見出し画像

概念装の話

紫男士たちのひらく扉

『刀剣乱舞』のファンコミュニティに足をふみいれてみて、概念装の文化があることを知りました。メディアミックスの舞台を見に行くときにごひいきにちなむ色を身につけるのもその一環です。
初期刀・歌仙兼定の髪の貝紫やへし切長谷部のコートの色の紫紺にちなんだ服を何点か作りました。
細川忠興に愛され、血塗られた場面にもふるわれたであろう歌仙さん。織田信長から黒田官兵衛に下賜された「おかたなさま」のハセベさん。かたなの剛毅な姿をうつす刀剣男士として造型されたふたりのエレガンスと知性と熱誠が好きです。
彼らとのおつきあいのなかで紫が似合うことがだんだんわかってきました。青と紫の似合う人でよかった。もっとも、私が市中で着るには歌仙さんの髪の貝紫やハセベさんの初期形態コートのようなシアトリカルな紫紺は鮮やかすぎました。このとき作った服たちからはリバティ・タナローンの深い菫色のカペルで作ったラップドレスが生き残りました。

青紫地のリバティ・タナローンカペル柄の
ラップドレス。
Merchant and Millsの洋裁本
The Workbookのカシュクールトップス
Heronの型紙を応用しました。


『刀剣乱舞』のファンコミュニティでもご一緒している観劇の友と集まると、それぞれにご贔屓のテーマカラーをさりげなくリアルクローズにしのばせてつきすぎにならない概念装の工夫がたのしめるのがなんとも愉快です。

メディアミックスの歌仙兼定は刀ステ本流本丸の和田琢磨さんと「実験本丸」シリーズに登場する「ひろきの兄さま」こと七海ひろきさんが演じてそれぞれに豪胆優美、へし切長谷部は刀ステ本丸の和田雅成さん演じるいちにんいっさつハセベと刀ミュ本丸の木原瑠生さん演じるすこやか戦隊ハセベンジャーのたたずまいがそれぞれに魅力的です。山姥切長義(本作長義)もよい、刀ステの梅津瑞樹さんと刀ミュの水江健太さんが演じていずれもりりしいノブレス・オブリージュのできる美丈夫です。輝く銀髪碧眼とロイヤルブルーの裏地の銀色のマントが目に鮮やかです。長義さんには「持てるものは与えなくてはね」の決め台詞がある。現実にはその言葉を実行することが求められる立場にありながら、発することも実行することもできない人があまりに多い。虚構だからこそ言えるということでもあるでしょうか。

概念メイクの世界もありました。究極の紫を求めて辿り着いたのがDiorの5色パレットのプラムチュールです。結局まんなかの紫を眉に刷くためにしか使っていません。赤みの紫は私の顔面ではブラウンに発色してしまいます。

ハセベくんのファンで、くすみ色とゴールドがだいじょうぶなみなさま、2023ウィンターホリデイ版のSUQQUの新作にハセベくんそのもののアイパレットがあります。お近くのSUQQUカウンターに行ってみてください。

Amplitudeの二色アイシャドウパレットにはそのまま長義さん色のものがありました。「ブルー」と「ネイビー」です。残念ながらより長義さん色の「ブルー」は完売です。Amplitudeの商品には11月末日で販売終了とのことです。ファンのかたはお早めにお買い求めください。
Amplitudeの二色アイシャドウパレット「ディープパープル」は私の瞼ではすばらしい透明感を発揮します。よい商品をつくってくださってありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?