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IP無線機を購入するときの選び方や注意すべきことを解説

従来の無線機とは一線を画するものとして、注目を集めているのがIP無線機です。

では、IP無線機を選ぶ際にはどのような点に注目すればよいのでしょうか。

ここでは、IP無線機を選ぶ際のポイントや、購入前に注意すべきポイントについて解説します。

IP無線機選びの5つのポイント

IP無線機を選ぶ際は、以下に挙げる5つのポイントを押さえて検討しましょう。

ハンディ型か車載用か
防水性の有無
バッテリーの種類
連続使用時間
付属機能の有無

それぞれ詳しく解説します。

1. ハンディ型か車載用か

IP無線機は用途に合わせて、ハンディ型と車載用のどちらかを選ぶことになります。

IP無線機は、主に工事現場やイベントなど屋外で広範囲の通信を行う場合と、タクシーなど車内での通信に使用されることが多いです。

これは、IP無線機は従来の無線機と違って、携帯電話のパケット通信が利用できればどこでも使用できるメリットがあるためです。

ハンディ型とは、コンパクトで持ち運びしやすいもので、無線機を利用する人の行動範囲が広いシーンに向いています。

一方で、車載用はタクシーやバス、トラックなどの車の中で使用するもので、携帯性は低いですが、エンジンのON/OFFに無線機が連動したりデジタコやドラレコと連携ができたりします。

まずは、使用するシーンを明確にして、最適なIP無線機を選ぶようにしましょう。

2. 防水性の有無

とくに屋外で使用する場合は、急な雨にも対応できるよう、必須となるのが防水性です。たとえば災害現場で使用する際は、多少の水濡れでも使用できるものが望まれます。

IP無線機では、ハンディ型で防水性を確保している機種が多いです。防水性を評価するものとして「IPコード」があります。

IPコードと防水レベルについては、一般的に下表のようにまとめることができます。

保護等級 IPコード 防水の定義
0級  IP□0  無保護
1級  IP□1  垂直に落ちてくる水滴からの保護
2級  IP□2  垂直より左右15度以内からの降雨からの保護
3級  IP□3  散水からの保護
4級  IP□4  水の飛まつからの保護
5級  IP□5  噴流からの保護
6級  IP□6  暴噴流からの保護
7級  IP□7  水に浸しても影響がない(水面下30cm〜1mの深さに30分没しても使用可能)
8級 IP□8 水面下での使用が可能


なお、IPコードは防塵性能を示すものも併記されていることが多く、以下のように定義付けられています。

保護等級 IPコード 防塵の定義
0級  IP0□  無保護
1級  IP1□  手などが内部に侵入しない
2級  IP2□  指などが内部に侵入しない
3級  IP3□  工具の先端などが内部に侵入しない
4級  IP4□  ワイヤーなどが内部に侵入しない
5級  IP5□  機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なうほどの量の粉塵が内部に侵入しない
6級  IP6□  完全な防塵構造


IP無線機では、多くがIP67やIPX7という防水レベル7クラスの防水機能をもつ機種が多いです。水面下30cm〜1mの深さで30分間没しても使用可能で、比較的自由に利用できます。

3.バッテリーの種類

IP無線機では、バッテリーの種類としてリチウムイオンバッテリーと乾電池式があります。

リチウムイオンバッテリーは、充電器に挿しておけば簡単に充電できます。利用機会が多いシーンでは活躍しますが、利用頻度が低い場合は常に充電しておく必要があります。

一方、乾電池式の場合は乾電池さえあれば普段充電しておく必要はありません。ただし、電池の分だけ重量が重くなるのが難点です。

4.連続使用時間

バッテリーの種類のほか、連続使用時間も重要なポイントです。使用する時間を十分考慮しましょう。

たとえば3時間のイベントで使用する場合なら、3時間以上バッテリーがもつ必要があります。

カタログ値を見る際には、使用可能時間と連続待受時間などの表現がありますので、使用可能時間をしっかり確認したうえで選びましょう。

5.付属機能の有無

IP無線機の場合、携帯電話のパケット通信を使用することを活かした付属機能が用意されている機種があります。

たとえば、メッセージ機能があるものは音声だけでなく文字でのやり取りが可能です。最近ではテキストの送受信だけでなく動画や画像の送信ができる機種も登場しています。

また、AndroidOSを搭載して様々なアプリを導入することができる機種もあります。

用途に応じて、オプション機能が必要な場合は合わせて導入するのもおすすめです。

無線機の購入前に注意することは?

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パケット通信を使用するIP無線機は、月額利用料がかかります。基本通信量は月額2,000円程度と高額ではありませんが、ランニングコストに含めておきましょう。

また、可能性としては低いですがパケット通信に規制がかかった場合は通話ができなくなる恐れがあることも考慮しておかなければなりません。たとえば、多くの人が集まるフェスなどのイベントで使用すると、安定した通信ができないケースもまれにあります。

まとめ

用途に合った最適なIP無線機を導入しよう!

IP無線機は、従来の無線機と比較してまだまだ種類は少ないのですが、それぞれの機種で特徴が異なります。

使用するシーンを明確にして、用途にマッチしたIP無線機を導入することが大切です。

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