法大戦!

異例の1試合総当たりのリーグ戦が8月に行われ、
タイブレークが導入された延長戦を2度制した法大が
4勝1敗で優勝した。
東大は開幕慶大戦で9回途中までリードするなど善戦したが、
5戦全敗でリーグ戦を終え、連敗は47まで伸びた。

それから1ヵ月が経ち、、早くも秋のリーグ戦が開幕する。
規模としては春より拡大するが、フルスペックまでは戻らず、
2試合総当たりのポイント制が採用された。
通常の勝ち点制とは異なり、対戦は必ず2回戦で終了し、
3回戦以降は行われない。
ポイントは勝利1、引分0.5、敗戦0である。

従って、
A大学が5勝5分なら勝率は10割だがポイントは7.5。
B大学が8勝2敗なら勝率は8割だがポイントは8.0で
B大学の方が順位で上回ることになる。

なお、プロ併用の有無に関わらず、延長戦は行われない。

観客は春の上限3000人から5000人に拡大。
屋外イベントでの上限5000人制限が19日からなくなるが、
六大学野球がこれに対応して観客上限を引き上げるかは
現在のところ明らかでない。

また、応援部が秋から戻ってくるが、
観客とは離れた外野席からエールを送ることになっている。


8月に行われた春季リーグ戦、
東大は先発投手に3人を起用した。
開幕慶大戦にリーグ戦初登板初先発の2年生井澤、
2戦目法大戦にも同じくリーグ戦初登板初先発の2年生西山
ノーゲームとなった3戦目早大戦にこれも4年生での初先発平山。

3試合続けてリーグ戦初先発の投手が登板するという珍しいパターンと
なった。
残る立大戦、明大戦、再試合の早大戦もこの3投手が順番に先発。

5試合のため10イニングで到達となる規定投球回には
井澤投手のみが達した。
11イニングで与四死球13という点が改善できればさらなる飛躍を
遂げそうだ。

対照的に西山投手は9イニングで与四死球2と少ないところが長所だが、
被打率の高さの改善が課題。

平山投手は無失点に抑えるイニングも多く、
要所で四死球、失策から崩れるパターンから脱却する、
あるいは首脳陣が適所で起用することができれば安定した成績を
残しそうだ。


5試合という少ない試合数であったが、投手陣は
4年生の野村、松田、横山、平山
3年生の小宗
2年生の井澤、西山
の7人が登板。
現4年生は、昨秋1人も登板なかったが、横山が初登板、野村が4季ぶり、
松田が3季ぶり、平山が2季ぶりの登板となった。
4人で43回1/3のうち計18イニングと、昨秋のゼロから総イニングの
約4割を占めるまでに4年生投手陣の存在感の増したシーズンとなった。
チーム防御率は7.27。秋は5点台が目標となるか。


秋もこの7投手の活躍が期待されるが、9/13の社会人対抗戦で
3年生の奥野投手が復帰登板、同じく3年生の柳川投手もベンチ入りし、
投手陣の厚みがさらに増したことで競争は激しくなる。

2勝先取の勝ち点制でなくなったことで、1勝の意味が大きくなった。
これまでは3回戦に敗れることで勝ち点を失い、1勝が結果的に
順位争いに繋がらないことが多かったが、ポイント制の今季は
2戦のうち1つを獲ることの意味合いが異なる。
1つ勝つために調子のよい投手を1試合に集中して使う、という
起用法も作戦の一つとなる。
そのため、投手陣を1カード2試合の中でどのように起用するか、
首脳陣の方針にも関心が持たれるところである。

今季も昨秋の小林大投手のように1人で多くのイニングを投げ切る
投手はまだ出てこないであろうことから、継投がポイントとなる
だけに調子のよい投手をうまく起用していきたい。


打線は春の5試合はチーム打率.195。
5試合で11得点と1試合2得点の水準はクリアできた。
本塁打はなかったが、長打は計8本とまずまず。

武隈選手はチームで唯一5試合全てで安打を放ち、打率は.353で
リーグ6位タイにつけた。
ちなみに昨秋も最終戦でも安打を放っているため、現在リーグ戦
6試合連続安打中ということになる。

石元選手は打率は.125ながらチームトップの5打点。
秋も勝負強い点取り屋としての活躍が期待される。

開幕前週に行われた社会人対抗戦では

捕:大音 
一:武隈 二:笠原 三:石元 遊:早川 
左:安田 中:宮﨑 右:梅山
という布陣となった。
野手スタメンのうち7人が安打を放つ打線のつながりを見せ、
強豪社会人チームから5得点。
5-5の引き分けは、宮台投手の快投で明治安田に2-0で勝利した試合
と比べてもチーム力の発揮という点では非常に価値のある戦いで
あったろう。

岡選手は春のリーグ戦最終戦で腕?を傷めた影響が心配されるが、
代打では出場している。

社会人対抗戦ではスタメンを外れたが代打で安打した井上慶選手、
春のリーグ戦で初安打から大いにアピールした水越選手、中井選手ら
レギュラーを争う選手のレベルも高く、部員数の増加とともに
選手層は確実に厚くなっていることが実感される。

そのため代打・代走・守備固めと試合を戦いながら多彩な作戦を
展開できる戦力が整ってきており、首脳陣の勝負所での采配も
大いに見どころとなる。


対する法大は
春のリーグ戦でタイブレークを2度制す勝負強さで優勝。

プロを目指す4年生の高田孝、鈴木両投手、
3年生に三浦投手、さらには3年生でのリーグ戦デビューとなった
山下輝投手ら人材は極めて豊富。
二刀流の野尻選手も春のリーグ戦で話題となった。

東大は強いスイングの真っ向勝負で法政投手陣に挑みたい。


打線は春はチーム打率.238とやや低調だったが、
4年生でのリーグ戦デビューを果たした永廣選手が.500を放って
首位打者を獲得するなど、規定打席に達した7人のうち4人が
この春リーグ戦デビューした新戦力であり、刷新された打線が
経験を積んでくることによりさらにしぶとい強力な打線となるか
注目される。一方でいわゆる2年目のジンクス的なものに
絡めとられる可能性もあり、東大投手陣としては
開幕戦で彼はいかに勢いに乗せないかがポイントとなる。


ポイントの積み上げ勝負となる秋のリーグ戦、
東大はまず開幕戦で電光石火の1ポイントを挙げたい。
3回戦のない戦い、1戦目を獲ることで上位争いへの途を拓きたい。

一昨年の法大戦
春1回戦:1-17 敗・小林 4安打
春2回戦:2-10 敗・宮本 6安打(本塁打1、三塁打2、二塁打1)
秋1回戦:0-8 敗・小林大 7安打(二塁打1)
秋2回戦:2-8 敗・有坂 5安打(二塁打1)

昨年の法大戦
春1回戦:0-7 敗・宮本   2安打
春2回戦:5-18 敗・小林大 13安打
秋1回戦:0-2 敗・小林大 4安打(三塁打1、二塁打1)
秋2回戦:4-6 敗・小林大 8安打(二塁打2)

今春の法大戦
春1回戦:3-6 敗・西山 6安打(二塁打1)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?