【読書015】ライフシフト


2024年2月、今年の本3冊目です。2月に読み終わりましたが、投稿が3月になってしまいました。内容が難しく読むのに苦労しましたが、考えさせられることも多々ありました。

人間にしかできないこと
「人間とAI」このテーマは数々の書籍や書面で近年に話題に挙がっている。人間固有の能力として本書では「複雑な問題解決」「対人関係と状況適用能力」であると記載される。iPhoneが象徴的で、Appleは台湾鴻海の子会社の中国工場で製造されているが、製造コストが販売価格に占める割合は5-7%、Appleが販売価格の30-60%得ている。中国工場の従業員が生み出している経済的価値は一人当たり2000ドル相当に対し、Appleの従業員は一人あたり64万ドル以上の経済価値を生み出している。経済価値を生むのは、製造ではなくイノベーションである。

脳は鍛えられる
長寿化時代には健康の価値がより高まり、50歳のときに病気で働けなくなることは、寿命70歳の時代より寿命100歳のほうがずっと大きい。また、健康な脳を保つことも幸福な人生に重要であり、加齢により脳の機能が低下するペースは、約1/3が遺伝的要因で決まるが、残りは日々の行動、コミュニティとの関わり方、人間関係の強さ、肉体的健康、食事などの生活習慣で決まる。加齢に伴い、脳は小さく、軽くなる。50歳を過ぎると脳の萎縮が始まり、80歳になると加速する。そのためお年寄りが物忘れするのは避けられないと考えていたが、科学界の考え方は変わりつつある。筋肉を鍛えるように脳を繰り返し使用して訓練を積めば、機能を高めたり、ダメージから回復できる。また、体を動かすことも有効であるが、何故かは解明されていない。他には低脂肪食、野菜と果物と油分の多い魚、オメガ3脂肪酸などである。

選択肢の多様化
長寿化は時間という贈り物をくれる。人生が長くなれば、目的意識をもって有意義な人生を形づくるチャンスが生まれる。「時間がたっぷりあると思えば、立派な大聖堂を建てられるが、四半期単位でものを考えれば、醜悪なショッピングモールができあがる」

それぞれ高くても低くても、良い面も悪い面も持つ。
例えば、外向性の高さは強い刺激を求める傾向に関連し、自分や家族を危険に晒してしまう行動に結びつく。内向的は望ましくない特徴と思われがちだが、一人での活動に従事する際には外向的よりも内向的なほうがうまくいく。神経症傾向の低さは安定した感情状態を維持やストレス対処に繋がるが、ネガティブな感情を抱かないことは、危険予期がうまくいかない。開放性の高さは好奇心や自由な発送に結びつくが、人に理解されないことも。協調性高さは、頼まれごとを断れない。勤勉性の高さは完全主義で融通が効かないなどである。

3ステージ
朝は4本足、昼は2本足、夜は3足
はいはいするこども、大人、杖をつく高齢者
平均寿命の上昇は高齢化と表現されるが、若々しく生きる期間が長くなる可能性が高い。若さを維持する状態を「ジュブネッセンス」と呼ぶ。

選択肢を理解して、相性の良いものを
大卒でそのまま企業に就職した人は、早い段階で専門分野を決めたことにより、袋小路に追いやられる危険がついて回る。選択した後に労働市場が変わるかもしれない、自分のスキルを誤解していた恐れもある。これまでの時代はそれでも良かったが、長寿という贈り物は、選択肢を多く多様な人生を送ることができ、多くを選択する。未来を見据えて興味関心と情熱に沿った教育を受け、やり甲斐を感じ、自分のスキルと関心を反映できること。自分の価値を尊重してくれて、スキルと知識を伸ばせてる環境がある就職先を探すこと、自分を補完してくれるビジネスパートナーを出会うことが大事である。

消費に通じた満足度の度合い
高い消費レベルが身についている人ほど、引退後に消費レベルを落とすことが難しい。消費に応じた満足度の度合いは、現在消費レベルの絶対値より、過去の消費レベルどの相対値に大きく左右される。したがって今の支出を抑えることは、お金を貯める上で好ましいだけでなく、堅実な消費パターンを身につけ、引退後に少ないお金で満足感を得やすくなる効果もある。もし家を所得していなければ、最終所得の70-80%が必要かもしれない。

長寿化を前向きに捉え、各ステージに合った娯楽や未来への投資、健康な100年時代を生きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?