5/11 炎上の疑似体験

夢日記「僧侶の父親がSNSで炎上する夢」


父がネットニュースの記事になった。
テーマは「僧侶の貧困」だったと思う。コロナ禍で通常時より収入が減っているというような内容だ。ニュースで放映されて、ネットニュースになり、SNSで拡散された。

Twitterでの反応は、「税金取られていないくせに甘えたこと言うな」「人の死に寄生する忌々しい仕事」「妻帯も肉食もOKな日本仏教はクソ」「医療関係者のほうが辛い」「生臭坊主」など、僧侶に対するヘイトクライムで染まった。

父は現状を冷静に語っただけで、けっして同情を誘うようなコメントはしなかった。ただ、父の言葉をまとめたネットニュースは、曲解されかねないような言葉のつなぎ方をしていた。

実家ではお守りを作り、販売している。父の寺を特定した人々が、そのお守りさえも金儲けの道具だとし袋叩きにした。実際の収益は次の制作費に使い、残ったぶんは地元の高校に寄付している。そんな裏側の話までは、ネットの特定班たちは知ることができない。


当の父親の様子を母に聞くと、落ち込んでノイローゼのような状態になっているという。
地元でもそこそこ名が知れていて、いろいろな活動をしていた父親は、地元の人間からも腫れ物を触るように扱われるようになったという。

心配になった私は、実家に帰り、両親を連れて北海道旅行に向かった。もう地元に戻らなくていいように、僧侶をしていたと誰もわからない場所に行くために、家財道具一式を車に詰め込んで、一方通行の旅へ出発した。


ネットでの炎上、個人攻撃、特定。毎日どこかで誰かが炎上している時代だが、自分には関係ない、どこか遠い出来事だと思っていた。今回の夢を見ることで、炎上している本人やその周りの人間に、どれほどの心の傷を与えるのか疑似体験することができた。

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