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【個性の創り方】


ご無沙汰しております。
まだ出会って間もないはじめましての方に「兄ちゃんこんなことやって意味あるん?」と斜に構えた様に言われる度に、『シンプルにこの人、モテないんだろうな』…と心の中で思ってしまう“性格悪い奴”こと天真です。
#ごめんて

さて、

移動式銭湯で日々こんな旅をしていると若い子達(20代前後の学生さん)と話す機会が多々あり、そこでしばしこんなことを相談されます。

「一度きりの人生、やりたいことをやりなさいと言われても、僕は(私は)そもそも“個性”というものがわかりません。どうしたら自分だけの個性を見つけ出せるのでしょうか?」

━━━こちらが相談したい位です。
#26歳無職ミヤケ

そもそも一世一代の人生相談をスティーブ・NO・ジョブズ三宅にしてしまった時点でもうかなりの人選ミスなのですが、このテーマは個人的にもなかなか興味深いものなので少し考えてみました。

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「個性の伸ばし方」よりも「個性の創り方」が知りたい
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「自分だけの個性を伸ばしなさい」

親や学校の先生、巷に並ぶ啓発本やそれっぽい成功者の話を聞けばまあ大抵こんな言葉と出会います。

確かに、自分の身の回りの「個性的な人」をぱっと思い浮かべればなんだか面白いことをして日々楽しそうにしている人達が頭に浮かびます。
#皆さんも少し個性的な人を思い浮かべてみてください

22世紀においてこの「個性」というものがとっても大切なキーワードであるということはまあなんとなくわかりました。

でも、そもそもこの「個性」というものは一体どうやったら見つけ出せるのか?

冒頭の若い子達も然り、人々が今本当に知りたいのは

〝個性の伸ばし方〟

と言うよりはむしろ

〝個性の創り方 〟

━━━なのかもしれません。

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なぜ“個性”は埋もれるのか
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よくこんな言葉を耳にします。

「彼は(彼女は)幼少期は才能で溢れていたのに、今ではすっかり個性が埋もれてしまった」

…では一体なぜ、この個性というものは埋もれてしまうのか?

もっと細かく言えば、一体いつどこのタイミングで、どのような形でこの個性というものは薄れ消えていってしまうものなのか?

さて、、、

〘個性が埋もれてしまう理由〙

それは結論から言ってしまえば

〝個性の定義そのものを誤ってしまっていたから〟

━━━なのだと思います。

「個性的な人」と聞いて皆さんはどのような定義付けをイメージするでしょうか?

∇人より足が早い人
∇人より歌が上手い人
∇人より勉強ができる人

…etc

色々あるかとは思いますが、それらに共通するイメージとしては

〘 個性的な人=人より得意な〇〇がある人〙

━━━なのだと思います。

つまるところ『個性=得意』という認識です

でも、それこそが実は一番の落とし穴かもしれません

なぜなら、この“得意”というは実に残酷で
誰かと比べて優れている内は「得意なこと」と思えても、いつかそれが人よりも劣ってしまった時にはもうそれは「得意なこと」ではなくなってしまうからです

学校では周りの人よりも勉強やスポーツで優れている━━━つまり“得意”でも、大人になって世界が広がった時に自分よりも更に優れている人達と出会い、そこで大きな挫折や敗北感を味わってしまう

地球上でNo.1にでもならない限り、いつかは人より劣ってしまうのは至極当然なこと

しかしながら『自分の個性=自分の得意』だと頑なに思い込んでしまった本人や周囲の人がその瞬間に

〝 個性が埋もれてしまった〟

━━━と言い表すのかもしれません。

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「個性」とは「無駄」である
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「得意」を軸に誰かと比較してしまった時点で個性は埋もれる恐れがある

ならば一体どうしたら良いか?

それはもう、決して埋もれることのない個性を再定義するしかありません

“個性”という名の異形の怪物の正体

それはつまるところ

〝ムダ〟

━━━なのだと思います。

人が1でいい所を、わざわざ100かけてしまう様な非合理さ

AI的視点で言えばまさしくアホの極みで、なんでそうなっちゃったの。笑…みたいなあの感じ

それがまさに唯一無二の個性になり得るのです

…ここで改めて皆さんの周りの“個性的な人”や“個性的なモノ”や“個性的なサービス”を思い浮かべてみてください

きっと“それ”は何かしらの無駄や非合理さで満たされているのではないでしょうか?

∇別に靴と長ズボンを履いておけばいいのに冬でも下駄に桶に法被の人
∇業者に頼んでおけば早くて正確なのにわざわざ全てDIYしたモバイルカー
∇日本はこんなに素敵な湯で溢れてるのにわざわざ創ってしまった移動式銭湯

━━━完全にムダです。
#日本一ムダを極める男ミヤケ

でも、本人にとってはそれが好きで好きでたまらなくて、それが仮に合理的であろうが非合理的であろうがもうお構い無しな状態

それこそが決して埋もれることのない“個性”なのだと思います。

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個性の創り方(見つけ方)
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『個性=ムダ』

この前提で考えた時、個性の創り方(見つけ方)は途端に容易になります

個性を生み出すたった一つの質問

それは、、、

〝これまで周囲から「あなたは一体なぜそんなことし続けるの」と言われたことは何か?〟

━━━です。

周りから見れば非合理的で役に立たない様なことでも、自分にとっては何より大きな意味がある

だからこそ必然的に競合は現れず
#普通の人達にとってはムダすぎて割に合わないからそもそもそこに参入する意味が無い

かつ自身は誰よりもそこに時間を割けるので、結果として“個性”が“得意”に映って見える場合すらある
#勿論当人にとっては他者と比べてそれが得意かどうかなんてことはどうでも良い

皆さんの中にもきっとそんな“ムダだと言われたもの”が何かしら眠っているのではないでしょうか?

「なんでそんなことをするの?」
『楽しいからさ。』

〝Just For Fun〟

それこそがきっと貴方だけの個性なのかもしれません

もしいつか自分が親や先生の様な存在として子供たちと接する日が来たなら

その子の“ムダ”という名の「個性」を愛してあげることができるだろうか

そんなことを自問自答しながら今日もそっとこの湯を沸かします━━━

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I had the strange habit, but it wasn’t thrown away. Because that’s my individuality.
-Bob Dylan-

僕にはヘンな癖があるけど、捨てなかった。それがぼくの個性だから
-ボブ・ディラン-

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2022.4.16
桶の旅人


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