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為替ヘッジ、あり、なし?

米国への投資信託商品をみると、為替ヘッジがあり、なしという記載を良く目にします。その言葉の如く、円建てによる為替変動リスクを回避するように設計されたのが為替ヘッジあり、組み入れないのがヘッジなしということになります。

 一般的には、ヘッジとは保険の様なものになりますので、手数料がかかります。為替ヘッジありの場合、購入する国の通貨(米国ならドル)と円の短期金利の差をヘッジの手数料として設定している事が多いようです。

為替変動はサイクル的な周期があるので、通常は長期積立の場合には、手数料がかからないヘッジ無しを選択するのが普通と思います。長期的に見れば、僅かな手数料によってもかなりパフォーマンスが変わると考えるからです。

 2022年は年初来、ドル円が大きく上昇した為、米国株や米国債券が下落しても、円建て(ヘッジなし)の日本の投資家はかなり恩恵を受け、暴落から救われて来ました。その一例を米国債7-10年チャートでお見せします。

 黄色がヘッジあり、ピンクがヘッジ無しです。実際にはピンクの動きがドル建て米国長期債の価格動きに近い変動になりますが、3月の米国利上げ以降は真逆の動きをしていることが分かると思います。実際には、価格が暴落(金利上昇)していた米国債ですが、円建ての米国債券投資家は逆に恩恵を受けていたことになります。同じ商品でありながら、これほど極端な差がでるのも非常に珍しいと思います。

 ここでこの先、気をつけなければならないのは、この極端な為替変動には、必ず反動が来るということです。昨今、米国FRBによる短期金利上昇により、米国経済の先行きに景気後退の懸念が高まり、長期金利が下落(価格は上昇)し始めています。

私は、米国長期債をヘッジ無し(円建て)で一定保有し、円安メリットを受けてきました。直近は、円高に触れだしている為、円高による価格が下落すると考えています。一気に売却してしまう方法もありますが、米国長期債はこれから(ドル建て)価格が少しづつ上がると考えていますので、株式のヘッジとしても保有し続けたいと考えています。

この場合、ヘッジ無しの米国長期債を一定売却し、追加でヘッジありの選択肢を取る事で、円高に対するヘッジと米国景気後退による株式下落のヘッジも取れると考えています。

#為替ヘッジ  #米国債 #米国株 #ドル円

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