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人に支えられてるなって思った話。あとおいしいごはん。
職場で上司に、自分の親なんだから何でもやってあげるのが当たり前。と言われた。
一般的にはそうかもしれないけど、私は実家に住んでる間、自分の性格を責めることが多かった。
兄弟を何とかしてあげなきゃいけないからと、道理が通らないことを飲み込むしかなかったことが、たくさんあった。
もちろんそれが全部じゃないけど、家族を傷つけない距離や関係性を築くために、試行錯誤が必要で、一緒に住んでるときは、家族と自分、どちらも尊重することができなかった。
そして家族と客観的な認識を共有できないこともつらかった。
先輩と話していると、気づくと私がやる流れになることが多い。
先輩は言葉で直接的にお願いせずとも、他人の仕事のように持っていくのが上手い。
シンプルにそれがとても苦手だ。
もう心がぎすぎすして、家の冷蔵庫には玉ねぎがたくさんある、使わなきゃ、でもほかに必要なものを買いに行く元気もない。
週末、人が家に来るから、ちょっと強めに掃除しなきゃいけない。
仕事も休みがない。八方ふさがりだ。
なんか、和定食が食べたい。
あったかいごはんと、お味噌汁と、ちょっと小鉢と。
まだ最寄り駅をそんなに開拓できていないけど、初めてのところってちょっと緊張する、。
今日、このテンションで行けるのだろうかと、不安になりながらも、初めて駅前の定食屋さんに入ってみた。
看板は出てるし、メニューも出てるけど、いかんせん入口が見えないし、店内の雰囲気もわからないので、どきどき。
けどもう疲れてる。
半ばなげやりに店内に入ると、カウンターで男性が一人食事をしていた。
一つ席を空けて私がカウンターに座ると、
男性が、真ん中の椅子に置いていた荷物をさっとどけて、どうぞ、使ってくださいと言ってくれた。
あまりにも自然だったので、ありがとうございます、と言って、お言葉に甘えさせてもらった。
カツオのたたき定食を注文、ご飯を残したくないので、事前に少し減らしてもらったら、店員さんが、足りなかったら言ってくださいね。と言ってくれた。
かつおだしがよくきいたお味噌汁の湯気の香りを吸い込むだけで、幸せだと思った。
とても満たされた。
勇気を出して入ってみて本当に良かったと思った。
会計で10,000円札しか持っていなくて、申し訳ないことをしたので
次回は小銭も用意して行こう。
今度、荷物をおく場所をゆずってもらったら、半分ずつ使いませんか?と提案してみよう。
店を出て、少し肌寒い夜道を歩きながら、ちょっと泣きそうになった。
お腹も心も満たされて、掃除もはかどった。
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