高い音はどっちだ! 2012-10-23
高い声を出そうとする時、ついつい頭や足で伸び上がったり、眉毛を思いっきり上げたりするけれど、はて、高い音っていったいどこにあるのだろう?
なんか、「高い=上」っていうイメージがあるし、確かに譜面にすると高い音は五線を目盛にして上の方に書かれているけれども、いろんな楽器を構えてみてみますとね。。。
ギターやエレキベースの高い音は右の方。
チェロやウッドベースの高い音は下の方。
バイオリンは顔に近い方。
上ばっかりじゃないのです。
先日来日した80歳のアレクサンダーテクニーク教師、ヴィヴィアン・マッキー。
彼女のレッスンで、歌う時の体の使い方を見てもらっている人がいました。
高音が安定しない生徒さんにヴィヴィアンが提案したのは、片手を「GoodJob!」っていう時の形にして、高音を出す時のタイミングで親指を自分の肩を超えるように後ろ向きに指差す、っていう動作。
言われた方も見ている方も、目がテン。。。
しかし、そうやって歌うと不思議と音程が安定してきたのです。
ヴィヴィアン曰く「高音は後ろにある!」
他のヴォーカルさんのレッスンの時も同じことを言っていました。
その方は高音を歌う時に伸び上がるようにして歌ってたのです。
するとヴィヴィアンは
「高く高くなっていくときに、おんなじ場所でそれが起こると思って歌ってみて。音を作るのは喉頭。そして、声帯は水平に動くんです。」
伸び上がる動作は、高音を出すために声帯を水平に動かす役には立っていない、とバッサリ。眉毛を上げるのもね。。
そしてそうやって改めて歌ってもらうと、きつそうで頑張って出している感の強かった高音が、やわらかく安定し始めたり、声を出すのも楽という感想もありました。
自分のイメージが、身体の実際の機能や役割と違っていると上手くいかないことがあるのねー。
役に立たないだけならまだしも、本来やりたいことの邪魔をしてしまうこともある、というのは、人間の身体は複雑、いや、シンプルなのに人が自分で複雑にしてしまっているのかもね。
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