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小保方晴子が論文に嘘を書くことはありえない

【小保方晴子の噓に気づけなかった上司たち】

 それにしても、笹井氏をはじめ、そうそうたる顔ぶれの共著者たちが論文発表前に気づけなかったのはなぜか。私は消えない疑問をぶつけてみた。研究者は共著者1人1人について次のように分析した。

 「若山さんは専門分野が違うので分子生物学的なデータがわからず、小保方さんの実験結果を分子生物学的な観点から検証するという意識がそもそもなかった。笹井さんも、かつて議論して感じたことだが、多能性幹細胞から神経を作るのはプロでも、多能性幹細胞そのものには興味がない。そういうこともあって、おそらく小保方さんのデータの不自然さに気づけなかったのではないか。さらにiPS細胞への対抗意識などもあったために予断があり、検証しようという意識にも欠けたのでは。丹羽さんはきっと、笹井さんとの力関係から、笹井さんがよしとするものになにもいうことができなかった。笹井さんは押しが強いのでね」

 これまでの様々な関係者への取材から想像していたこととほぼ重なる内容だった。

 それでは、小保方氏を採用したCDB幹部や、論文発表当初のほとんどの研究者までも、なぜ素晴らしい成果だと信じたのだろう。研究者はこれにも明快な意見を述べた。

 「そもそも(2007年に登場した)山中(伸弥)さんのiPS細胞が、当時の常識からすると信じられない、すごい成果だった。こんなことがあるのかと、科学者みなが打ちのめされた。だから今回も、ありえないことだが、ありえないことが起きても不思議はない、という空気はあった。そんなばかな、ということにはならなかった」 須田桃子〈捏造の科学者 STAP細胞事件〉より

✔️【真相〈小保方晴子は嘘をつく人間ではない〉】

 武田邦彦〈NHKが日本をダメにした〉から引用します。

 小保方さんが「ズルをする人」なら、早稲田大学の友人や先生、理研の仲間がわかっているはずだし、「普通の人」であっても、データをごまかすようなことが「集団で仕事をしていてわからない」ということはありえない。

 NHKのニュースに出た早稲田大学の学生は、「日曜日にも熱心に研究していた」と賛辞を送っている。一連のNHKの放送では、小保方さんがあまり熱心に研究していなかったり、その他の日常的な言動が異常だったら、一緒に研究していた人はわかるはずだ。

 著者の経験では、大学の卒業研究などで学生1人に実験をやらせているときには、「実験データが少しおかしいな」と思うことがあるが、2、3人でグループを作っているときにインチキをするということはありえないし、できない。

 また研究は検討会があり、そこにデータが出てくるので、上司や関係先の人は研究過程ですべてを理解している。もしあるときに作為的なことをしたら、つじつまが合わなくなる。なぜつじつまが合わなくなるかというと、普段の日常生活のことなら「全体の内容がよくわかっている」からこそごまかしもできるが、科学の研究は「次がどうなるか」がわからないので、ウソのつきようがないからだ。

 ……この武田邦彦の反証を読めば、須田桃子が取材した研究者の意見がかなり無理があることがわかると思います。

【まとめ】

 ●小保方晴子が嘘をつくことはありえない。

 ●笹井芳樹ら上司たちは、論文が正しい内容だったからこそなにも言わなかった。


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