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【まわりみち日記】8月24日:待ち合わせ攻防戦

私は待ち合わせに余裕綽々で到着するのが好きだ。大抵の待ち合わせには5分〜10分前に到着するように家を出る。これは私が到着時間に間に合うかどうかヒヤヒヤしながら移動するのが好きではないことと、相手の生きている時間を「私を待つこと」で奪ってしまうのが何だか大変申し訳ない気持ちになってしまうからだ。自分が相手を待つ分には問題ないのだが(好きで早く到着しているので)相手を待たせたくないの気持ちが強い。

今日の待ち合わせ時間は8時15分だった。早い。昨夜も行った丸の内ピカデリーで朝一番の回の『恋を知らない僕たちは』を見るためだった。前日も21時までそこにいたので、11時間ぶりの丸の内ピカデリーである。今日は一緒に見る約束をしていた作間担の友人の都合に合わせてこの朝の早い時間で見るしかなかったのだ。仕事の始業より早い。早めに起きたら早めに準備も終わって早めに有楽町駅に着いた。丸の内ピカデリーに着いた時刻はなんと7時50分だった。待ち合わせ時刻の25分前。自分どんな時間の計算の仕方したんだと振り返ってみたけれど、電車の到着や色んなプロセスが全部上手く行きすぎた結果である。

早めに到着した場合、相手に「着いたよ」の連絡をするタイミングがいつも悩ましい。勝手に早く来たのは自分の方だし、早めに到着連絡をしてしまうと相手を急がせてしまうので、私は10分前に着いていたけれど、さも今着いたかのように2-3分前に着いたよといつも連絡をしている。しかし今日に至っては到着したのが指定時刻の25分前。連絡するにはあまりにもあまりにも早過ぎる。早く着きすぎたことを笑い話にして作間担に送信しよう、付き合いの長い彼女のことならきっと笑ってくれるだろう、それを早く来て欲しいと急かしている風には曲解しないだろうという自信を持ってLINEの画面を開いた。

ちょうどそのタイミングで丸の内ピカデリー前のエレベーターが到着して開いた。そして中から作間担が出てきた。

「「えっ」」

思わず「おはよう」の前に驚愕の声が出た。なんと彼女も待ち合わせ時刻の25分前に到着していたのである。「早く着きすぎたって今連絡しようと思ってたら作間担がエレベーターから出てきてびっくりした」とことの経緯を説明して二人で笑い合った。彼女も彼女で道中にこなしたかったタスクが思いの外スムーズに進み、早めに着いてしまったのだそうだ。思い返してみれば彼女も待ち合わせには早めに到着するタイプだ。早めに到着する者同士の待ち合わせ、余裕綽々が過ぎる。映画館の開館まで15分も時間があったが、あれやこれやと喋っていたらあっという間に時間が過ぎた。

付き合いが長くなればなるほどこの待ち合わせにおいて早めにくるタイプか遅れてくるタイプかのデータが蓄積されていく。遅れてくるタイプの人との待ち合わせについては待ち合わせ時刻を早めに設定しておいて、遅れてくることを想定して私もその指定時刻より後に到着するように調整し、自分が待ち過ぎないようにしている。若いときは「何で遅れてくるんだろう」と憤ったりもしていたけれど、相手からすると「何で早めに来るんだろう」と思われているかもしれないと思い、自分の中での調整スキルが上がってきた。今のところはこれで上手くいっている。

このテーマだけでまだまだ語れそうなので他の人の待ち合わせ攻防戦の話も聞いてみたくなった。


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