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まよなかの窓口

二年前、大阪に越したときはまだ違和感しかなかった。距離感や話し方待ちの空気感、東京のどんよりと浮かぶ空の下でビル影に隠れて暮らすことに慣れすぎたわたしは東京でしか生きれないのだと勝手に決めつけていた。そういうイメージに自らつけ込んでいたのだと思う、そのほうが合っているしお互いに幸せだと。地元からも近い大阪は関西独特の棘や匂い、人の距離感があり『逃げたい』が最初に来てしまうところがあったが、不思議なことに住んで暮らしていると過去のアレコレは私を育ててくれた親になる。今いる場所が好きになる、というよりかはただ浮遊してみようという試みにどこかで切り替わったのだ。この二年で生活も人にたいする気持ちも自分自身にたいする向き合い方もすべてが一変。これは良くてこれはだめだなんて言ってられなかった、シャッターを押し始めたことも大きいと思う。認めるという決断が地を踏む足どりとなり関わってくれた人たちが道しるべとなり、なんとなく生き延びた結果が今となれば軌跡だと感じる。街が育ててくれたとも言えるか。これからもできるだけ欲望を避け専念しつつ、視野は狭めずに前進したり後進したりとランウェイをたのしみたい。そして喜怒哀楽を片手に転がしながら、上がったり下がったりなそれぞれの人生を認め合えたらハッピーだなと思う。

孤独なだけでは人はやるせないなぁ
借りてきたものを返すまでは
ありあまるほどのチカラを発揮させるまでは


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