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ネット生活がはじまって四半世紀後の手帳作り

この度、新しい紙の手書きの手帳を作りました。インターネットが私たちの生活に使われるようになって25年が経とうしています。今では、インターネットはスマートフォン(スマホ)とセットで、私たちの日常でなくはならないものになっています。そのおかげで、私たちの日常の手続きや、やり方が変わってきています。そんな中、ホームページ作成を生業としている私たちが、あえて紙の手帳を作りました。

これからの手帳の役割は何があるのでしょうか。手帳に私たちが知らない、見たことのない新しい機能があるというのでしょうか。従来の手帳にあった機能といえば、カレンダー、住所録、地図、路線図などです。それは全て、スマホで出来るようになっています。路線図なんて恐ろしく便利です。地図だって住所を入れれば直ぐにその場所が出て来ます。会社にはインターネット以前を知らない人たちが入社して来ます。固定電話もポストに配達される新聞も知りません。もはやポストは、Amazonのためにあります。みんなスマホで出来ますから。それが当たり前なのです。今更、紙の手帳を何に使うのでしょうか。スマホで何でも出来るのに、手帳を持つことに意味があるのでしょうか。

スマホのはじまりはここだと思います。このときが境目です。2007年1月9日のことでした。毎年この時期は、アメリカ・サンフランシスコでアップル社の新戦略と新商品が発表される大プレゼン大会のMacworld Expoが開催されます。このときも、当時CEOだったスティーブ・ジョブス氏のプレゼンを聴くために、世界各国の業界の関係者や多くのマック信者(ファン)が集まりました。そして、ジョブス氏は新商品としてiPhoneを発表しました。パソコンメーカーが携帯電話を作ると発表したのです。これは大きな動きでした。プレゼンの最後にはなんと、社名を「アップルコンピュータ」から「コンピュータ」を無くし「アップル」としました。これは、パソコンの時代が終わり、スマホ時代がはじまることを意味していました。

街に出てあたりを見回すと、みんな下を向いて手の中にあるスマホを見ています。電車の中でも、歩いているときでも、自転車の運転中でもスマホを見ています。いったいスマホで何をしているのでしょうか。スマホはインターネットを経由して、いろんな人とつながります。Facebookやtwitter、instagramなどのソーシャルネットワーク(SNS)という手軽に人と繋がるサービスが世界中で使われています。日本でも小学生の高学年になると親からスマホを買ってもらい、LINE(ライン)というSNSのサービスで友だちと話す、話すというか短いフレーズや自分の感情をイラストなどの画像に表現した「スタンプ」でやりとりをはじめます。LINEにアカウントが無いと、仲間外れになる世の中です。SNSを否定するつもりはありませんが、本当にそれでいいのかと思わずにはいられません。小人から大人までスマートフォンが片時も離せない世の中になっています。自分は他人にどう思われているのか気になってしょいうがありません。本当だったら知らなくていいことも、スマホで簡単に知ってしまいます。こうして人は、他人のことばかり気にするようになりました。裏を返すと、今の世の中は、自分のことを考える時間を得ることもままならない時代になってしまいました。

スマホが世界中に広まりはじめたころ、インターネット企業のGoogle社では「マインドフルネス」という「今の自分を知ること」を社内研修に取り入れました。最近になって、欧米から「今の自分のことを考える」という「マインドフルネス」が日本でも注目されはじめています。マインドフルネスは、そもそも日本の仏教の瞑想や禅の智恵です。それを新しいことだと感じるほど、私たちは自分のことを考えなくなってしまっているようです。

私たちは、もはやスマートフォンを手放すことはできないでしょう。そこで、新しい、今の自分を知る方法を考えました。それは、手帳を使ってスケジューリングをすることです。文字は手書きです。頭にあることを言葉にして、手にペンを持って紙に文字を書きます。そこには、スマホのように漢字の候補など出て来ません。全て自分が考えて言葉にした文字です。そうやって自分の手帳の中には、自分のことがたくさん書かれていきます。今日のページの前のページには、自分がしてきた過去、それはつまり目に見える世界です。次のページは、明日からの目に見えない世界が、自分の理想の未来が書かれています。手帳を一瞬見るだけで、自分のことが自分の中で一瞬で広がります。こうして一冊の手帳が、自分と向き合う最高の時間を提供してくれます。自分のスケジュール、自分の未来、自分の明日から先のことを考える時間は、忘れかけていた、自分と向き合える至福の時間ではないでしょうか。そんな時間を共に過ごす手帳を作りました。この手帳は必ずあなたの人生を豊にします。

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