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手帳の果たす機能

スマホ時代にあえてスケジューリングを手帳に戻そうと思います。スマホ時代の手帳の果たす機能は何でしょうか。

・ペンを使って書いて記録する
手帳には日付や曜日や罫線などのフォーマットが予め用意されていますが、どこに何を書くのかは持ち主の自由です。このフォーマットは手帳によって違います。ページの中には余白もあります。ページのフォーマットは一見あるようにも思いますが、手帳をどのように使うかは、使う人が決めます。手帳をスケジューリングに使う人もいれば、日記のように一日の振り返りに使う人もいます。家計簿の代わりに使う人や、お店の人だったら毎日の売上を記録する人もいるでしょう。手帳に何を記録するにもペンで書きます。書いて記録します。書くことは「ペン」を使います。手帳を使うためには、ペンという道具を使います。手で道具を使います。手を動かすと見えてくるモノあるといいます。手は「外部の脳」「第2の脳」と呼ばれ、指先を動かせば脳にたくさんの刺激が伝わるという専門家もいます。さらに、指先の動作が難しくなれば、より脳の活性化が期待できるといいいます。手で道具を使うことは人生を豊にできると思います。

・余白を使う
スマホと手帳の違いは、手帳のページにはフォーマットのないところ「余白」があるとことです。突然ひらめいたアイデアや気づきを書いて残しておくのも余白があると便利です。余白にメモしたことが仕事につながることも多々あります。余白に書いておいたメモに助けられた経験がある人もいるでしょう。人間の思考回路は、フォーマットにないことを突然思いつきます。どこにでも余白があれば、アイデアを直ぐに書き残すことができます。余白は心のゆとりです。余白はスマホ時代に私たちが失ったモノの一つではないでしょうか。余白の多さが人生を豊にすると思います。

・手帳に書いて忘れる
和田茂夫さんの『「手書き」の力』を読んでスティーブン・スピルバーグ監督の1989年の作品『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』を見ました。その映画の中に、手帳にまつわるシーンが出ているとあったからです。この映画の主役はインディ役のハリソン・フォード氏、父親役のショーン・コネリー氏です。そして、今回の私の主役「秘密のありかが書かれている手帳」です。1時間ちょっと経ったところで、そのシーンを見つけました。
サイドカーのついたオートバイで敵から逃げるシーンです。敵の攻撃を巧みにかわし逃げ切ったところで左に行くと「ベルリン」右に行くと「ベニス」と書かれた分かれ道に出ます。父親がバイク運転している息子に「道が違うよ、ベルリン方向へ」、息子は「こっちです」とベニスの方向を指差します。すると父親は「手帳は、ベルリンだ」。息子が「地図はマーカスが持っていますよ」とさとすように父親に言います。父親は「地図だけでは足りないのだ」。息子は「足りない?なでです」。「罠が」「その罠の安全な通り方を古文書で見つけたのだ」。息子は「古文書に何と?」「覚えていないの?」と父親に聞きます。すると父親は「覚えなくていいように、そのために手帳に書き写したんだ」と答えます。素晴らしいシーンです。
手帳は、脳の外付けハードディスクです。手帳に書いて忘れる、手帳の正しい使い方だと思います。忘れたことは、手帳を見て思い出せばいいですよね。

・検索機能
手帳の中に記録したことを検索するには、1ページ、1ページ目視して見つけます。スマホだったら一瞬で検索結果が表示されますが、手帳の場合は時間がかかります。その時間は私たちが失くしてしまった時間ではないでしょうか。ページをめくるたびに、いろんな情報が目に入っていきます。目に入ってくれば「あっそうだ」と思い出し、さっきまで考えていたことと別のことを考えはじめます。手書きでかかれた文字は、その時の自分の心境や状況を現していることがあります。急いでいるときは急いでいる文字、悲しいときは悲しい文字、元気のいいときは元気な文字で書かれています。手帳は検索でなく並べ替えの世界です。並べ替えの世界は前後左右にある情報がつながります。見れば思い出します。思い出せばつながり出します。きっとその人に会いたくなります。手帳の中の検索は、そのとき心が豊になるでしょう。

手帳の使い方を教わらなくても、実によく出来ます。私たち人間の持っている能力は素晴らしいのです。その能力を使わない手はありません。人生を豊かにするためにその能力を使いませんか。手帳には私たちが失いかけた人生を豊にする機能が詰まっています。

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