見出し画像

3/10 ライブレポート 三月のパンタシアLIVE 2024『ブルーアワーを飛び越えて』東京公演

 行ってきました。三月のパンタシア LIVE 2024『ブルーアワーを飛び越えて』in 六本木 EX THEATER

 本編ネタバレを含む日記になります。と言っても本ツアーは日本では東京公演が最後か。しかしながらお気をつけて。

LIVE本編


 我らが堀江晶太のギターからはじまり、開演。バックバンドのしばらくのセッション後、ボーカル・みあ登場。みあの朗読によって、物語が紡がれる。主人公「藍」の心情を、ていねいに朗読していく。
 朗読が終わり1曲目、「薄明」は、小説のテーマ曲として、三パシでは初(だよね?)のポエトリーリーディングが混ざった楽曲。ポエトリーは、やっぱりライブの方がグッとくる。「ふらつきながら叫ばせてくれよ!」と、爆発したようにみあが会場全体に訴えかける姿に、心を奪われた。

「薄明」で会場の心を掴みながら、「花に夕景」「ソーダアイス」「パステルレイン」と続く。「花に夕景」はライブのタイトル「ブルーアワーを飛び越えて」のスタートに相応しい楽曲だと感じた。会場も、「おお!?」といった反応で、意外性もありながら、「薄明」からのスタートを切るのにぴったりだった。「薄明」~「パステルレイン」までの4曲の疾走感ある流れに、会場のボルテージはどんどん上がっていく。「パステルレイン」…堀江晶太作曲のこの曲は、リードフレーズを堀江晶太が担当。ギター上手くない? 特徴的なキメの部分は、バンドメンバー全員、カッチリと合っていて非常に見応えがあった。

 藍とSummer…もとい、中学時代の親友・ハルとの物語の続きを語り、「アイビーダンス」。ライブ序盤のボルテージを、ダンスチューンによって最高潮に持っていく。定番となったサビの振り付けをうまくやると、みあが「よくできました~~~!」と褒めてくれる。園児の頃でしか味わえないタイプの報酬系だこれ。良くない、良くない……成人している身として……
 そんな晴れやかなダンスチューンが終わり、「フェアリーテイル」。先ほどまでのアップテンポな流れを、優しく解いていく。爽やかさもありながら、歌詞や内容の不穏さを感じられる「レモンの花」を経て、「四角運命」へ。「レモンの花」とのつながりが良いシナジーとなっていて、アップテンポなロックさと、シリアスさが際立つ。ベース・中村圭のきめ細かいスラップがかっけぇ~~っす。最新曲にもワードとして登場しているデビュー曲「はじまりの速度」を経て、みあは物語を進める。

 冷めやらぬ熱量が会場を包む。この時点で、かなり暑い。三月のパンタシアって、こんなに熱量すごかったか? と、驚きながらも、僕は「ユアソング」の前向きな詩に耳を傾ける。ここでもう少し落ち着くかと思ったが、次の曲でいとも簡単に破られる。「醒めないで、青春」により、会場のボルテージはまた上がっていく。「タオル持ってますか~~~!?」と声をかけるみあは、このライブを心底楽しんでいるように見えた。「醒めないで、青春」の熱量は「青春なんていらないわ」に引き継がれる。今回のセトリ、もう休む暇がなさすぎる。その流れから「ランデヴー」へ。堀江晶太(左gt)、中村圭(ba)、YUTAKA(右gt)が前に出てくる。前に出た竿ものの楽器隊に爆レスするみあ。野性解放されたかのように思い思いに体を躍動させる堀江晶太。盛り上がらずにはいられない。どこかから「世界の堀江晶太ーーー!!」とか聞こえてきた。そのくらいアツい。

物語はクライマックスへ。ふたりの少女の誤解が解け、ハルと仲直りした藍は「私さ、部活辞めるかも」と打ち明ける。しかし彼女は、ハルに「でもさ、走りたいんでしょ。だって、本当は走りたくてたまらないって、顔にそのまま書いてあるよ」と見抜かれるのだった。ハルとのやりとりを経て「もう一度走り出してみたいと思った」という言葉で物語を締めくくる。(この辺はナタリーの引用である)前へ走り出す思いは「マイワンダー」、新曲「春嵐」に乗せられ、会場を希望で埋め尽くした。
「街路、ライトの明かりだけ」で、ライブ終わり、夜の街を二人の少女が歩いていく様子を彷彿とさせながら、「ブルーアワーを飛び越えて」の物語が終わる。

 みあのMCが始まる。物語についての想いを述べながら、「これからもししんどいなと思うことがあったら、今日出会えた私たちの夜のことを思い出してもらえたらうれしいです。私はいつだって君の味方です。だから一緒に生きていきましょう」そんなメッセージを、力強く届けてくれた。心暖まる言葉を胸に、未配信曲「March」に耳を傾けた。昨年の豊洲で初披露した本楽曲は、一聴だけではぼんやりとしか刻まれず、今回もおぼろげだが、じっと、暖かさだけは胸に残り続けている。
 特別な日、特別な夜。一体感が生まれ、熱気が漂いながらも、この場にいるすべての人がキラキラと輝いていた。そんな、今日のライブにふさわしい楽曲「ゴールデンレイ」を歌い上げ、本編は幕を閉じる。

アンコール

 アンコールの掛け声を全力で叫ぶニキが、喉が壊れる勢いで叫び続けており、心配になった。はやく来てあげてと誰しもが思っただろうが、その思いとは裏腹にみあはめっちゃトイレに行っていたらしい。

 アンコール一曲目は「ピアスを飲む」。アンコールの初めに持ってくるには意外過ぎるダークなナンバー。本公演では驚かされることばかりだ。
「ピアスを飲む」を歌い上げ、ゲストボーカルのSouが登場。「まぼろし」を披露する。男声の芯のある声は、だんだんと幻のように演奏の中に溶け込んでいく。単に男女で花火を観る曲ではなく、もういない幻想の男の子に縋ってしまう脆さを描いた楽曲で、その意図をくみ取った表現をしたSouには、圧巻だった。
 2020年3月に開催する予定だった『三月春のパン祭り』のリベンジを約束し、「花冷列車」をデュエット。ふたりで手を左右に振りながら会場を湧かせていた。打ち合わせしてなかったみたいでお互いで振り方が逆で面白かった。
 Sou退場後、バンドメンバー(ばんぱし)の紹介。「ランデヴー」のときの、サポートとはいえ演奏陣が前に出て楽しむ光景というのは演者側もそうらしく、「楽しかった」と言っていた。Dr.ゆーまお(fromヒトリエ)のMCがおとなしかったので、今年参戦予定のヒトリエのライブに期待(どこに期待している?)。
 ラストは、「三月がずっと続けばいい」で締めた。先ほどのMCよろしく竿ものメンバーが前に出る……と思いきや堀江晶太、まさかの逆張りで後ろに回り、ゆーまおの椅子に足を乗せて演奏。ゆーまおは「え、何?」みたいな反応。key.金井に変な動きで何かを訴えかけたり、ラスサビ前の「la-la-lala」の部分で心臓に拳を掲げ会場を煽ったり、とにかく彼のテンションが高く、見ていて楽しかった。
 こんな、お祭りのような楽しい日がずっと続けばいいなと願うように、会場の皆がクラップを奏で、合唱をし、幕を閉じた。

後書き

 三月のパンタシアのライブ、こんなに熱量出ましたっけ? っていうくらいアツかったし暑かった。こんなに会場に一体感があるライブは中々ない。息つく暇もないくらい怒涛のセットリストで楽しかった。ライブから一週間以上経った今でも高揚感が止まらない。
 今年も楽しい三月をありがとう。次はどんな景色を見せてくれるのだろう。

P.S.
なが。ライブレポートに挑戦してみたけど読むのも大変だろこれ。ありがとうございました。しばらくは書きません。

牛丼を食べたいです。