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音楽と私

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自分の好きな音楽について、早口で捲し上げるように語る誰得マガジン
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#音楽

中村マサトシ×中田裕二 IRORI石巻ライブレポ(あるいは不要不急との再会について)

シンガーソングライターである中村マサトシさんと中田裕二さんが、宮城県沿岸部を回る二人旅ツアー<ミヤギ・コースタル・セッション>。3月11日、宮城県・IRORI石巻で開催したライブを観てきました。 二人は、宮城県にてそれぞれバンドを結成し、以降盟友として交流を続けています。宮城県を拠点に活動する中村マサトシさんと、宮城県にゆかりのある中田裕二さん。2011年、東日本大震災を受けて、それぞれの地でそれぞれの方法で応援してきました。そして、2021年10月から、<ミヤギ・コースタ

2021年、今聴きたい中田裕二の3曲

始めにこのnoteでは、シンガーソングライターとしてソロ活動10周年を迎えた中田裕二(ex椿屋四重奏)の楽曲から、2021年現在、今個人的に聴きたい楽曲を3つ挙げている。 書いている人は、椿屋四重奏から10年以上中田裕二のファンで、個人的に思い入れの深いアーティストである。なので、少々暑苦しいかもしれないが、ご了承願いたい。 ①紫陽花バンド時代の楽曲で、歌い出しの歌詞から曲の世界に引きずり込む、ストーリーテラーとしての中田裕二の実力を感じさせる一曲。夏の終わりの紫陽花のよ

夢の跡を探訪する

中田裕二のソロ10周年企画第三弾は、椿屋四重奏しばりのライブをするらしい。 何それ行きたい!と思いつつ、このご時世に東京には行けないので、配信を楽しみに待つことにした。相当なフラストレーションが溜まっているので、勝手に今の中田裕二で聴きたい椿屋四重奏の曲を語ってみる。ソロになってからライブでは歌っていない曲で、聴いてみたい曲を3曲挙げてみたい。 ちなみに、椿屋四重奏の曲はよく編まれていて、シングル曲やアルバムリード曲は今歌ってもそれほど違和感を感じないだろう。劇場型な構成

あの日聴いた幻惑が鳴り止まない

私が椿屋四重奏を知ったのは高校生の時である。 長いが、当時の背景の話をさせて欲しい。何しろ16年ほど前の話をするので、現代のカルチャーの出会い方とまるで違うのだ。同年代の人は懐かしい話である。 当時は現在と違って、音楽定額配信サービスがなく、レコメンドなどしてくれない。友人が聴いている音楽に影響されたり、自ら音楽情報を取りにいく。聴いている音楽が強いアイデンティティのひとつだったのである。 当時流行っていた音楽は、浜崎あゆみやEXILEの第一章(SHUNがいた頃)。今聴

中田裕二を聴いてみたい貴方に(勝手に)贈る3曲

椿屋四重奏(以下椿屋)ファンが、一夜限りの再結成のニュースを聞きつけて、中田裕二の10周年記念ライブの配信を観た人も多いだろう。 その時「ソロは聴いてなかったけど好きかもしれない。」と思ってくれた人がいるかもしれない。 そんな時、どのアルバムから手をつければいいだろう。 とりあえず最初の1枚はベスト版の「TWILIGHT WANDERERS - BEST OF YUJI NAKADA」を勧める。 今後の方向性の確認には「DOUBLE STANDARD」を勧める。 聴いて欲し

SunriseからTwilight 中田裕二ソロ10周年記念ライブ

中田裕二は人たらしだ。 このnoteは中田裕二のソロ10周年記念ライブ「YUJI NAKADA 10TH ANNIVERSARY SPECIAL LIVE "ALL THE TWILIGHT WANDERERS”」についてオンライン配信に参戦した、とあるオタクの感想です。 体系的かつ愛あるレビューを読みたかったらこちらの記事↓がおすすめです。 このご時世でなかったら、這ってでも会場に行っていたであろう執念を、会場で誰かと手を取り合って喜び合いたかった無念を、でも観て良か

3月のTYO

3月12日のライブを控えた前日の金曜日、連日の残業も相まって、早く仕事が終わらないかなぁと思っていた。 結果、私の望んだ明日はやってこなかった。 地震が起きたのだ。 私は幸いにも職場から自宅に帰宅し、家族みんなで近所の学校に避難できた。 沿岸部からは離れていたので、家のすべてを失うことはなかった。ただ、津波の規模が大きかったので、私の住んでいる地域は私の腰より上の位置まで浸水していたらしい。 らしい、というのは水が引いてから自宅に帰って、水の跡で高さを測ったからである

30th Anniversary LIVE -YOKOHAMA SPECIAL 覚書き

「声はいらないから身体でください」 なんて無粋にならず耽美な響きに感じさせる人はどのくらいいるのだろう。 これは横浜アリーナで行われたTHE YELLOW MONKEYのライブでの吉井和哉のMCのひとつである。 私は音楽と人の東京ドーム公演のライブレポを読んで、オンラインライブを観なかったことを後悔した。 文章を読んだだけで、それが新しいエンターテイメントの幕開けであることがひしひしと伝わったからである。 プロの文章は本当に凄い。 私は急いで11月7日のオンラインチケットを

アルバム『PORTAS』レビュー その門を潜って

初めに2020年11月17日追記 CDが届いたので、歌詞カードを元に歌詞を正しく引用し直しました。 このnoteは中田裕二の10枚目のアルバムである『PORTAS』を主に歌詞を中心に勝手にレビュー及び解釈をしています。 音楽配信サイトの先行配信を元にレビューを書いており、CD発売日前につき、引用している歌詞は正確なものではありません。 解釈は全て個人の主観です。 1. プネウマプネウマという印象的なタイトル、意味を調べて見ると、 ギリシャ哲学で、人間の生命の原理。一

DOUBLE STANDARD 僕とあなたのスタンダード

心の健康寿命を延ばせこのご時世ですっかりライブというものが開催出来なくなってしまった。 私に関してだけ言えば、2018 年から乳幼児を育てているので、すっかりライブに行かなくなってしまったものの、好きなアーティストがライブをしない世界など想像もしたことがなかった。 ライブに行けなくとも、ツアーが始まれば SNS でライブレポがアップされ、熱心に情報を追いかけなくとも、元気にやっているのだな、と思えた。 今年はそれもない。 ライブというのは良いもので、チケットが取れたらアル