慶大戦!

開幕カードは昨秋の覇者、慶大戦。

大久保新監督の初陣となるが、昨年も監督代行として指揮を
とっていたため、実質的には2年目。


東大は4年生秋のリーグ戦初勝利を挙げた松岡由投手が卒部し、
全員まだ勝利経験のない投手陣でこの春の開幕を迎える。

エース格は4年生平田投手。
昨秋リーグ戦初先発含む4試合に先発。
初めて規定投球回にも到達した。
失点20に対して自責点が12で防御率は4.63にまとまったが、
WHIPも高めで今季はさらに精度の高い投球が期待される。


2回戦先発の有力候補に挙げられているのはこちらも4年生の
鈴木太投手。これまでリーグ戦には7試合に登板しているが
昨秋の慶大戦では一死も取れず6安打を浴びて5失点するなど
まだ結果を残せていない。
二刀流の打撃もここまで代打で7度、投手としての打席を含めて
11打席でまだ安打が出ていない。
140キロ台の速球、打っては長打力を兼ね備え、二刀流選手と
してのポテンシャルは高いが、ここまできっかけを掴めずにきた。
ラストイヤーは二刀流でのフル回転が期待されている。
1回戦で外野スタメン、2回戦で投手先発とすれば、
まずはこの開幕カード、野手の初スタメンで結果を出し、
投手の初先発に繋げたい。きっかけを掴めば大化けが期待でき、
最下位脱出ヘは極めて心強いピースとなる。

リリーフ陣にはリーグ戦登板経験のある4年生左腕双木投手、
3年生アンダースロー渡辺投手。
2年生では前田投手が今季のホープ。
近年はそれまであまり出番のなかった4年生投手が活躍する傾向も
あり、今年も森岡投手らにその期待がかかる。

1年生ではセンバツベスト4左腕松本投手の入部が話題だが、
1浪での入学でもあり、リーグ戦登板は秋になるかもしれない。
しかしながら甲子園で適時打も放っている打撃も戦力として
魅力的であり、白砂投手や宮台投手同様、この春の代打での
デビューも考えられる。


捕手は昨年の正捕手和田捕手が卒部し、
今季は4年生府川、3年生杉浦の正捕手争いに野手兼任の2年生
明石捕手が加わってきた形だが、社会人対抗戦でスタメンマスクの
府川捕手が開幕マスク有力か。

いずれも打撃が期待される選手であり、3人を戦力としていかに
フル活用するか、ベンチワークも注目される。

内野陣は一塁以外の多くの戦力が残っている。社会人対抗戦では
一塁西前、二塁山口真、三塁内田、遊撃青貝の布陣。
いずれも一昨年秋の新人戦でコールド勝ちした時のメンバーであり、
その成功体験は開幕カードでも実力を120%発揮する自信の源と
なりそうだ。

これに攻守にレギュラークラスの力のある藤田主将
華麗な守備と顔に定評のある3年生井之口選手
1年生からリーグ戦に抜擢の2年生小村選手
走塁からアピールしたい2年生堀部選手
などアピールポイントのある有力選手が揃い、レギュラー争いも
熾烈である。
ここにさらに打撃センス抜群の3年生工藤選手、2年生門田選手
らが厚みを加えてくると得点力はかなり高まりそうだ。

外野陣は社会人対抗戦では
左翼大原、中堅榎本、右翼鈴木太の布陣。
昨秋のベストナイン酒井捷選手が膝のケガで戦列を離れており、
投手登録の鈴木太、三塁手登録の大原が外野スタメンでの出場。
開幕カードには打線の主軸の中山選手がスタメンに名を連ねる
ことも期待される。

橋元、松原、芳野の4年生外野手陣がこの春リーグ戦デビュー
してどんなプレーを見せてくれるかも楽しみである。
昨秋の新人戦でそのセンスを見せつけた2年生伊藤滉一郎選手の
リーグ戦デビューがあるかも注目される。


対する慶大は
まずは昨秋6勝0敗のエース外丸の活躍がカギを握る。
エースの存在感如何で投手陣全体の空気も変わってくるであろう。

野手はプロ入りした主砲廣瀬選手らが抜けたが、
本間、水鳥、斎藤快ら昨秋のレギュラーに加え、
昨秋はリーグ戦メンバーに入れなかったラストイヤーの清原が
レギュラー格へ急成長するなど新戦力も台頭した。


東大としてはまずは外丸投手を攻略することが慶大撃破の
絶対条件となる。

エース平田投手の好投は当然として、
カギを握るのはやはり鈴木太投手。
制球力を評価される平田投手に続き、これまで速いが荒れ球との
印象の強かった鈴木太投手も制球力が向上しているといわれる。
この2人が落ち着いた投球を見せれば、打撃にはかなり期待できる
だけに最下位脱出がハッキリと見えてくる。

個人的には昨秋新人戦で見た明石選手、門田選手の打撃力に
大いに期待している。今後中核を担う選手に育ってほしい。


1年生に極めて有望な投手が入学しただけに、この春はこの先
数年の中長期的な戦力整備を考える上で、その礎となる重要な
シーズンである。

いい投手がいれば真っ向勝負で勝機があるだけに、
基本を重視してどっしりと構えるメンタルをチームに浸透させたい。


西で京大の史上初の開幕連勝勝ち点が話題を攫った先週末から、
今週末は東西で双青戦を戦う両校が春の嵐を巻き起こして
大学野球界を席巻したい。

"どこまでも突き抜けろ、東大野球部"C

【野球】六大学連覇へ向け出陣 開幕戦のカギは2人の左打者/東大戦展望


一昨年の慶大戦
春1回戦:4-11 敗・松岡由 4安打(本塁打1)
春2回戦:2-16 敗・西山  2安打(二塁打1)
秋1回戦:4-3 勝・井澤  7安打(二塁打1)
秋2回戦:1-9 敗・井澤  6安打(本塁打1、二塁打1)
秋3回戦:2-20 敗・井澤  5安打(二塁打1)

昨年の慶大戦
春1回戦:3-11 敗・鈴木健 6安打(二塁打1)
春2回戦:0-3 敗・松岡  3安打
秋1回戦:1-11 敗・松岡  5安打
秋2回戦:4-10 敗・鈴木健 6安打(二塁打1)

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