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ミュージカル「キンキーブーツ」の虜

先日、 映画館で再上映されていたニューヨーク・ブロードウェイミュージカルを観に行った。

特別価格で3000円。会場は貸し切り状態。なんともいえない贅沢な私だけの空間が仕上がっていた。

会場は静寂で一見ナイトショーか、超絶面白くない不人気作品なのかと思ったが、この作品はいろんな国でさまざまな言語で演じられている有名なミュージカルのひとつだ。

「キンキーブーツ」は、直訳すると変態ブーツという意味であり、日本では、女性の格好を好む男性役ローラを、三浦春馬さんが演じW主演で小池徹平さんが靴やのチャーリーを演じ、大絶賛だった作品でもある。実際に彼らが演じている舞台を観ることはなかったが、(DVD化もされていないよう)高いヒールのブーツを履いて絞り上げられた体の三浦さんの動画は、とても綺麗な女性の体つきになっていた。女性でも15センチのヒールを履きこなすのは、困難だというのに180センチ近くある男性が履きこなしてそこら辺を歩き回るだけではなく、ステージ上を跳びはねて、走り回って、仰け反ったりするものだから圧巻である。最初は足をひねってしまわないかとヒヤヒヤしたが、そんなのお構いなしに涼しい顔をして格好良く踊りこなす演者さんはさすがで、ひとときも目が離せなかった。


そして何より、舞台上の素早い場面転換と舞台大道具、舞台映えする細かい動きや立ち振る舞い方、ド派手な振り付け、シンディー・ローパーが手がけた耳に残る楽曲に出演者達の美しい歌声、スパンコールのキラキラに包まれた華やかな衣装、登場人物一人一人がきらりと輝くシーンが入っていて、観ていて飽きることがなかった。こんな奇跡のような名場面の数々がカメラに納められると同時に、3階席までぎっしりと埋め尽くされた客席が一斉に拍手をして賑わっている様子も残っていて、その空気感を味わえるのが溜まらなく嬉しくなった。

そのミュージカルの会場全体が阿吽の呼吸でできている。

客席も含めて一つの作品になっていると感じた。



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