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高専メリット・デメリット

こんにちは,原チャリです.
今回は,高専進学のメリット・デメリットについて書いていきます.
進路選択に迷っている中学生に届いてほしいと思います.

メリット

1.就職率ほぼ100%

就職率はほぼ100%です.これは,どの高専でも謳い文句かなと思います.
しかし,100%にもちゃんと理由があります.それは,多くの場合「高専卒採用」となる為です.
一般的に,企業に新卒入社するとなった際には,
「院卒(博士)」「院卒(修士)」「学部卒」「高専卒」「専門学校卒」「高卒」と枠が分かれているかと思います.
その為「高専卒」は,
「院卒や学部卒より,比較的賃金は安く抑えられ,高卒や専門学校卒より即戦力になるポテンシャルがあるコスパの良い人材」という企業側の認識のもと,大企業や優良企業に圧倒的に入り易くなります.

2.大学受験がない

大学受験が無いのはデメリットにもなり得ますが,私はメリットかと思っています.理由はいくつかありますが,主に時間が出来る為です.時間が出来ると,TOEICの勉強に充てられたり,専門資格の取得勉強に充てられます.

3.高専祭が楽しい

高専祭が毎年あります.これは学園祭のことで,僕の行っていた高専では秋に開催されていました.高専祭では実行委員会が編成され,学生中心で回っていきます.
例えば,音響・照明,ステージセット組み立て,協賛,企画,ゲスト招待,当日プログラム策定等々ほとんど学生が行います.
また,委員以外も露店で売るものを考えたり,試作したり,料金設定をしたり,楽しいものです.
その分「自分たちで作った」達成感が生まれ,より楽しめるかと思います.

4.大学に編入しやすい(と言われている)

大学編入しやすい,と言われています.各大学,高校生向け入学試験の他,大学2年次とか3年次とか向けの編入試験を実施しています.それに高専生が受検します.
圧倒的に高校から一般入試を受けるよりも,受検者数が少ないです(その分募集人数が少ないですが).
人気のある大学以外は入り易いでしょう.
人気のある大学とは,広島大学,千葉大学,筑波大学,九州大学,東京工業大学,,,当たりじゃないでしょうか(←出身高専の受験の歴史から推察するに).

5.学生寮がある(楽しい)

私は学生寮に5年間入っていました.非常に楽しかったのを覚えています.
先輩が厳しいことも多々ありましたが,,,寮の廊下をみんなで雑巾がけとか,,,(それもいい思い出だし,その後に夜な夜なみんなで食べたカップラーメンの味を忘れることはないでしょう)
また,寮食堂・大浴場等,みんなが一同に会する機会は山ほどあります.そんな環境で,同級生の繋がりのみならず先輩後輩とのつながりができ,人生の財産となったことは間違いないです.

デメリット

1.赤点が60点

これは全国の高専生が思っていることではないでしょうか.60点なんて,取れるはずもない科目もあるのに(主に,物理,構造力学).しかし,こうした絶望にも微かな希望はあるものです.
私が受けていた構造力学の先生は,素点(テスト点数)が30点でも,成績表を見ると60点になっており,単位取得した.なんで事例が良くありました.なんでかは今でも謎です.

2.課題が多い

特に私は土木系学科でしたので,測量や水理,土質実験等々のレポートや図面を提出することが多々要求されました.
夜中,測量で使用するメジャーの目盛が見えなくなり,それでもスマホのライトで照らしながら図面を引いたのは良い思い出です.

3.進路変更が難しい

進路変更は稀なケースかと思います.しかし,本当にやりたいことが新たに見つかることもあっておかしくはないと思います.一般的には高校生の年齢ですから.その場合には,以下の2通りのルートが考えられるかと思います.
1)高卒課程を取得し,大学受験
2)5年で卒業し,大学編入で全く違う学科を受験
どちらも相当な意志が無いと難しいとは思いますが,可能な限り高専の先生がサポートしてくれるかと思います.

4.閉鎖的な空間となる(かも)

高専は,他の大学と比べる外部との関わりは少ないかと思います(最近はそうでもない?).
その分,考え方が固まったり,ありもしない理想大学生の虚像を自分の中でつくり上げ,それに対する劣等感が大きくなっていったりします.
「高専は社会で通用するのか」とか「このままでは大学生に負けてしまう」とか思ってしまうかもしれませんが,全然そんなことはありません.
院に入って思いましたが,高専生,レベル高いです.

5.知名度が低い(まだまだ)

高専,を知らない人がまだまだいます.実際,院での就活でも人事に知らないと言われました.

6.先生の教え方がピンキリ

ただ教科書を読むだけの先生もいれば,噛み砕いて分かり易い授業をしてくれる先生もいます.
高専の先生は,あくまで研究者です.「授業の合間に研究」ではなく,「研究の合間に授業」をするイメージかと思います.
そもそも「分からなければ聞きにきて」というスタイルかと思います(食らいついていきましょう).

7.特定学科は圧倒的男数

最近はそうでもないのかもしれません.また,私は土木系学科でクラスの1/4(1クラス40人)は女子でした.機械とか電気とかは,クラスに1人とか3人とかでした.この状況が嫌と言う人は高専は向いてないでしょう.

高専生活を過ごしての感想

私は,高専(本科・専攻科)に7年間いました.
高専は,自分自身の意思で何とでもなる環境が揃っていると思います.その環境を生かすも殺すも自分次第です.
中学校時代は成績オール5とか,テスト毎回100点とか,そういった人が多いですが,高専の自由な校風で「遊び」や「バイト」に全振りしてしまう人は赤点とったり,留年することになってしまうのかもしれません.

高専は少し変わった環境かもしれませんが,
・やりたいことが決まっている人
・将来に必要なことのみ勉強したい人
・「音楽」や「古典」「古文」の必要性に疑問を持っている人
・進学校の校風に合わないと感じる人
・個性を大事にしたい人
・他人と同じことが嫌な人
は向いていると思います.

私自身,普通高校や工業高校に行っていないので比較はできませんが,
高専に行って良かったと思っています.

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