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FF16の実プレイ感想をただただ言いたいだけの話

タイトルの通り、発売日にPS5本体と同時購入してつい最近クリアしたFF16。
発売直後、FF16 スペースで検索すると「ひどい」だの「クソ」だの低評価が目に付いた。
本編をクリアした今、この評価を省みると確かにその部分は確かにあったが、評価できる部分も多くあると感じずにはいられなかったのだ。
だから、ここに吐き溜めとしてプレイした人間の感想を書いてやりたいと思う。


まずは今作のメインとなる要素を整理しておく
■ストーリー
大陸ヴァリスゼアを舞台として、主人公クライヴ・ロズフィールドとその世界の顛末を描いた話。
ロザリア、ザンブレク、ダルメキア、ウォールード初めとした国ごとの政治的関係や、そこに住まう人間達との関係、そして差別意識といった問題がストーリーにあるため、大人向けのシナリオと言える。
またシナリオ上でもダークファンタジーをテーマにしているようで残虐的表現やキャラの死、またベッドシーンもあることからレーティング的にもCERO Dとは言え大人向けに作成されているように見える。

そんな感じの描写はだいたい前半と中盤少しくらいだけど

■ゲームシステム
●バトルシステム
コマンドRPGから完全な高速アクションRPGになったことが今作の大きな特徴。システム的なRPG成分は薄い。
アクションはカプコンのDMC要素が強く、リアルタイムで攻撃し召喚獣アビリティを発動、各アビリティと攻撃を組みあわせてコンボを叩き込むといった、操作難度を下げたDMCみたいな戦闘ができる。
召喚獣毎に異なるアビリティを組みあわせて、基本の□ボタン連打の攻撃、攻撃直後にボタンを押して追加攻撃、コンボ途中にアビリティを混ぜる、もしくは吹き飛ばして追撃、打ち上げた敵を追撃などとそこそこ色んな動きができる。
また、アクションが苦手な人用の救済措置として□ボタンを押すだけで色んなアクションを繰り出す。
自動的に回避する、といったアクセサリーを付けることでかなり敷居を下げることもできる。
難易度も物語だけ追いたい人用のストーリーフォーカス、手応えのある戦闘を求める人向けのアクションフォーカスの2つから選ぶことが出来る。この難易度はどのタイミングでも変更可能だ。
ちなみに俺はアクションフォーカスでプレイしていた。
それなりの歯ごたえがあるが、後述の問題点がいくつかある。

パーティ
ストーリーの進行に応じて、仲間と共に行動する機会がある。
愛犬のトルガル、ヒロインのジルといった仲間キャラはストーリーの進行によるが殆ど共に行動することになる。
仲間は本作のプレイアブルではなくAIで行動する。クライヴの支援行動を積極的に行ってくれたり、敵を倒すと、褒めてくれたり、ダメージを受けまくると回復した方がいいとか無理はするなとか声をかけてくれるため、共に戦ってる感はある。放っとくと仲間ひとりで雑魚を何体か倒してたりもする。
仲間にHPは設定されていないため、敵アビリティの巻き添えにしても罪悪感は無い。

トルガル
本作の仲間キャラであり、任意のタイミングでのサポート攻撃や回復などの指示を出せる唯一の頼れる仲間。序盤で別れて再会してからはほとんどクライヴと一緒にいる。
ユーザーの癒し的存在で、頭を撫でたりおやつを上げたりと言ったことが出来る。コントローラーから鳴き声が聞こえてきたり、すごく可愛い。

■ゲームシステム
バトル2ーボスバトル
ストーリーを進めていると各章の節目節目に強敵が現れる。強敵は普通の敵とは違い、強力な攻撃アビリティを使ってきたり、体力の下にウィルゲージと呼ばれる黄色いゲージが存在する。
このウィルゲージがある状態ではアビリティや通常攻撃のダメージがやや通りにくくなるため、
ウィルゲージを攻撃やアビリティによって削っていく必要がある。
ウィルゲージをゼロにすることで敵が一定時間行動不能になるブレイク状態にすることができる。強敵相手にはこのウィルゲージを削り切り、ブレイク状態の敵に全力でアビリティを叩き込むのが基本の流れとなる。

■ゲームシステム
バトル3-召喚獣バトル
ストーリーの大締めにある怪獣バトル。召喚獣イフリートに顕現し、敵召喚獣とムービーではなく実際に操作して戦うことになる。
基本的なバトルの動きは人間体の時と変わらず召喚獣イフリートを操作する高速バトルは強力なアビリティと圧倒的攻撃力から迫力と爽快感がありとてもスタイリッシュだ。大締めのシーンも相まって非常に臨場感がある。
 
■ストーリー補完システム
ここからはFF16のストーリーを補完するシステムについて語っていく。

アクティブロア
FF16はストーリー重視の作品と公式が紹介しているように、今作は非常にカットシーンが多い。一方でこの物語重視を保管するシステムとして、ユーザーをストーリーから置いてけぼりにしないよう、プレイ中殆どの場面でキャラのセリフ、シーンに登場する人物、固有名詞や国の特徴、事象の概要を確認できる、アクティブロアというシステムがある。
これは非常に便利な機能で、俺は本作をクリアするまでに、最後にプレイしてから期間を空けることも多かったためモチベーションの維持に非常に重宝した。

振り返り機能
現時点のメイン目標までにヴァリスゼアの各大陸に何が起きていたかを確認できる機能。
ストーリー中盤の拠点内に存在するキャラクターに話しかけることで確認できる。
キャラクターの解説とヴァリスゼアの地図上のアイコンの動きと共に大陸に起きた大まかな事象や各国の情勢など、なぜこの大陸はいまこうなっているのかを大まかに把握できる機能となっている。

辞典機能
拠点内のある人物に話しかけることで確認できる。
ストーリー内に登場するあらゆる単語、人物、事象、国の情勢やストーリー内の主人公が産まれる前の年代までも網羅する公式ウィキペディア。
ある単語を調べると、その単語に関連する事象や人物、国がリストアップされる。
例えば主人公クライヴについて確認すると、関連項目に弟であるジョシュア、ジル、シドといった関連性の高い人物やドミナント、召喚獣、イフリート、ロザリア公国といったワードがリストアップされるなど。全て確認するとおそらく半日以上は優にかかると思う
あくまでストーリーを補完するための機能のため、気になったら調べる程度でいい。
俺は拠点に戻った時、そういえばあの国どうだったけ、と気になったらことがあった時に使っていた。

■クエスト
本作はストーリーを進めるメインクエストの他、拠点内の仲間から、また各国に点在する協力者や一般人から依頼を引き受けるサイドクエストがある。
基本的にストーリーの進行と共に、ヴァリスゼアの世界観やキャラの深堀といった機能が主で、大体がお使いと揶揄されるクエストとなっている。
しかし今作のサイドクエストは全ての人間がフルボイスであるため、キャラクターの掘り下げの意味としては十分に機能していると言える。実際ボイスがあるのと無いのとではかなり印象が変わるものもある。
拠点内の仲間からのサイドクエストをクリアすることで、回復アイテムの所持上限が増えたり、作成できる装備が増える。

■やり込み要素
サイドクエストはやり込み要素というより、世界観に興味を持った人向けのコンテンツなのでここでは割愛する。

モブハント
フィールドに点在する強敵を討伐するコンテンツ。討伐すると報酬としてアイテムやアクセサリーが貰える。物語中盤から拠点内に登場するモーグリに話しかけることで、マップのどのエリアにいるかを確認することが出来る。
討伐ランクがC~Sまで設定されており、高いランクの敵はレベルも高く討伐難易度が高くなる。

基本的にはストーリー上で出てきた敵の亜種のようなものが多いが、固有のアビリティを使ってくる敵も多い。
ストーリー上の強敵同様、殆どウィルゲージを持っているため、ブレイク後に全力でHPを削ることが基本となる。
なお1周目の最強武器の作成には高ランクの敵の討伐が必須となる。

石の塔
特定の召喚獣アビリティのみを装備してクライヴ1人で制限時間内に3ステージに渡り敵を倒す本作の最たるやりこみコンテンツ。
制限時間は2分でスタートするが、各ステージに設定されたお題(特定のアクションを成功させる、アビリティを3回当てる、パニッシュを成功させる)を達成することで制限時間がプラスされる。
ステージ最後にはウィルゲージを持つ中ボス的相手が待ち構えている。クリアすると召喚獣に応じた各召喚獣最強のアビリティ威力を上げるアクセサリーが入手出来る。
個人的に本作で最も難易度が高いコンテンツ。適当にやってるとすぐ制限時間を迎える、ステージ途中で負けるとステージの最初からやり直しになる、とまけに回復アイテムなしと、上級者向けコンテンツになっている。
クリアするにはお題を狙って達成していく必要がある。いかに雑魚を効率的に処理するか、アビリティの使用タイミングを考え、アビリティに応じたアクセサリーを装備するなど、戦略が必要となってくる。

■音楽
FF14と同じく祖堅という人が作ってるらしい。筆者はFF14のMMOが肌に合わなかったのでよく知らない。
ダークファンタジーを意識したようで煌びやかな曲は少なく、重苦しかったり哀愁漂う感じで飛んだり跳ねたりするような楽しい音楽は少ない。
タイトル画面のFFのテーマとも言えるプレリュードからもう重い。初聴だと気付かないんじゃないか?序盤は本当にFF感が少ない印象。
とはいえ、要所要所の曲を聴くと確かにあ、これFFだ。ってなる
個人的に召喚獣戦BGM や拠点BGM(序盤、中盤)とザンブレクのフィールドBGMが好き。

以上がFF16のだいたいのコンテンツだ。
では各々に対する俺の(怨嗟)感想を言っていこう。
ネタバレ注意だ。
ストーリーについては誰か詳しく喋ってる人がいるから感想だけにしておく。





■ストーリー
だいたいアルテマが悪い。
本作のラスボスであり全作中の黒幕がこのアルテマとかいう神なのだが、だいたいがこいつの仕業だったと考えるとマザークリスタル云々あたりの話が途端に茶番に見えてしまった。
別にポット出のキャラではないし、序盤から伏線は張られてるんだが、いかんせんキャラが弱い。
自分の器候補のクライヴ君を上から目線で見ていていつでもお前なんか乗っ取れるわって言ってたのに、意思が強くなりすぎて遂に敗北までするし負け惜しみも言うししょうもない敵という印象だった。

そして賛否両論のエンディング。

なぜFFに関わるスタッフは直接的な終わりを描かないのか。ここまでストーリーを詳細まで描いてきてなんでそこをユーザーの想像に委ねるのか。
世界が平和になって、魔法がない世界になったのも分かるが如何様に解釈できるエンディングにしてしまうのか。
映画的終わり方ではあるが、直接的なハッピーエンドを書いてほしかった。
せめてハルポクラテスの同じ位の齢になったクライヴが隣のジルと一緒に筆を執るとかさ。そういうエンディングは無かったんかよ。。

■バトルが単調
飽きる。詳細を言うとアビリティが揃ってくる中盤半ば頃から戦闘自体に飽きが来る。
なんと言ってもやる事が変わらないからだ。
強敵との戦いも自分で縛りを入れなければ、テイクダウン状態に持ってくまでの流れも殆ど変わらないし、テイクダウン状態に持っていったあとは全力で強力なアビリティを使うだけ。
基本的にはこの流れでだいたい勝ててしまう。
ガルーダのガウジでウィルゲージを削る。
オーディンで斬鉄剣をフルチャージ&ウィルゲージを削る。
ウィルゲージを少しだけ残した状態でバハムートのメガフレアをフルチャージして発動。
通常攻撃でちょい削りしてテイクダウン。
リミットブレイク→フルチャージ斬鉄剣→ギガフレア→ワインダップ
これでだいたい半分以上は削れる。

このパターンを確立してから中盤までは新鮮だった戦闘も、技が揃ってからはパターンが決まって作業感が強くなり、戦闘自体つまらなくなっていった。
他のアビリティもマスター化すれば変わったかもしれないが、そこまでのモチベーションは保てなかった。
アクション苦手な人向けにも作る必要があるのは分かるが、いかんせん独自のシステムのようなものが無かったため、バトルがどうしてもDMCの簡易版に感じてしまった。
アビリティ部分がDMCのスキルに相当するのかもしれないが、本家と比べるといかんせん動きが制限されてしまう。
クライヴ自身のコンボバリエーションを2つ程度増やすか、リミットブレイクがもう一段階覚醒するとか欲しかったなぁ。

■サイドクエストがお使いまみれ
マップを回る理由付けその1。
全部クリアした上での感想。
キャラの掘り下げのための奔走。やることはほんとにお使いだらけ、やれあれを倒してこい、拾ってこいが殆どでキャラの掘り下げ以外は報酬もいらないものばかり。
特に最悪なのは各街のクエスト。あちこちに行かされる割に移動速度がダルいし、やることがお使いだけでマップを回る新鮮味や探索の楽しみは皆無なのでつまらない。
ほんとにキャラの掘り下げと世界観の掘り下げだけが報酬。
特に隠れ家の仲間たちのクエストはお使いの退屈さをある程度拭ってくれるレベルの満足度。
クエストをクリアすると街が崩壊して、名有りのキャラが退場することもあったりする。

■モブハントが敵の使い回し
スヴァローグ含め全員討伐してからの感想。
マップを回る理由付けその2。
サイドクエストと違ってストーリーは無いので倒すだけ。遭遇したときと倒したときにクライヴ君が個別にリアクションしてくれるのが報酬か。
敵の殆どは本編で戦った中ボスの亜種なので、専用技を使ってくるやつはいるが、だいたいモーションは使い回し。
ストレスなのはこいつらを探すため、いちいちモーグリに聞くため隠れ家に戻らなければならないこと。(攻略見れば良いだけなんだけどね)1週目は攻略を見ないと誓っていた俺はモブハントにそこそこの時間を費やした。
苦戦するのは中盤までで、技が揃った終盤は死ぬ事の方が少なくなる。

■アビリティとコンボが少ない
基本攻撃のバリエーションが少ない。
DMCほど複雑な動きを要求したくなかったのか、キングダムハーツよりコンボが少ない。
マジックバーストは全タイミングに狙って発動しなくても他のアビリティで十分だし、アビリティの回復を待ってる間はできることが少なすぎる。
また召喚獣毎にアビリティはあるが、結局高威力のアビリティをセットするのが1番楽なのでコンボのバリエーションの少なさを更に感じる。

■全体的な不満
全体的には高い密度で纏まってはいるけど、戦闘がどうしても単調。個人的にゲームの戦闘部分はかなり重視しているからコンボを決めるには敵の体力は少ないし、アビリティの数も召喚獣毎に3つしか無い。アビリティがない時の攻撃方法が通常攻撃の□コンボかマジックバースト、ランジ、ダウンスラストといったことしか無いのもやれることの少なさが顕著になっている印象。
あとクリア後やり込み要素が少なく、隠しボスもいない。2週目をやるモチベーションは残念ながらなかった。

以上がFF16の感想である。

■総評
本音を言うと、楽しかったのは間違いない。クライヴがどうなっていくのか。思い入れのあるキャラがどうなっていくのか。
国関係は終盤は別にどうでもよくなっていくので、関心は無かったがストーリーを追わせる力はあったと思う。
ただ、最後の最後で説明をやめるのはやっぱりだめだ。大人向けに作ってるのだとしても、万人に受けるように作られていない。
バトルも最初はFFでDMCが出来るのは楽しかったしスタイリッシュな戦闘が出来るのも嬉しかった。コマンドRPGだったらやらなかったと思うし。
しかしバトルの根幹が既視感のあるアクションの簡易版なので新鮮味は薄かったし戦闘の流れを理解した中盤以降は飽きがきてしまった。
FFならではのバトル体験が欲しかったのが本音だ。
あとはゲームとしてのRPG要素の薄さ。
武器は攻撃力と見た目が変わるだけだし、魔法はどの召喚獣で撃っても見た目が違うだけ。探索は平ったいマップを駆け回るだけだし、大したアイテムがあるわけでもない。そもそもクライヴかトルガルにしか効果ないし、マジでストーリーだけに注力してるんだなってがっかりした。
あとは移動の遅さ、サイドクエストでフィールドを駆け回る必要があるのに、いちいちチョコボを呼んだり足の速さが遅かったり敵に見つかったら走るのやめたりでストレスが凄かった。待の中にクエストがあったらうんざりするレベル。いい話は多いのに、報酬までの過程がつまらなすぎた。
しかし、こんなダルい道中を経ているせいか、クライヴくん初めとするキャラはすごく好きになれた。(アルテマは除いて)
デザインから地味なキャラばかりだが、それぞれが
ちゃんと個性を持っている。モブキャラっぽいやつにもストーリーがちゃんとあって、あ、お前あの時のやつかとか、あそこにいたやつか、とか、立派になって……とかそういう感情が持てた。特にフーゴ。俺はこういう愚直な悪役が好きだ。
まだ書きたいことはそこそこあるが、いかんせん文章がまとまらない。

一つ確かなことは本作は決してクソゲーではない。 手抜きで作ってるわけじゃないし。
ただ、やれることが少ない。クリアしたあとのゲームとしての寿命が短いのは確かだ。
今後DLCを2つ出すらしいが、内容によっては多分買わないだろう。
次はストーリーではなく、ゲーム性を重視したFFをやってみたい。














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