ソフトバンク・ヘルナンデス、「開幕から26イニング連続奪三振」のNPB新記録

福岡ソフトバンクホークスの左腕投手、ダーウィンゾン・ヘルナンデスが異次元の三振奪取を続けている。


ヘルナンデス、「開幕から26イニング連続奪三振」

7月17日、みずほPayPayドームで行われた福岡ソフトバンクホークス対ロッテマリーンズ戦で、ソフトバンクが1点リードの8回に5番手としてヘルナンデスがリリーフ登板すると、先頭の髙部瑛斗を高めの直球で空振り三振に斬って取った。
これでヘルナンデスは今季、最初の登板となった4月29日、みずほPayPayドームでの対埼玉西武ライオンズ戦、8回表からマウンドに上がり、先頭打者の金子侑司から三振を奪ってから、26試合すべてリリーフで登板し、26イニング連続で奪三振をマーク、NPB新記録を更新した。

これまでNPB公式戦における「開幕からの連続イニング奪三振」の最長記録は、2022年に千葉ロッテマリーンズの右腕、佐々木朗希がマークした「25イニング連続」であった。

今季の全投球のうち直球が84%、奪三振率は「16.27」

ベネズエラ出身で2023年WBCでは同国の代表でもあったヘルナンデスは2023年シーズン途中の7月にソフトバンクに入団すると、2年目の今季は26試合に登板し、26イニングを投げて、失点は4、防御率1.38、そして奪三振は47個で、奪三振率「16.27」と驚異的なペースとなっている。

ヘルナンデスは今季、これまで投じた投球417球のうち直球(ストレート)が349球と83.7%を占め、平均球速は150.7キロを計測しており、奪三振47個のうち、直球で奪ったものが41個とまさに異次元ともいえる投球内容となっている。

NPBにおける「連続イニング奪三振」記録の系譜


NPB公式戦における投手の「連続イニング奪三振」の記録は、1968年、阪神タイガースの左腕、江夏豊が「23イニング連続奪三振」のNPB記録を樹立すると、1980年には同じく左腕の日本ハムの新人・木田勇が23イニング連続奪三振で江夏に並んだ。
その後、2002年に、西武ライオンズの張誌家(チャン・ズージャ)が先発登板だけで28イニング連続奪三振と記録を更新した。
2015年に、ソフトバンクのクローザー、デニス・サファテが張の記録を大幅に更新する「43イニング連続奪三振」をマーク。
2020年にオリックス・バファローズの右腕、山本由伸が先発登板だけで25イニング連続まで記録を伸ばしたが、NPB歴代3位どまりで、同じ2020年に、中日ドラゴンズの右腕、ライデル・マルティネスもリリーフで25イニング連続奪三振をマークして、1968年の江夏豊を抜きセントラル・リーグの記録を更新したが、そこでシーズン終了となった。

複数シーズンにまたがって記録した「連続イニング奪三振」を含めると、トップのデニス・サファテの43イニング連続に次いで、2020年から2021年にかけて達成したライデル・マルティネスの35イニング連続、2021年から2022年にかけて達成した佐々木朗希も同じく35イニング連続が歴代2位タイとなっている。

新人投手の「連続イニング奪三振」記録は木田勇、種市篤暉、伊藤大海の「23イニング」

新人投手に限ると、2019年に千葉ロッテマリーンズの右腕、種市篤暉が先発とリリーフで23イニング連続奪三振を続け、1980年の木田勇に並ぶ新人タイ記録、2021年には北海道日本ハムファイターズの新人右腕、伊藤大海がプロデビュー登板の最初のイニングから先発登板だけで23イニング連続奪三振をマークして、木田、種市に並ぶ新人タイ記録となった。

「開幕からの連続イニング奪三振」

「開幕からの連続イニング奪三振」となると、前述の通り、2022年、千葉ロッテの右腕、佐々木朗希がシーズン最初の登板の最初のイニングから毎回奪三振を続け、前年2021年の伊藤大海を抜き、開幕から25イニング連続奪三振のNPB記録を更新していた。



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