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【実験】USB SSDにChromeOS FlexをインストールしてWindowsと共存させてみたが、ちょっと厳しかった


モチベーション

ChromeOS Flexはいじっていて面白いOSなのですが、PCを1台専用に割り当てるのは、経済的にも場所的にも少々厳しいところです。ChromeOS FlexをUSB SSDにインストールして、使いたいときだけ普段使っているWindows PCに挿して起動できないか? というのが本記事のモチベーションです。

しょっぱなから結論

ChromeOSは1台のPCの中で他のOSと共存するようにはできておらず、いろいろと厳しい感じでした。

ChromeOSをUSB SSDにインストール

Googleが提供するChrome拡張機能「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を利用すると、ChromeOS FlexをUSB SSD(やUSBメモリ)に書き込めます。このUSB SSDは、PCにChromeOS Flexをインストールするインストーラーとしての役割がメインなので、ライブブート(お試し利用)時はストレージサイズが制限され、USB SSDのサイズいっぱいデータを保存できません。

そこで今回は、インストーラーのインストール先がUSB SSDになるようにして、正真正銘、USB SSDにChromeOS Flexをインストールしてみました。ChromeOS Flexのインストールではインストール先が選べないので、すでにOSが入っているPCでUSB SSDにChromeOS Flexをインストールしようとすると、PC本体のストレージに書き込まれてしまい、Windowsが消える可能性があります。

そこで力技ですが、PCからすべてのストレージを取り外し、インストーラーのUSBメモリーと、インストール先のUSB SSDのみつながった状態で起動して、ChromeOS Flexのインストールを実行したところ、目論見通りUSB SSDにChromeOS Flexが書き込まれました。

あとは、PC起動時にChromeOS FlexがインストールされたUSB SSDを起動ディスクに指定すると、ChromeOS Flexが一応起動してきます。

常用が厳しいと感じたわけ

BIOSのタイムゾーンがUTCになる

ChromeOS Flexを起動すると、BIOS(UEFI)の時刻がUTCに変更され、次にWindowsを起動した際は(日本時間から)9時間前にずれた状態になってしまいます。都度合わせなおせばいい話なのですが、地味に面倒です。ちなみにこれは前述のライブブートでも同様なので、もうそういう仕様なのでしょう。

PCが変わると初期設定からやり直し

せっかくUSB SSDにインストールしたChromeOS Flexですから、いろいろなPCにつなぎなおして環境を持ち運びたいところです。ところがPCが変わると、ChromeOS Flexの初期設定からやり直しになります。初期設定が完了すると、前のPCでローカルに保存していたファイルなどは残っているので、「PC変更時には初期設定をやり直し」という意図的な挙動と感じます。

Powerwashを誤って使うとWindows環境も消えるのでは?

ChromeOSには、すべてのストレージを削除して初期出荷状態に戻す「Powerwash」機能があります。ところで、Chrome OS Flexのファイルアプリを見ると、PCがもともと持っている(Windows環境が入っている)ストレージ)が確認できます。

赤枠部がWindows環境のストレージ

この状態でPowerwashを実行してしまうと、Windows環境ごとまるっと消えてしまうのでは…と思ってしまうわけです(さすがに怖くて試していません)。このPowerwashのコンセプトからも、ChromeOSが他OSとの共存を意識していないことがうかがえます。

まとめ

ChromeOS FlexをUSB SSDにインストールして、Windows PCと共存させる試みをしました。頑張れば共存できなくはないですが、使い勝手にいろいろと癖があるので、常用は少々厳しい感じです。一応全く動かないわけではないので、試したい方は自己責任でどうぞ。


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