第40回ジャパンカップ
どうも、はむです。
ようやく、待ちに待った、2020年11月29日がやってこようとしています。
そうです、第40回のGⅠ・ジャパンカップが開催される当日が、です。
折角ですから、競馬を知らない多くの人にこのビッグレースを知って欲しいと思い、今回も記事を書こうと思います。
ざっくり3部構成で、最初が「競馬をあまり知らに人向けにこのレースの凄さ」を、次に「競馬をよく知っている人向けに、3強の個人的評価」を、最後に「僕の予想」を書ければと思っています。
この記事を読んで、普段は競馬を知らない人も、ギャンブルが嫌いだ~っていう人も、この世紀の一戦に少しでも興味を持っていただければ幸いです。
[1] なぜ今回のジャパンカップが世紀の一戦なのか
-ジャパンカップの歴史
まずこのジャパンカップというレースについて軽く説明します。
1981年に「日本初の国際GⅠ」として創設されたジャパンカップ。
東京競馬賞の芝2400mを舞台として、毎年11月に開催されています。
長らく海外の競走馬を数多く招待して開催されたことから「世界一の競走」「競馬のオリンピック」と呼ばれることもしばしば。
実際にこれまで14回、外国からの招待馬が勝利を挙げています。
しかし近年は日本の競走馬が台頭し、2005年のアルカセットを最後に外国からの招待馬は勝てていません。
そのアルカセットは2005年のレースで当時の芝2400mの日本レコードタイム「2分22秒1」を記録しました。
これは、2018年まで13年間も抜かれなかった不滅の記録として競馬ファンの脳裏に刻まれているレコードタイムでした。
そのレコードタイムが塗り替えられたのが、2018年のジャパンカップ。
その年に牝馬三冠を成し遂げたアーモンドアイが、日本レコードを1.5秒塗り替える「2分20秒6」で圧巻の勝利を挙げ、名実ともに彼女は日本史上最強の競走馬に数えられるようになりました。
-アーモンドアイとは
アーモンドアイは、その年2018年に牝馬三冠+レコードでのジャパンカップを制覇。
翌年2019年にはドバイのGⅠ・ドバイターフと天皇賞秋を制覇。
今年はヴィクトリアマイルを制し、GⅠを計7度勝利していました。
そして、先月行われた天皇賞秋を連覇で勝利し、日本歴代単独最多の記録「芝GⅠ・8勝」を打ち立てました。
これは今まで、シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、キタサンブラックが記録していた最多の7勝を超える記録です。
アーモンドアイに長らく跨り続けてきた騎手クリストフ・ルメールも、先月の天皇賞秋を勝利した際はこの重圧から涙を流していました。
それほどの記録なのです。
そんなアーモンドアイも、もう5歳。今回のジャパンカップをもって引退することが決定しています。
ただ、そんな歴代最強馬のアーモンドアイも、現役最強の肩書を引っ提げてやすやすと引退出来なくなったのです。
-コントレイル/デアリングタクト、2頭の無敗の三冠馬とは
『2020年は、日本の競馬史に残る、エポックメイキングな年となりました。』
先月、菊花賞の実況でラジオNIKKEIの小塚歩アナウンサーがこう言っていました。
実際、今年は日本の競馬史においてエポックメイキングな年となりました。
まずは、牡馬のクラシック三冠である「皐月賞・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞」を、福永祐一騎手騎乗のコントレイルが無敗で制しました。
これは、皇帝・シンボリルドルフ、そしてコントレイルの父であるディープインパクト以来、3頭目の無敗の牡馬三冠を成し遂げたことになります。
そしてもう1頭、牝馬の三冠である「桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞」を、松山弘平騎手騎乗のデアリングタクトが無敗で制しました。
これは、今まで5頭いる牝馬三冠馬いずれも成し遂げていない「無敗」での記録で、デアリングタクトは史上初の無敗の牝馬三冠に輝いたのです。
この長い日本競馬史の中で、ただでさえ同じ年に2頭の三冠馬が生まれたことはなかったのに、それに「無敗」の箔付きとなると、それだけで2020年は競馬史に刻まれるべき年です。
ただ、それだけでは終わらないのが、今年2020年の日本競馬なのです。
-三冠馬3頭の激突
元々、ジャパンカップに出走が決まっていたのはデアリングタクトだけでした。
先月18日に秋華賞を勝利し、その後ジャパンカップへの出走を表明したのです。
次に出走を決めたのはコントレイルでした。
先月25日に菊花賞を勝利。菊花賞は3000mの長距離のレースかつ、タフなレースとなったのでその疲労を心配されましたが、調教師・馬主サイドで問題ないと判断され、11月5日に出走を表明しました。
この時点で「その年に生まれた無敗の三冠馬同士がジャパンカップで激突する」というビッグイベントが誕生しました。
コントレイルの矢作調教師も「ファンの盛り上がり、競馬としての盛り上がりを考えて、出走を決めた」と言っており、競馬界は大盛り上がりとなりました。
そして、11月12日、シルクレーシングの公式Twitterにて国枝調教師よりアーモンドアイのジャパンカップ出走、並びに引退発表がなされました。
元々アーモンドアイは、天皇賞秋の次は香港国際競争へのチャレンジというローテーションが組まれる予定でした。
そして、シルクレーシングに所属する牝馬は「6歳の3月をもって引退」というのが決められています。5歳のアーモンドアイにとって、実質今年が最後の年となっていたのです。
「アーモンドアイと、無敗の三冠馬2頭の対戦は見れずに終わるのか...」
競馬ファンの誰しもがそう思っていました。
しかし、新型コロナの影響もあり香港遠征が断念され、アーモンドアイのジャパンカップ出走が決まったのです。
2018年に牝馬三冠を成し遂げ、その勢いのまま芝2400mのレコードを記録。そして今年、歴代の名馬ですら未踏だった「芝GⅠ・8勝」の頂に立ったアーモンドアイ。
そして、今年突如として誕生した2頭の「無敗の三冠馬」。
片や父の影を追い、片や未だ誰も見ぬ道を歩む3歳の若駒2頭。
現役最強馬、いや「日本競馬史上最高馬」の称号をかけて行われる世紀の一戦。
歴代競走馬の頂に立つアーモンドアイが有終の美を飾るのか。
それとも「今年生まれた無敗の三冠馬」が彼女に引導を渡すのか。
今回の第40回ジャパンカップは、その名の通り「日本」の競馬史に残る大一番なのです。
[2] 3強の個人的評価
ということで、3強の個人的な評価をさせていただければと思います。
「競馬をよく知っている人向けに」と題した割には、個人的な3強の見解について述べるだけなので、参考程度に見ていただければと思います。
-アーモンドアイ
言わずと知れたアーモンドアイも、このレースで引退が決まってしまいました。ファンとして本当に悲しいです。
キムラヨウヘイさんがTwitterで言っているように、国枝厩舎だからこそこのローテが歩めたことは間違いないので、僕の中で国枝先生の評価が爆上がり中です。
さて、現状のアーモンドアイですが、秋のローテは2戦を目論み、天皇賞秋の後は香港Cとジャパンカップの両にらみで臨んできたはずなので、2戦目の今回だからといって体調面はあまり問題視しなくてもいいかなという感じです。
毎回全力で走るのがこの馬の良さですが、VMの後の安田も今回と同じ間隔であれだけ走っていたので問題は無いでしょう。安田で負けたグランアレグリアは相当強いので仕方ないです。スプリンターズも化け物やったけど、マイルCSもばちこい強かった。
天皇賞秋も、フィエールマンとクロノジェネシスに詰められているのを見て「おや?」という人がいますが、この2頭も相当強いですから仕方ないです。天春連覇してる馬と宝塚圧勝馬やで?
むしろ、安田では昨年負けたインディチャンプには勝っており、かつ天秋も昨年0.5秒差をつけたダノンプレミアムに今年も0.4秒差なので、アーモンドアイが衰えてきた理論は僕はありえないと思っています。
フォトパドックを見ても、今年は一年を通して「いい」意味で変わることがなかったと思っています。今回もちゃんと仕上がっていましたね。見えない疲れは見えないのでわかりませんが、表面上は問題なかったです。
この引退レースでも、問題無く、アーモンドアイの本来のパフォーマンスを出してくれると考えています。
懸念点は、今の東京の馬場、そして展開です。
今日のレースを見てもそうですが、東京の芝、やはり内はボロボロ。
特に距離が2400mですから、2枠2番のアーモンドアイが、内の悪いところを通らされて消耗してしまうのは避けたいところです。
ただ、今日の最終レースで、ルメール騎乗の1枠1番セルフィーが内から伸びてきたので、同じようにルメールが「ここまでなら...」と芝の良いところを読めて、上手に導いてくれるかもしれないですが。
展開は、トーラスジェミニとヨシオが引っ張る展開になりますが、おそらくその後ろにコントレイルやカレンブーケドール、ゲートが良ければキセキも、そして後ろの有力馬ももちろん、内で先行するであろうアーモンドアイを包む形で道中進む可能性が高いです。プレッシャーをかけられる位置にいることは間違いないでしょう。
内の悪いところを通りながら、プレッシャーをかけられながら、その中でどれだけ他の2強に勝るパフォーマンスを出すことが出来るのか。
それとも、実力をフルでを発揮したとしても他の2強の方が強いのか。
引退レースが、彼女のベストパフォーマンスとなることだけを祈っています。
-コントレイル
ダービーの記事でも書きましたが、スラっとした馬体・母方の血統から受け継いだ非凡なスピード能力を絶対の武器に、ディープから受け継いだ賢さ・勝負根性を合わせもって、無事「無敗のクラシック三冠」を成し遂げたコントレイル。
菊花賞では、道中かかりながらも、アリストテレス&ルメールにマークされながらも、最後は凌いでくれました。あれは名馬の勝ち方でしょう。父の天皇賞春を思い出しました。
東京の2400mも、類まれなるポテンシャルをもってすればそれが一番発揮できる舞台ですから、なんら問題はないです。
問題点はやはりローテーションでしょう。
これもダービーの時に触れましたが、矢作調教師はしっかりダービーと菊花賞の勝ち方に従ってコントレイルを調整してきました。
本来クラシックにおいて、ディープ×米国型のようなタイプでは足りない部分を、リアルスティールでの失敗事例も踏まえて矢作先生は取り組んできたのではないでしょうか。
矢作先生はそれを「完成度が高い」と言っていますが、僕は「この完成度でクラシックは戦える」というように言ってるのでは?と思いました。
本来のコントレイルは、もっと中距離のスピード持続型である。そんな馬に、今後矢作先生も調教していくでしょう。「本来2000mがベスト」と本人が仰るくらいですから。
何が言いたいのかというと、「まだクラシック仕様のコントレイルで、アーモンドアイとデアリングタクトに勝てるのか?」ということです。
牡馬三冠レースがタフ。もちろんわかります。菊花賞の3000mも堪えるでしょう。ただそういった体調面だけでなく、「クラシック仕様に変えた馬体を本来の姿に戻す」のが大変、これもあると僕は思っています。
もちろん現段階でもめちゃくちゃ強いコントレイルです。それに東京2400mはクラシック仕様でも十分に戦える舞台設定です。
でも、「自分の適性に振り切れているアーモンドアイとデアリングタクト」に、果たして勝てるのでしょうか?
-デアリングタクト
桜花賞、僕の本命はレシステンシアでした。
「デアリングタクトは?」と聞かれたら、「もちろんエルフィン強かったけど、アーモンドアイくらいの衝撃やったか?それくらいじゃないと足りるわけないやんけ~」と答えていました。
桜花賞、アーモンドアイと同じくらいの衝撃を受けました。
やっぱり衝撃的な馬はちゃんと三冠しましたね。特にオークスの勝ち方は圧巻でした。一度進路変更をせざるを得ない状況の中、そして桜花賞を走った馬が着順を落とす中で、あの開催の東京に適性があった2頭をしっかり差し切ったのは圧巻としか表現できないですね。
秋華賞は、パドックを見て「ちょっと太くない??」といったくらいでしたが、その飛び跳ねる脚をみて中身は問題ないと思いました。出来自体は完璧ではなかったでしょう。
今回のフォトパドック等も秋華賞より仕上がっているように見えたので、ジャパンカップを大目標にしていたと見ていいでしょう。ローテーションはやはり3強の中では1番ですね。
血統的には、父エピファネイア、父母シーザリオ、母父キングカメハメハ、母母デアリングハートと、素人目に見ても東京で強い、いわゆるポテンシャルに溢れていることは間違いないです。
アメリカ要素もしっかりあるのでスピード・持続力も優れているのかもしれませんが、今のところのパフォーマンスでは秀逸な「瞬発力」に驚かされています。
懸念点は脚質と展開ですが、実際ペースもそこまで置いてかれるようなことは無いでしょうし、ポジションもこの枠ですから「取りに行くかしっかり下げるか」の2択です。
といってもここまで松山騎手が下げてきた理由も「この馬がしっかり実力を発揮できるように」とのことなので、チャレンジ精神で挑む今回は積極策を取る可能性も全然あります。
後ろ過ぎて、瞬発力だけでは前のスピードに足りない。こうなってしまうことだけは避けて欲しいです。
[3] はむの予想
大変お待たせ致しました。では最後に、僕の予想を記して終わりたいと思います。
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第40回ジャパンカップ予想
◎5 デアリングタクト
〇2 アーモンドアイ
▲4 キセキ
△3 ワールドプレミア
☆6 コントレイル
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◎デアリングタクトはやはりこの中で唯一「底知れぬ」馬。
アーモンドアイに匹敵する瞬発力を持っており、まだ見せぬスピードと持続力が開花する舞台な気もする。
それに、秋華賞より上積みが期待され、かつベストの舞台は東京2400だと思うので、「この馬がアーモンドアイに逆転する可能性が一番あるだろう」と思う。
〇アーモンドアイは特にいうことなし。ことこの舞台で世界レコードを持っているのだから、体調に問題もなく、馬券圏外に飛ぶ可能性は限りなく低いだろう。
▲キセキはアーモンドアイがレコードを出したレースで2着。要するに「世界で2番目に2400mを早く走った馬」である。
前走の天皇賞秋は距離不足。
2018年のJCも叩き3戦目で、レイデオロに負けた天秋3着からJC2着とパフォーマンスを上げてきた。
懸念点は出遅れと乗り替わりだが、浜中騎手は京都大賞典で背中を知っているので、そこさえクリアして、東京2400mで、仕上がりも万全なら、3強に割って入っても何らおかしくない。
現状「世界で2番目に2400mを早く走った馬」なのだから。
△ワールドプレミアは長期休養明けの一戦。
しかしフォトパドックを見ても出来は万全で、今まで上り3Fは3位以内しか記録しておらず、そういう脚を使う競馬を得意としてきただけにこの東京2400mの舞台設定もしっかり合うだろう。
まだ4歳牡馬ということもあり成長段階で、まだ底は見せていない状況。それで菊花賞1着、有馬記念3着なのだから、上積みが十分にあれば上位に足りても何らおかしくはない。
昨年のクラシック三冠を制したサートゥルナーリアが出走取消、ロジャーバローズは引退と、この世代の牡馬が日の目を見ていないだけに、がんばって欲しいところもある。
☆コントレイルももちろん、デアリングタクトと同じくアーモンドアイに勝つ可能性がある馬だが、先の個人評価にも書いたように「現状のパフォーマンス止まりで2強に敵うかどうか」が怪しい。
もちろん、ポテンシャルは名馬と引けを取らない。勝ってもおかしくない。先行も出来て、ポジションもいいだろうし、スピードの持続力はアーモンドアイ以上かもしれない。
しかし、この3頭の中で一番不安要素が多いのも確かだ。勝つ可能性を秘めているという点で☆の評価にとどめたい。
とは言っても、実際3強の何が勝つのかは分からないし、3頭の叩き合いが見たい。ここまでしっかり予想するとなると馬券妙味もないし、ん~~~
あ、決めました。予想変えます。
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第40回ジャパンカップ
♡2 アーモンドアイ
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最後に君の走り、もう1回だけ見せてくれ。
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