R-1グランプリ2021を観た
2021年3月7日、リニューアルされた新生R-1グランプリが開催された。
今までの大会との一番の違いは芸歴が10年以下になったことだ。
発表のタイミングはどうかと思ったが、番組に新しい風を吹かすにあたってはとてもいい案だと思った。
ピン芸人が主役のこの番組。R‐1でしか見ない芸人さんが多い印象だったので彼らは一体どうなってしまうか不安だったのだが、R‐1クラシックというエキシビションマッチ的なものがあったり、R‐1を盛り上げてきた戦士たちにもそれぞれ役割を与えられているようで安心した。
そして、新MCの発表。
R-1決勝経験者でしゃべりが達者の霜降り明星に、
声の通る綺麗で笑顔の似合う広瀬アリスさん。
お笑いオタクとしては、この采配は完璧だ。
そんな新生R-1を少し前から楽しみにしていた。
迎えた本番、
ネタは、もちろん面白い。なんてったって予選という厳しく狭き門を通り抜けてきた10人の決勝進出者なんだから。面白いに決まってた。
それ以前に運営側の問題が目についた。
まあ細かくは書かないが、
とにかく段取りはグダグダだし、
視聴者投票のシステムも正直意味不明だった。
まあ、リニューアルして最初の大会だからミスや失敗があって当然だが、少々やらかしすぎてしまったのではないかと思う。
今年の失敗を反省し、来年はより良い大会に改善されることを願う。
まあ、それはさておき、本題のネタについて。
SNSで文句を言っているお笑いにわかファンは放っておいて
やはり決勝だ。面白かった。
それだけは毎年変わらない。
全て話すと長くなってしまうのでファイナルステージに残った3人について書いていきたいと思う
まず、かが屋 賀屋。
演技力はもちろん何といっても彼の愛され力。
長髪なのに清潔そうな見た目に、
人当たりがよさそうな風貌。
何より謙虚な姿勢の割には、技術面では最強。
彼の一本目は残念な男のネタ。私が好きなネタだ
繰り返される悲劇に何とも言えない悲しい表情が
視聴者の同情を誘い、引きつけて笑いを起こす。
二本目は彼が帰るまでおならを我慢し続けた女のネタ。
このネタもあるある要素が含まれていて、
その何とも絶妙に切ない表情に惹きつけられる。
彼は人を惹きつける演技の才能の持ち主なのだ。
そして、ZAZY。
まさに「なんそれ!」。
私は1つのフリップでしかあのネタは見たことなかったから4つで出てきたときは興奮さえした。
二本目は1本目のピンクZAZYから白ZAZYへのお色直しが粋でよかった。
ただ2本目の2つのアクシデントはとても惜しく悔しかったが、それでも彼の良さは十分に世間に知らしめることができただろう。
ZAZYにしか出せない不思議なワード、
ZAZYにしか作れない独特のリズム、
ZAZYにしか着こなせない衣装、
誰にもマネできない独特の雰囲気とオーラ。
彼は唯一無二の芸人だ。
最後は優勝を手にしたゆりやんレトリィバァ。
1本目はちゃうねんのネタ。
もう、言葉では説明ができない。
一見普通の一人コントかと思えば、展開していくにつれて気持ち良いほどにどんどんテンポが上がっていき、いつの間にか彼女の世界観に引き込まれている。
1本目のネタももちろん素晴らしいが、
私がこの大会で最も凄いと思ったのは2本目。
1本目同様、最初は普通のひとりコントだった。
しかし、気付けば彼女の世界に引きずり込まれ、そこには言葉のない笑いの世界が広がっていた。
なるほど、これが世界で通用するお笑いか…
彼女は令和の喜劇王と言っても過言ではないだろう。
今年のR-1の王者は異議なしでゆりやんだった。
世間に何と言われようと一生をかけて
お笑いの世界に命を注ぐ。
その姿勢が彼女のお笑いの技術に間違いなく
影響をもたらしている。
ゆりやんはひらめきと努力の天才だ。
そして今年より良い大会になるよう期待を込めて
来年もこの大会を楽しみにしたい。
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