「あなたに期待してます」を言う必要は無い

日本では言葉の期待が多い。しかも言葉では期待の言葉をかけられるのに、いざその期待を発揮できるチャンスをもらったとしても、それは大抵、条件付きなのだ。だから、チャレンジする側はいつも何かしら(信頼とか)失うことを前提に一回の機会で結果を出すことを求められる。

一方で、今の上司が私に「期待してます」ということは一切ない。その代わり、「マリンさんの持ち時間は○○です。授業をうまく機能させるポイントは○○と○○と〇〇です。そして、〇〇は心がけてください。○○は禁止されています。その上で、マリンさん自身が楽しんでください。また、毎回の授業で絶対的なゴールを決める必要はありません。範囲を急いで終わらせる必要もありません。その授業の道筋・やることは示しながらも、目の前のことを観察して、丁寧に対応してください。分からないことはいつでも聞いてください。」こういう感じだ。いかに、私が学生としてではなく、経験がたとえなくても一人の教師として、大人として、ビジネスパートナーとして見てくれているかが毎日嫌ほど伝わってくる。そして、丁寧に細かく褒めてくれるし、そのうえで、上司目線ではなく、あくまで上司の経験上、もしくは生徒の○○さんの傾向上、という主語で改善策を提案してくれる。でも、それが本物の期待だと私は実感している。

日本でいろんな人に言われる「期待してます」なんて言葉は、私にはとてもそうは聞こえないし、わかりにくいので、気軽に使ってほしくない。期待するという言葉を使わずに、一体誰がどんな状態になるのを誰目線で期待しているのか説明してほしい。

その理想的な状態になれば一体誰にとって都合がいいのか、もしくはどんな未来が私に待っていると思うのかも説明してほしい。

そして、その期待に応えるか応えないか保留かの選択肢が欲しい。その上で、期待に応えないという選択をする私に失望しないでほしい。

多くの期待は、私のとってではなくその人にとって一番のメリットがある、もしくは自分が期待したものを、その相手が応えてくれるというその関係性に知らず知らずのうちに依存してしまうのだと思う。



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