THE KEBABSインタビュー

THE KEBABSのメンバーであるベースの田淵智也さんと、ボーカルの佐々木亮介さんに間接的にインタビューを試みました。是非、ご一読いただき、YouTubeなどで公開されている音源やライブ映像を見ていただければと思います。

①なぜ、serial TV dramaの「まばゆい」を改めてTHE KEBABSで演奏することになったのでしょうか。その経緯について知りたいです。


最初のライブの時、客は何も曲知らないから適当にカバーやるかってなって、最初はNIRVANAとか髭とかも考えてたんだけど、メンバー由来のやつがいいかってなって「まばゆい」をやったの。serial TV dramaは解散してるからもう演奏してくんないわけじゃん。でも良い曲はいつだって聴かれるものだからね。まとめると良い曲だから、ってだけなんだけど無理やり付け足すとこんな感じかな。(田淵)

②田淵さんに質問です。「恐竜あらわる」の歌詞に「東京」という都市名が出てきますが、UNISON SQUARE GARDENでも、この単語は使われています(フルカラープログラム、曲名で言えば「東京シナリオ」)。
「恐竜あらわる」を聞いていると、東京という都市が殺伐とした模様が想起されますが、田淵さんは今現在、東京という場所についてどのように思っているか知りたいです。


これを聞かれるまで本当になんにも思ってなかったってことはいい答えなんかでてくるわけないからスルーした方がいいと思うんだけど笑「東京」って土地の名前というより記号なんだよ。大体の人間が聞いてピンと絵が浮かぶ単語。愛とか希望とかソファーとか香水とおんなじような機能として使っているだけ、拍子抜けするでしょ。(田淵)

③佐々木さんに質問です。即興でリリックを載せるスタイルがTHE KEBABSの曲をつくるベースとなっているそうですが、「猿でもできる」のイントロ導入までの子気味良いリズムに乗せた煽り(語弊が生じていたら申し訳ありません)も、即興でしょうか。

「即興」ってほど立派なものじゃないかもな。「テキトー」です。
ビートが始まったらリズムに制限が生まれるから、それに合わせて思いついたことをまず言ってみて/歌ってみて、そうするとスタートが設定されるから、あとはそこからその日だけのルートで「猿でもできる」という言葉にどう辿り着くかのゲーム、みたいな感じかも知れない。
ゲームを楽しむにはルールが要るでしょう。
人生のシーンのあちこちで、子供の時によくやる「横断歩道の白いところだけ渡る」みたいな思いつきのルールを設定すると、合理的に考えればどうでもイイはずの時間にも楽しみが隠れてるって気づけることがあるから、思い付いたらやってみるのが俺は好き。(佐々木)


④今まで前代未聞の試みをしてきたTHE KEBABSですが、現段階で、このアーティストのこのアイディアは面白いな、その手があったか! と度肝を抜かれたアーティストのアイディアがあれば、話せる範囲内でお答えください。


THE MUSICってバンド名。一回きりの大技みたいなのがツボに入った時って気持ちいんだろうなあ。(田淵)


⑤昨今のUNISON SQUARE GARDENはとてつもない動員を誇るバンドとなっています。私が思うに、THE KEBABSはユニゾンを始めた頃の初期衝動を、もう1度思い出したいという想いもあると思うのですが、いかがでしょうか?


初期衝動って単語は人によってどう捉えるかがいまいちピンと来てないんだけど、俺が若い世代の勢い一発みたいなバンドをみて「初期衝動だなあ」って思うようなことは、自分が19歳の時にやってたかっていうとそうじゃないと思う。もっとずっとドライで日々を生きていた記憶が強い。けど同時に「音楽楽しくってしょうがねー」っていう自分もいつもいたはずで、その気持ちは別に19歳の時も今も全然変わってない。音楽はずっと楽しいよ。で、そのドライな目線で言うならKEBABSは「大人になったからできる遊び」みたいな方が近いんだよね。(田淵)


⑥何故、ピック弾きにしているのでしょうか?


かっこよさそうだから、ぐらいしかない笑(田淵)

⑦THE KEBABSの歌詞の一部は、田淵さんの現在あるロックシーンに対するアンチテーゼがかなり含まれているように感じたのですが、安直なグルーブを感じることに対し、何故そこまで嫌悪するのでしょう。私が思う、田淵さは客が個々の楽しみ方をしてほしいという願いから来ているのかと思っております。


歌詞は本当に何も考えてないんだけど、そう聞こえたなら田淵はそういうマインドで生きている人なんだなって思ってるということなんでその見方でいいと思う。願いなんて大層なもんじゃないし嫌悪ってほどネガティブな思想でもなくて、ただ俺が思う世の中になったほうが楽しいのになっていう気持ちがあるぐらいかな。流行りは流行り、自分は自分、そして他人は他人だから、そこを言葉や自力でどうこうしてやろうとは思ってないよ。(田淵)

⑧常にa flood of circleのライブでは革ジャンを着ていらっしゃいますが、THE KEBABSでステージに立つ際に、ロングカーディガンを着ています。服装に関して違和感はありませんでしたか?

洋服は誰かに指定されて着ている訳じゃなくて、まあ着たくて着ているだけだから、違和感はない。
むしろ、1番最初に撮影したTHE KEBABSの写真を今になって見てみると、4人ともRUDE GALLERYのスーツを着ていたんだけど、まだ「バンドとしての空気」みたいなものが醸造されていない時期だったからか、強烈な違和感を感じる😂(佐々木)

⑨THE KEBABSの曲、例えば「恐竜あらわる」などのコミカルな歌詞を初見して、どのような印象をお持ちになられましたか?

サイコーじゃんって思いました。
田淵さんは意識してないと思うけど、俺は「恐竜」と聞いてthe pillows”Blues Drive Monster”に登場する「怪物」を連想した。
これが出来た辺りから、THE KEBABSの歌詞に方向性と呼べそうなものが生まれた気がする。
まあそれはまたどこに転がっていくか誰にもわからないことだけど。(佐々木)


注釈:この質問をしたのは、8か月ほど前なので、今の彼らのマインドとは違う部分もあるのかもしれませんが、それはそれで一興。

感想:ずっと音楽ライターになりたいと思っていて、この機会をいただけたことがとても嬉しかったです。特に、私情ではありますが、a flood of circleもUNISON SQUARE GARDENも救われたとかではなく、聞いていると勝手にリズムを取れるカッチョイイバンドだし、THE KEBABSは歌詞がとにかく斬新だと思ったし、ロック風味と言っているその言葉自身が、唯一無二の存在を表す象徴になる言葉だと思いました。

メンバーの田淵さんと佐々木さん、悪だくみに参入させていただき、誠にありがとうございます。一生の思い出になりました。

今回のインタビューへのサポートはお受けすることができません。何卒ご了承くださいませ。

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