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20190524自然との闘い

一昨年のある春の日のはなし

春夏の恒例行事、
自然との戦いについて

昨晩、下の部屋に住む男の人がなんだかすんごい騒いでて多分友達といたんだと思うけど、あ、彼女かもしれないけど
私の動物的勘からすると、奴が出たんじゃないかという騒ぎ方。

朝家を出る時、すーーーんごい嫌な予感がしてて
そしたらそしたらいましたよ。
私の部屋のドアの上に、大きな大きなばったがね
何あの関節どーなってんの
あの弓なりなボディに
目!どこ見ちゃってんの!
理解不能。

なんとかそーっと施錠して駅に向かったんだけど
バッタと対峙したインパクトが強すぎて、玄関から先、ゴミを捨てた記憶がない。笑
ただ、ゴミ持って出勤してないから、玄関先に置き去りにされてたかもしれない。
それはそれでもっと怖いやつを近づけてしまうという二次災害も頭をよぎる。

あー頼む。
お願いだから帰るまでにはどっか行っててくれ
ねぇ!聞いてる?
そんなとこにいてもつまらない。
そう世界は広い、どっかいけ。懇願。

そして帰宅。

いーーるーー!!!!!
あんた1日あってなぜまだそこにいるー!!
なにしてた!
おい!家に入れない!
お腹すいた、トイレも行きたい。
ここ立ってたら蚊に刺される

こういう時に結婚したいと心底思う私は薄情者なのかもしれないけれど

あー後ろのおうち、ご飯食べてる。
みんなでご飯食べてさ、いいなーほんと。
目の前で私は家に入れません。
家賃払ってる自分の家に。

その時、後ろのおうちのおじさんが、タバコを吸いに縁側に!

神降臨!

後光がというより部屋の中が明るいから当たり前なんだけれど
タバコを加えてとても輝いて見えた。

あの、虫退治できますか??
あそこにバッタがいて家に入れなくて... 内見の時から、挨拶してるおじさんで
いることがわかれば挨拶していたし
何を隠そう私は全く人見知りをしないので知らない人にバシバシ話しかけることできる。

段差があるにもかかわらず、
降りてきてくれてバッタを取ってくれた
見せてくれようと(投げるフリしてみたいないらんやつ)

あのほんとありがとうございます。
すみません。
ごめんなさい。わー見せなくていいです。ありがとうございます。(半泣き)

本当にありがとうございました。
これで家に帰れます。
とお礼を言うタイミングで
さっきおじさんがバッタを放った方向から何か動く影が!

バッタが飛んだかと思って振り向くと下の部屋に住む男!

あーもうあんたのせいで散々だ! 目ががっつりあったからこんばんはって挨拶したけど
シカトされた。

シカトて!

というわけでおじさんの登場で
この春のピンチから救われたわけだけど


わかっているんだよ。虫は、わたしになにもしていないんだよね。ただ、そこで生きている。生きているだけ。

人間の価値は生きているだけで横並びだと言われているけど、虫だって同じです。

それはわかってる。ごめん。


愚かな私を許してください。

生きてください。

お互いのためにそれぞれの場所で。


今年も、この季節がやってきた。


おわり

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