今までに読んだことのないタイプの小説
『小説の小説』(著:似鳥鶏)を読んだのだが、面白いというよりはトリッキーだな、という感想だ。いや、もともとそういう本だとはわかっていたんだけど、事前に想像していたよりも10倍はトリッキーな小説だった。
いわゆる「メタ・フィクション」と言われる、「小説の約束事を利用した小説」の形式をとっていることが「まえがき」で断られている。
縦書きは上から下へ読む、一行空いたら場面や視点が変わる(ことが多い)、といった本を読んでいくうえでは至極当たり前の約束事さえもネタとして弄ばれている。