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Q&A『透過板ポリの使い方』

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透過板ポリの使い方に関しては、すでにご覧いただいている『透明板ポリによる描画順マジック』が全てなんですが、こちらでうまくいかなかったということでしょうか?

ご質問文から推察するに、『鏡の中に鏡の前に存在しないものを映す』というのが、ご質問者さんのやりたいことなのかと思われますが、だとすると、透過板ポリではなく、『鏡面エフェクトのススメ』の方が、やりたいことにマッチしているように思います。

恐らく私の透過板ポリの使用例として鏡をしようしているものが多いので、中には勘違いされている方もいっらしゃいそうなんですが、透過板ポリには『鏡のように物を映す』機能はありません。
透過板ポリでできるのは、『障害物に穴をあける』ことです。

せっかくなので、透過板ポリと鏡面エフェクトを使用した、鏡に関する表現の違いについて解説します。



MMDにおける鏡の表現

私がよくやる鏡の表現は主に2つありまして、1つが『鏡に映るはずのないものが映っている』ホラーチックな表現、もう1つが『鏡の中に異世界が広がっている』ファンタジーな表現です。
MMDで表現する際は、前者(ホラー)が鏡面エフェクト、後者(ファンタジー)が透過板ポリを使用しています。

両者の最大の違いはずばり、『鏡面反射』するか否かです。
簡単に言うと、鏡の中に鏡の手前のものが映るか否か、ですね。

それでは具体的に見ていきましょう。



鏡面エフェクトによるホラー表現

逢魔が時

ご覧いただいている画像では、窓ガラスに窓の手前の人物と、窓の手前に存在しないもう一人が映っています。
存在しないもう一人以外は、窓ガラスの手前にあるものがそのまま映り込んでいる状態です。

これをエフェクトを切ると、こんな状態になっています。

逢魔が時_woE

つまり、鏡面エフェクトによる鏡表現では、鏡の手前に実際に見えていようがなかろうが、とにかく鏡面の手前にあるものを反射させることになります。

この表現の詳しいやり方についてはこちらをご覧ください。



透過板ポリによるファンタジー表現

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一方、透過板ポリによる鏡の表現では、鏡面の手前にいない人物だけが鏡の中に存在し、本来鏡に映り込むべき鏡面の手前に立つ人物は映っていません。

今度はカメラの角度を変えてみます。

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ご覧の通り、鏡の中に『映っている』と思わせておいて、実のところ鏡の向こうに立っている人物を、壁をぶち抜いて見えるようにしているだけなのがわかります。

つまり、透過板ポリによる鏡表現では、鏡の向こうにあるものを、間の障害物に透過板ポリで穴をあけて見えるようするだけなので、鏡の手前のものを映し込む機能はありません。
したがって、透過板ポリで鏡に映ってるっぽくするには、鏡の前後に同じものを配置する必要があります。

また、先ほどから『穴をあける』と表現していますが、正確には描写順によって『存在しない状態をレンダリング』しているだけなので、穴をあけるほかに、『本来存在しているものを隠す』こともできます。

様々な使い方ができますが、基本は、透過させるものとさせないもの2つと透過板ポリで挟むだけです。
透過板ポリの詳しい使い方はこちらをご覧ください。



透過板ポリはみだし問題

鏡や額縁など、枠のあるアクセサリに透過板ポリを使用する際に、四角い板ポリがはみ出しても大丈夫かどうかとご質問ですが、結論からいうと、ダメです!

前述の通り、透過板ポリは障害物に穴をあけるため、枠外にはみ出していると鏡や額縁の中だけにとどまらず、枠からはみ出した透過板ポリ部分にも穴が空いてしまいます。

なので、四角形以外のアクセサリに透過板ポリを使用したい場合、アクセサリの透過させたい部分の材質を複製して、不要なポリゴンを削除してペライチの板ポリ状態にしたものを透過させるか、材質そのものに透過モーフをつけるなどして、透過板ポリをアクセサリに組み込みしてください。

材質の複製や、不要なポリゴンの削除方法はこちらをご参照ください。

透過板ポリ、透過モーフの作り方はこちらをご参照ください。



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