【読書008】行動経済学が最強の学問である


認知のクセ
人は何故非合理な意思決定を行うのか。

▼システム1 VS システム2
午後のmtgで眠気がさしたらコーヒーを買う、同僚がブレンドコーヒーMを頼んでいて、ご注文はと聞かれて咄嗟にブレンドコーヒーMを注文する。このように直感的な意思決定は、システム1。
反対に、眠気防止でコーヒーとシステム1で意思決定しても朝から2杯飲んでるな、飲みすぎると胃が痛くなるから水にしよう。クライアントのmtgでも恐らくコーヒーが出てくるな、など熟考した上での意思決定は、システム2。

多くの人がシステム1を用いて購入している商品(マクドナルドなど)に対してアンケートはあまり意味がない。アンケートを行うとシステム2が働くため。

消費者の行動を理解するためにはアンケートよりも「エスノグラフィー」が有効。民族学で行われるフィールド調査で、普通の人の生活に密着して習慣、儀式、食事、言語、余暇のありのままを観察することでより本質に近い理解が可能。人事やマネジメントに生かすには、従業員の普段を観察する。(社長が変装して工場で生産ラインに入るなど

▼Foot in the door 小さなお願いから始めよ
大きいポスターを貼ってもらうにまずは小さなステッカーから

▼Confirmation Bias 確証バイアス
自分にとって都合の良い情報を集め、これだと信じてしまう。家電も良いと思った製品があったときに電気消費量が多いなどの悪い情報は無視して高性能であればという良いところに目がいく。面接でも仕事でどのような能力を発揮するかより、好きか嫌いかで判断しがち。Googleの面接ではサンプル作業を入れて結果を重視、決まった採点法で評価している。確証バイアスの軽減は、部下に対しても改善点を求めたり、敢えて反対意見を求めたり工夫できる。

▼Hyperbolic Discounting 双曲割引モデル
今日100ドルもらうのと1ヶ月後に120ドルもらう
1年度に100ドルもらうのと1年1ヶ月後に120ドル
コンビニの10円差と、お祝いの10円差
ゼロに近い金額だと金額差が気になる
普段の生活で頻繁に接しているため

▼Hedonic Adaptation 快楽適応
新車を買う、昇進、新しいパートナーなど最初は凄くハッピーだが、すぐに幸せな気持ちが感じられなくなる
嫌な仕事ほど休憩挟みがちなので、一気にやってしまった方がいい、細かくやると嫌なことに慣れない


時間と労力を使って発表し、発表後にお礼ですとスタバカードをもらうと、あなたの発表の価値はスタバカードの値段です。となるので、内発的動機で努力している人のやる気を妨げないためには、言葉や態度で報酬を出すことが大事

ポジティブアフェクト
ポジティブ感情は視野や思考を広め、ストレスによる心と身体の不調を整える。また、打たれ強くなりレジリエンス(精神的な回復力)も身につく。能力、活力、意欲が高まり、人脈や活動の範囲を広げる。つまりポジティブは仕事の効率も質も上げ、心身ストレスを軽減させる。感情によって変化するのは、経済学的に非合理的。

促進焦点、予防焦点
促進焦点: 成功したいから頑張る
予防焦点: 責任者として失敗したくないから頑張る
どちらが良い悪いはなく、意思決定や行動の傾向がわかる。促進焦点の場合、こうすればもっと良い結果が出るぞと励まし、予防焦点の場合こうすると失敗しないぞ、と助言するとより話を聞いてもらえる。

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