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私の本棚

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読書記録。伊坂幸太郎が好き。
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2022年11月の記事一覧

誰かのためを思えるなら、「死にがい」なんていらない

「これは青春群像劇なんかじゃない。ホラー小説だわ……」 朝井リョウ著の「死にがいを求めて生きているの」を眺め、私はため息をついた。 本書は、とあるできごとがきっかけで植物状態になった智也と、彼を見守る雄介を中心に進む物語である。 彼らが生きた時代は「平成」。著者の朝井リョウさんも、これを書いている私も、同じ時代に青春を過ごした。 通信簿が相対評価から絶対評価へ、定期テストの順位の張り出しはなし、ナンバーワンよりオンリーワン…… 一見すると、順位を決めないことは優しい

「ねずみくんのチョッキ展」でちっぽけな自分を励ましてもらう

ユーモラスなストーリーと、温かみのある絵で大好きだった絵本「ねずみくんのチョッキ」。 小さいときに慣れ親しんだ絵本の原画展が、宮城県にやってきたのでさっそく行ってきました。 宮城県会場は「石ノ森萬画館」「ねずみくんのチョッキ展」の宮城県会場は、石巻市にある「石ノ森萬画館」。 建物の名前や、写真の仮面ライダーに見られるように、石ノ森章太郎作品を中心に展示されています。1995年7月、当時の石巻市長と交流のあったことからご縁が繋がり、石ノ森萬画館は建設されました。ご興味あっ