祝!漫画家生活60周年 青池保子展 Contrail 航跡のかがやき


神戸の小磯記念美術館で開催している『漫画家生活60周年 青池保子展』に行ってきました。

50周年の原画展に行けなかった後悔をいつまでも引きずってましたが、これでようやく本当にリベンジを果たせました。

東京⇔神戸を日帰りの弾丸旅行でしたが、関西に行くこと自体が十年以上ぶり。疲れも忘れて楽しんできました。

行きの新幹線で「感極まって泣くかも、一人で泣いてたら不審者だな」などと思ってましたが、なんのことはない、泣くどころか終始ニヤニヤしながら鑑賞しました。(それはそれで怪しい)

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ここから細かすぎ長すぎ重すぎの感想です。
ネタバレしてますのでご注意ください。
自分用の記録として書かせていただきます。
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まず入ると描き下ろしの伯爵と少佐が出迎えてくれました。
失礼な言い方かもしれませんが、全くブランクを感じさせない2人の絵で、なんというか、しっくりくる感じでした。やっぱり君たちがスターだね…


この作品だけ撮影OKです

会場入ってまず目に入るのが初期作品。
初期作品もわりと読んでるほうだと思いますが、それでも初めて見る作品がいくつかあって垂涎モノでございました。当時の掲載紙がいくつかあったのですが、保存状態良すぎじゃないですか?(そこ?)

70年代後半のミリアムブルー頃からイブにかけてのデフォルメされたキャラの表情が最高最高可愛くて大好きです。コロコロと表情が変わって、喜怒哀楽豊かで本当に可愛い。これまた大好きな忠津陽子先生の描き方に少し似ていて、ツボに刺さりまくりです。原画で見るとさらに可愛さ増し増しですね。
その後の作品はシリアスになっていく(はず)ので、この時期の作品にしか見られない貴重な絵柄を原画で見られて嬉しかったです。

イブの次はエル・アルコン。本当に描き込みがすんげ~~!!若くないと盛り盛り豪華なのは描けない、というような意味の先生のコメントがありましたが、それがよく分かる気がしました。
美麗なカラー作品は他にもたくさんあるんですけど、エネルギーの爆発みたいな、そういうパワーをエル・アルコンには感じます。圧倒されました。

その次は光と影の伝説からのアルカサル。
光と影の伝説って現在では手に入りやすいものではないですが、結構重要な位置づけなのですね。中世三部作の出発点と思えば納得です。
ところで光と影の伝説Ⅱはもう書籍化の望みはないんですかね?『総特集 青池保子』の特集ページだけじゃ満足しない強欲オタクがここにおります。いつまでもお待ちしております(圧)

個人的に今回の原画展で一番グッと来たのがアルカサルです。
リベストギャラリーのときはアルカサルの作品は多くなかったので、初見が多数でした。
とくにドン・ペドロが振り返ってこちらを見てるカラーがすごく良かったです…!こちらはスペイン旅行の直後に描いたそう。そのためかそこに「居る」感が強くてとても良かったです。ちょっとドキドキしましたもん。
アルカサルのカラーも相変わらず描き込みすごいんですが、より洗練されていて本当に美しいです。アレコレと描き方を実験していたんだなあと感じました。先生が仰る「脂の乗った時期」の意味がよくわかります。あとめちゃくちゃ気持ち悪い感想ですけど、王様のリップの色が好きです(キモイ)
そしてもうこれだけは書かせてください。アルカサルのマンガ原稿が!素晴らしすぎた!!あれだけでも見に行く価値あるくらい素晴らしかったです。説明しようとすると非常に難しいのですが、とにかく本当に素晴らしいです…ちょっと言葉にできないですが…。はあ~、もう一回見たい。
余談ですが、サラディンの日がちょっとだけあって嬉しかった…あの3人好き。

アルカサルのゾーンを抜けると、次はファルコです。
ファルコは何気に読み返す頻度ナンバーワンの作品です。好きなんですよね…派手さがないぶん親しみやすくて。読むのに気合いが要らない笑
お坊さんですから派手なカラーはないのですけど、ファルコが書物を読みながら佇んでる絵、私のなかではノルウェイブルーと並んで印象的な絵ですが、実物もとても良かったです。

ファルコの次はオドです。
先生が漫勉neoで描いていらしたカラーがありました!こ、これか~!と感動しながら拝見。手抜きは雪景色になりがちとのことで、こ、これが手抜き…?となりました笑

そして最後は満を持してエロイカのゾーン。
最初に書くことじゃないかもしれないですが、Zくんの登場率の高さに人気の高さを感じました笑
少佐が銃をぶちかましてるあの絵があって大大興奮でした。エロイカのカラーの見どころの一つは絶対に銃器ですね。かっこよすぎる。
世代的に冷戦前後の流れを体験としてピンと来ないのが悔しいのですが、冷戦後の作品はストーリーがより複雑で面白いですよね。先生のプロットのノートがありましたが、一面にびっしり書かれたストーリーを読むだけでワクワクしました。絵が素晴らしいのはもちろんですが、やはりストーリーの面白さが青池先生の作品にここまで惹かれる理由だと再認識しました。
パティシエ少佐と水を浴びる少佐が人気のようで、少佐ファンの癖(へき)がよく出てて笑っちゃいました。
エロイカに関してはあれも見たいこれも見たいと欲が出まくりでして、個人的には華やかな伯爵をもっとたくさん見たかったかもしれない。

最後に。トランプ大作戦にイブの3人組がニジンスキーに乗ってる絵があるんですけど、あの絵のグッズお待ちしております。買います。可愛い。

本当は1枚1枚に感想書きたい勢いですがキリがないので…。全体を通して、カラー原稿の素晴らしさはもちろんですが、マンガ原稿に心を持っていかれました。前回の感想でも書いたのですが、なんだかんだで生き生き動き回ってるキャラクターたちが一番大好きなのだなと、実感です。青池先生のキャラクターって、キャラの「設定」ではなく「人となり」が見える感じがします。
あとリベストギャラリーのときと見え方が結構違っていて、会場によっても表情が変わる面白さがありました。東京にも巡回してくれるようなので、そちらも楽しみにしたいと思います。


さて小磯美術館を後にしたあとは半日で怒涛の観光。
まずランチに神戸牛を食べて、明石海峡大橋へ。
人生初かと思いきや、高校の修学旅行で近くのホテルに泊まったっぽい…
とはいえ記憶が飛んでいるので実質初めてみたいなもんです。

引きで見ると白っぽくて曲線的なので優美な雰囲気ですが、近くで見ると無骨で二度楽しめる感じですね。
明石海峡は複雑な波の立ち方をするので、太陽が水面に当たったときのキラキラがとても綺麗でした。

その後は三宮に戻りお土産を調達。フロインドリーブのパイと佃煮にしました。まだ渡してないけど、喜んでもらえるといいな。


グリル一平のビーフカツレツ

そして旅の締めくくりに洋食。
行列に並んでビーフカツレツを頂いたのですが、これがもう、感動的に美味しい!これまで食べた洋食のなかでぶっちぎりに一番美味しかったです。さすが激戦区の人気店ですね。きっと他のメニューも美味しいんだろうな~!また食べに行きたい。


そんなわけで神戸旅行は終了したのでした。
青池先生、関係者のみなさま、素晴らしい機会をありがとうございます。
出不精の私に旅行のきっかけをくださったことにも感謝です。笑


青池先生はこれからもまだまだ描き続けてくださると思いますので、これからも精一杯応援します!言葉じゃ表せないくらい大好きです。

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