宇宙一壊れる車
宇宙一壊れるという異名をもっている車に乗っている。
LANCIA DELTA HF INTEGRALE EVOLUZIONE II
30年以上あこがれ続けてきた車。ついに手にいれた!という感じ。ちょっと前のことになるんだけど高崎まで29歳のデルタをお迎えに行きそのまま白馬村に新婚旅行に。こんな旅になった。
納車。カッコ良すぎてディーラーで幸せの絶頂
100キロ走ったところでエンジン止まる。燃料計が壊れておりあと半分あると思ったら空だった。JAFのお世話に。「この車、大好きなんです。故障にめげずに大切に乗ってあげてください」と言われてJAFの方の心の暖かさにじんわりとくる。
燃料計は信用せずに200キロ毎に給油作戦でドライブ再開
渋滞にはまり水温計が上がりだす
エアコンをオフにして暑さを堪えて窓全開で汗だくで運転。回復
左右両方の窓が全開状態で壊れる。雨雲レーダーとの追いかけっこが始まる
パワーウインドのヒューズが飛んでた。ヒューズ交換してなおす。
良い車とは何か?を考える際に、一般的なKPIの設定をするとデルタより圧倒的に現代の車のほうがいいだろう。故障しない、燃費がいい、静か、自動運転の機能があるとかそういうのは全くない。全てがない。
しかしながら「走る&曲がる」の一点は圧倒的に楽しい。ここに全てを注いであとはおまけになったかのような豪快さ。
比較表で車の優劣を比較すると現代の車に勝ち目がないんだけど、走る楽しさの一点だけならば全然負けてないしむしろ楽しい。サービスを作る際は全方位に良さを追求しがちだけど、こういう一点突破の豪華さもあるんだなと文字通り身をもって体験する一台に。
そしてある種の不便さが人によっては楽しさになってるんだと感じた。
例えばATは車の操縦を便利にしてくれるけど、MTを自分で操作する楽しさは消えるし、自動運転は便利で安心だけど、車を自分で操ったり上手になる喜びみたいなものは消えちゃうし、乗り心地の良いスムーズなエンジンは快適だけど、ドッカンターボの面白さは消える。機能を追求すればするほど楽しいプロダクトになるかというとそれはまた別な軸なんだなと。便利と楽しさは別物。
本当に宇宙一壊れる車なのかもしれなけど宇宙一個性的な愛車。末長くメンテナンスしながら大事に乗っていこうと思います。