神保町マイツール教室「身近なコンピュータ(1)」

松本さんから自社の生データが持ち込まれたのは、マイツールの勉強会をはじめてから一年になろうとしたころだった。松本さんは、この勉強会の言い出しっぺだったが、忙しことを理由に週一回の勉強会の時だけマイツールを触るという具合で、実務では使っていなかった。会社ではマイツール教室で得た知識をエクセルに置き換えて部下に指示して使っているようだった。教室では、一緒に勉強会をはじめた早馬(はやま)さんはマイツールを使えるようになっていた。こちらは会社の事情がありエクセルではあるけれど、マイツール的に一行一データのフォーマットで作られた表で管理する仕事も増えてきたと聞く。教室でいえば早馬さんは真面目な学級委員長に対し、松本さんは授業中おしゃべりをばかりしてやむなく一番前の席に座らされている生徒のようだった。その彼が本気になりかけたのだから、こっちとしてはしめたものだった。

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