部屋と幻

 最近1日1日がとっても短く感じる。あっという間に数日過ぎていく。まるでとても長い一日を過ごしているみたいで気分がいい。毎日のように外に出て、来るはずのない人を待ち続けて、雀の涙を持ち帰り、満たされないまま器だけ大きくなっていき、枯れた雀を置いてまた家に帰る、そんな毎日。この世でなくなったら寂しいものがあるとしたら、雀くらいだと思う。
 映画を見て、生まれ変わったら道化師になりたいと夢見て眠る。真っ白な肌に、真っ黒の鼻と1粒の雫、特徴的な眉毛。笑わない子供を笑わせることができたら幸せだろうな。自分が笑える子供に生まれ変われる保証なんて、どこにもないけど。
 でも確かに、子供の頃ははっきり天国が見えてたんだ。今は?
 1度出会ってしまえば、きっかけなんてなくてもきっと良かったのに。明言してしまうことで、それのせいになってしまうのが嫌だった。理由なんてなくても、あの子に注ぐはずだった愛を、2人分まとめて君に向けているから。ねぇ、はやくツイートして。勇気なんて出さなくていいから、ずっと可愛い靴でお散歩しててよ。
 ずっと、望んでるのはポリネシアンな愛だけ。上を向くか下を向くかで受け取り方が変わる表情が同じと言えるの?この世に同じものなんてない。言葉で表せなくても尊い関係があることをお互いが理解していたら、それでいい。そういう愛に今満たされているから。空いた穴を塞ぐ必要なんてなかったんだ。穴がない場所に行けば良かった。ずっとそこにいる必要がなかった。薄氷割りにも、堅雪踏みにも、一人で行けばよかったんだなぁ。
 私今日クッキー買って帰ろうかな。牛乳にディップして食べよーっと

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