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【まとめ】#5-2 金利って悪?儲けて社会を良くする金利と信用の話

ハイパー起業ラジオとは、IT批評家の尾原和啓さんと、シリアルアントレプレナーのけんすうさんによるポッドキャスト。起業家だけでなく、すべてのビジネスパーソン必聴のラジオです。


信用スコアが拓く、新しい金融ビジネスの可能性:貧富の差を解消し、チャンスを広げる未来へ

今回のハイパー起業ラジオは「信用スコア編」第2回目。前回は、信用スコアがインターネット上の新たな繋がりを生み出し、取引の際の重要な指標となる可能性について語られました。今回は、その信用スコアが「融資」や「保険」といった金融ビジネスにどう関わってくるのか、そして、信用スコアが儲けに直結する仕組みについて、尾原さんとけんすうさんが熱く語り合います。

金融ビジネスの本質:信用スコアが儲けを生む仕組み

今日話したいのは、信用スコアの裏表になる話として、信用できへん人には金利取りまひょとか、信用できへん人には保証金払うてもらわな困りまへんでっていう、要はなにわ金融道の話があるわけですね。

尾原さん

となぜか関西弁の尾原さん。
金融ビジネスは、大きく4つに分類できます。

  1. 取引・決済

  2. 投資

  3. 融資

  4. 保険

今回は、2の投資を除外し、信用スコアが3の「融資」と4の「保険」にどう関わってくるのかを探っていきます。

結局、その未来に対して先にお金を借りるから冒険をしやすくなるねっていうのが、融資で。一方で、未来で何か起こったらリスクに対してお金を払ってあげるからっていうふうに、保証をするっていうのが保険なわけですよ。

尾原さん

と尾原さんは説明します。

融資や保険は、未来に対する投資とも言えます。将来、お金がお金を生むという仕組みを利用することで、新しいビジネスを立ち上げたり、事業を拡大したりする可能性を広げることができるのです。

金利は悪なのか?:貧富の差と新しいチャンス

しかし、お金を貸し借りする際に発生する金利については、「金利は悪なのか?」という議論が昔から存在します。

金利を取る、要はお金を貸す時に、利息を取るっていうので、キリスト教は、止めるぐらい、禁止してたぐらい、実は、ここってタブーだった時代があった

尾原さん

と尾原さんは過去の金利に対する認識を説明します。
確かに、金利によってお金を持っている人がさらに富を増やすことができる一方で、お金を借りる人は金利の支払いが増えるため、貧富の差が拡大してしまうという側面もあります。

結局、その貸す側が、借りる側に対して金利を付けていくと、もう金利だけでどんどん、どんどん支払いが増えていくから、まあ貧富の二極化につながるから金利はやめた方がいいよねみたいな議論があったわけですよ

尾原さん

と尾原さんは金利がもたらす負の側面を指摘します。


一方で、信用スコアは、この金利の問題を解決する可能性も秘めているとけんすうさんは考えます。

やっぱり、手元に資金がないとできないビジネスってたくさんあるけれども、それを金利というものがあることによってお金を借りれたりとかして、新しいビジネスを立ち上げられるので、とてもいいなと思う一方で、お金持ってる人がめちゃくちゃ有利で、お金持ってるだけでめちゃくちゃ儲かるっていう面もあるので、貧富の差はつくっていうのもそうだろうなと思ってます。

けんすうさん

信用スコアがもたらす、社会へのインパクト

信用スコアは、単にお金を借りやすくするだけでなく、貧困から抜け出すチャンスを提供したり、社会参加を促進したりする力も持っていると尾原さんは語ります。

結局、その金融ビジネスの本質っていうのは、その最初に言ったように、ある程度失敗する人がいるかもしれない。でも、その失敗する人を乗り越えて他の人がお金を返してくれるから、だったらお金を貸すことによって未来の冒険を増やしましょう。これが正確な投資であり、融資の世界っていうことなんですよね。

尾原さん

発展途上国で貧困層に少額融資を行うグラミン銀行は、返済できない人がいる可能性も考慮しながらも、貧困から抜け出すチャンスを提供するという側面に着目し、融資を行っています。

また、フィリピンで展開されている配車サービス「Grab」では、安全運転をしているドライバーであれば、低い金利で車を購入できるローンを提供しています。

東南アジアにおいて、労働者が1歩目に自分でビジネスをできるようになる点では、タクシーは大きいんですよね。でもタクシーの人たちって、車持ってないとできない。だから服屋さんをする人に、グラミンバンクはミシンを買えるお金を提供しましょう。Grabでは安全運転をする人は車のローンが安く組めます。こういうことをすることで、持たざる人でも、持てる人に変わっていくことを支援している。

尾原さん

持たざる者というのは、今お金がないけど、めちゃくちゃ安全運転していれば、タクシー運転手として稼いでいくだろうという、今まで信用スコアにならなかったものを持ってきたというイメージ

けんすうさん

と尾原さんとけんすうさんは語ります。

従来の金融機関では、金利や担保の問題で、お金を借りることが難しかった人たちが、信用スコアによって新たなチャンスを得ることができるようになる可能性があるのです。

テクノロジーと信用スコアが生み出す、新しい社会

信用スコアは、テクノロジーと組み合わせることで、さらに大きな可能性を秘めています。

例えば、Grabは、ドライバーの運転状況をGPSと連動させた加速度センサーで計測し、安全運転をしているドライバーを評価しています。この評価が信用スコアに反映されることで、安全運転をすればするほど、低い金利で車を購入できるようになります。

今まではしゃべれない人のタクシーって乗りたくないとか、まあそもそもタクシーのドライバーとして 受け入れられないみたいなことがあるわけじゃないですか…
でも、考えてみてくださいと。
Uber とかGrab とかって目的地はアプリで教えてくれるよね。
で、支払いは現地に着いたら自動でやるよね。だから実際、運転手の方は、その車が正確に安全に運転できると いう能力だけあれば、他の能力って別にいらないわけですよ。

尾原さん


と尾原さんはテクノロジーがもたらした変化を説明します。

このように、テクノロジーは、従来の信用スコアでは評価できなかった能力を可視化し、新たなチャンスを生み出す力を持っています。

だから、つまり、その消費者金融で上限金利である15.8%から18%ぐらいの金利を取ることって悪なのかっていうと、いや、実は10%ぐらいの人が お金を返せずに終わるっていうことを前提で組み込んで、それでもその10% ぐらい返せない人でもお金がないと次の生活が困って動けなくなっちゃうからその人に貸しましょうって話なんですよね。

尾原さん

と尾原さんは続けます。

信用スコアで社会を優しく、なめらかに

これまではお金を持っているから、信頼が貯まって、信頼が貯まっているから、お金が安く借りられて、新たな挑戦ができるというフェーズから、小さな積み重ねが信用スコアをあげていくというフェーズになっている。

一つ目がコツコツ行動データを貯めていくことによって、私は事故らないですというリスクを減らす。二つ目が私は習慣的にそれを続けていく人ですという証明になるから、「じゃあ、あなたなら安心してお金を貸せます」という段階。

尾原さん

信用スコアは、単に経済活動を活性化するだけでなく、社会をより優しく、なめらかにする可能性を秘めているとけんすうさんは考えます。

会社員の時は不動産借りれたけど、独立したら借りれないとかクレジットカード作れないとか、あれは要は正社員で大きな会社に所属していれば、稼ぎも安定するだろうという信用スコアが、所属先しかなかった。けれど他の方法でも、それが担保されるのなら全然貸せるよねということですよね。

けんすうさん

従来の信用スコアでは、正社員として大きな会社に勤めている人以外は、安定した収入を得ていると認められず、お金を借りたり、クレジットカードを作ったりすることが難しい場合がありました。

しかし、YouTubeでの動画再生回数や評価、ココナラのようなスキルマーケットでの活動実績など、新しいデータが信用スコアに反映されることで、会社員以外の人でも、その能力や実績を評価されるようになり、様々なチャンスが得られる社会が実現するかもしれません。

だから、逆に言うと今は僕みたいな歪な能力を持ってる人間を活かしやすくなってるっていうふうに捉えることができて、それってやっぱりインターネットって遠くにあるものをピンポイントで繋ぐことができるって力があるからだと思うんですよね。

尾原さん


と尾原さんは信用スコアとインターネットの可能性について語ります。

まとめ:信用スコアが作る、新しい社会

今回のハイパー起業ラジオでは、信用スコアが「融資」や「保険」といった金融ビジネスにどう関わってくるのか、そして、信用スコアが儲けに直結する仕組みについて、尾原さんとけんすうさんが語り合いました。
信用スコアは、従来の金融システムでは排除されていた人たちに新たなチャンスを提供し、社会をより優しく、なめらかにする可能性を秘めています。
次回は、信用スコアが社会に与えるインパクト、特に「保険」の側面から、さらに深掘りしていきます。


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