月曜モカ子の私的モチーフ vol.174「烏頭(うとう)」
毎年恒例になっている知り合いの能楽師さんの夏の能を観た。
「烏頭(ウトウ)」という演目は流派によって「善知鳥」と書かれる。鳥の名前。
親鳥が「ウトウ」と声をかけるとひな鳥が「ヤスカタ」と答える。この習性を利用し「ウトウ」と声をかけ雛鳥を捕まえ殺め続けた猟師が、死してなお、地獄でその罪を償わされているという、そしてエンディングまで一つの救いもない演目。「カケリ」と呼ばれる、猟師が鳥を追い詰めている時のリアルな演技と、亡霊となった猟師が化鳥に追い詰められ、家族子供と引き裂かれて、