見出し画像

暇と退屈から

「暇と退屈」
けいこの考察はとても興味深かった。

本を読んでいないのだけど、「消費社会では消費が退屈をうみ、退屈が消費を生むというサイクルが発生する」と書いてあったという点、けいこが「普段から消費社会からどう距離を置くかを考えてきた。」という点に注目した。

私はけいこが羨ましい。なぜなら、私が全くもって暇で退屈な人生を送っており、消費が私の楽しみとなっているからである。お金があるわけではない。だけれど、小遣い程度に使うものはあるはず(30年間働いてきたという記憶だけでそう思い込んでいる)ということで、次はここへ行きたい、次は...と欲望はどこまでも果てしない。

美容院で髪を切る。子育て中は、ここでおしまいだった。だけれど、今はトリートメントまでしてもらう。スーパーへ行き、家族5人の食欲を満たしつつ安くあげるにはどうしたらいいかと考えて、できるだけ手作りしていた。だけど、今は値段のことはあまり考えず、惣菜などを買う機会も増えた。流行りの歌もテレビも知らなかったのに、これは聞いたことがある、それなら視たよ、と言っている。老後とはこういうことかと思っている私に、けいこが石を投げてくる。

生ぬるい老後に一石を投じられ、ハッとする私。これではいけないのかもっと波紋が広がる。どうしよう。
               みや



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?