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「本屋さんのダイアナ」を読んだ感想

こんにちは。
前にちょっとした投稿をしてから、3ヶ月も経っていました。長くなってしまうので近況は載せませんが、主治医から図書館に行く事や本を読む事を推奨されるので、積極的に本を読んでいます。

私自身、最近までは読んでいなかったけれど、過去は本が好きでした。
中学に入学したら、授業の前に”朝読書”という時間があった事で読書をする習慣がつき、よく読んでいました。
中学時代は、続きが早く読みたくて、帰り道歩きながら読んだり(危ないのでダメです)、高校時代はハードカバーの小説を電車の中で立って読んだりしていました。
どちらも恩田陸の小説だった事を覚えています。今でも好きです。

過去に読んだ本の内容は覚えていないものが多いので、忘れないようにちょっとした感想や記録をするようにしました。
また、過去に読んだであろうものでも、読み直すようにしました。

Instagramで、本の表紙の写真と感想を載せるようにしていますが、長い文章を書きたいと思ったので、久々にnoteに投稿しようと思いました。

Instagram @kotorii111
#ことりの読書記録 というタグを付けて投稿しています。

さて、前置きはそろそろこのあたりにして…

今回、図書館では三冊の本を借りてきました。
よしもとばなな「デッドエンドの思い出」
山内マリコ「選んだ孤独はよい孤独」
柚木麻子「本屋さんのダイアナ」

この「本屋さんのダイアナ」は、シングルマザーの下で育つダイアナと、誰もが羨ましがる家庭で育つ彩子の友情と、本に纏わるお話です。話は二人の小学生時代から始まり、ダイアナ視点と彩子視点を交互に話が進んでいきます。
初めは微笑ましい少女同士の友情に、どうかこのまま仲良くいて欲しいと思う気持ちと、そうはならないだろうなという気持ちで読み進めていくと、年頃の女子にありがちな感情。
懐かしいと思う気持ちと、居た堪れない気持ち。何も起こらないで欲しい気持ちと、何か起こって欲しい気持ち。拮抗する気持ちが読んでいてとても楽しかったです。

私は、この本を読んでとても泣いた箇所がありました。
それは、ダイアナが探し求めていた父親に対して、こうして欲しいと思うところ。イメージがつかない父親に対して、本屋に行って本を選んで欲しいという願望を述べるたった数行で、なぜか私の涙腺が崩壊。

確か前の投稿とかで言っていると思うけれど、私の両親は離婚をしています。また、私の両親は二人とも本が好きで、家にも本棚や本が多く、二人して本をそれぞれ買うものだから、本が被ってしまうこともありました。

前述の通り、朝読書のために本屋に行って本を買って貰ったり、本について話したり、きっとダイアナからしてみたら羨ましいような、そんな環境だった自分の過去と、今考えても如何しようも無いけれど「どうしてこうなってしまうんだろう」とか「どこで道を間違えたんだろう」とか、そういう事を考えてしまって、涙が止まらなくなったけれど、それらと同時に、本を読んでいて泣いたのは初めてだな、と冷静に考える自分もいて、少し面白い気分にもなっていました。

誰にでも、理想と現実は違う。理想とは違っても、それで終わりではなく、まだチャンスがある。誰にだって、理想と違う現実は厳しい時もあるけれど、そこに絶望せずに、世に溢れる様々な小説や物語に触れながら、助けられながら、生きていくのが現実というものなんだろう。

小説を読むことの楽しさや大切さ、辛い現実の中でも小説の中の登場人物たちを思うことで仲間がいるような力強さを感じられる。
きっと誰もが、ダイアナに憧れ、彩子にも憧れると思う。二人とも小説の中の登場人物だけれど、実際にいそうでいないところが現実味がある。でも、いないからこそ憧れ、ああ成りたいと思うのだろう。


おわり。

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