見出し画像

祖父母との交流アプローチを変えてみる。

半冬眠日記#7・・・

20代後半になって自分に余裕が出てきてから、親のありがたさに気づけるようになった。自分、だいぶ運がいい。ごく普通の一般サラリーマン家庭だったけど、それでも十分いいお家で生まれ育つことができた。


その一環で、祖父母にも恵まれたなあと思えてきた。「有名大学・有名企業に行け」「はよ孫の顔が見たい」なんて一言も言われたことがない。とってもありがたく、優しい祖父母だと思う。


逆に言うと、どこの大学に行くのか、どの家に嫁ぐのか、「未来」のことは話したことがない。あの時はああだったねえとか「過去」の話もあんまりしない。いつだって「今日は天気がいいね」「最近、麻雀教室に行ってんねん」「これ美味しいね」と言う「現在」のことしか話さない。

自分の家系には「改まる」と言う文化がほとんどない。


・・・

で、今、祖父母が後期高齢者になって、自分が小さい頃の元気なおじいちゃん・おばあちゃんから一歩二歩進んで、年々老いを感じる段階に入った。


会うたびに細く、小さくなるし、言葉のキャッチボールがしにくくなっている。多分遠くないうちに自分が孫だなんてわからなくなると思う。


だから、そうなる前に、今のうちに、コミュニケーションを改めようと思った。


去年に久しぶりに帰省した時には、父方の祖母と生まれて初めて2人でお出かけした。84歳だけどまだまだ元気で、チャリにも乗れる体力がある。大きな駅で待ち合わせして、お昼を食べて、そこからローカル線に乗って神社に行った。帰りはカフェでケーキを食べてバイバイ。たくさん歩いた。


これまでの家族で祖母に会いに行っていた時は、決まったファミレスでお昼ご飯〜祖父のお墓参り〜祖母の家でテレビを見て帰る。その一択。


でもこの前のは違った。2人でたくさん歩いて、一緒に写真も撮れたし、普段聞けなかった昔の話を聞いてみたりした。まだまだ聞きたいことはいっぱいあるけれど、祖母の小さい頃の欠片を拾えて嬉しかった。


祖母はもうずっと同じことを繰り返す生活だからか、あのお出かけがめちゃくちゃ楽しかったらしく、母親に何回も「また孫に連れってって欲しい」と言ってるみたい。嬉しい。また次回、どこに行こうか計画を立てている最中。


・・・

母方の祖父母とのコミュニケーションもちょっと変えてみた。


たまに電話はしていたけれど、お祝いのお礼や健康状態の確認ぐらいしかしてなかった。今回は突然だけど思い切って手紙を書いて、記入済みの返信用便箋と封筒を同封してリクエストしてみた。好きなこと、好きな色、好きな場所、そんな何気ない、知らないことを聞いてみた。



今日、返事が来た。祖母はちゃんと書いてくれた。祖父はもう88歳で、元から無口だし頑固だし、加齢で意思疎通がうまくできなかったり、考えて書く体力がなかったりで一言だけ。


でもそれでも嬉しい。これまで祖父母の字なんて全然見る機会がなかったから、本人が書いてくれた字が手元にあるだけで嬉しい。お宝だ。来月会った時に色々聞いてみようと思う。


自分の生活もあるし、それぞれの祖父母の生活もあるし、コミュニケーションがしっかり取れる時間はもうそれほど残されてないと思う。今できること、思いついたらできるだけやっていこう。

真中

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?