOTの運用がしやすくなった。サブ垢を使うとBOTごとの損益が分かりやすく管理しやすい。

完成した自動売買BOTの損益というのは、そのような成績を出すアクティブファンドの損益だとみなす。BOTの複数運用は異なるファンドへの分散投資と等しい。稼働直後にBOTがドローダウンを発生させていても、シミュレーションとの乖離が小さいなら放っておく。複数のBOTのうちの一つが損失を出していても、それは複数保有しているETFのうちの一つの価格が下がったようなもの。今この瞬間はダメでもそのうち利益をだしてくれるかもしれない。停止させたBOTが後に大きな利益をもたらすハズだったと後から判明した時が一番悔しい。株を売った直後にそれが暴騰したときと似ている。

ベストではなくベターを狙う姿勢の方が精神的に楽。


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