中日翻訳の練習:許章潤の手紙「私は命ある限り、声を上げ続ける」

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敬愛する精華大学同窓のみなさん

 庚子の年、悪しき月日が続き、わたくし許章潤は、拘束され、そして精華大学を解雇され、一瞬で生計手段を失いました。34年の教員生活のうち、まるまる20年を精華大学にささげてきましたが、今回の件ですべてがゼロになりました。

 精華大学同窓のみなさんは私を見捨てず、私を支えようと、インターネット上で寄付を募ってくださいました。塵も積もれば山となるではありませんが、延べ594人の方々が、それぞれ10元から数千元寄付してくださり、合計で10万683元77角集まりました。私は、還暦が近づき、視力が衰えていますが、体はまだまだ元気です。自分で働いて食べていけます。まだまだ知識が足りませんが、思考は活発ですから、物書きとして生計を立てていきたいと考えています。みなさんのご厚情に感激しておりますが、お志は辞退させていただきます。今日においても、権力者は贅沢を極め、わたしたち庶民の多くはぎりぎりの生活をし、必死にがんばっています。国営メディアは天下太平を喧伝していますが、中国の半分が水につかり、悪天候に揺さぶられています。知識人はおしなべて成熟さを欠き、中身のないことを巧みに主張して、目立とうとしています。役人の世界は熱意のない人たちばかりで、上から下まで形だけの仕事をして、ただ定年が来るのを待っています。中国は、政治体制の問題を改めようとせず、世界各国から警戒され、すでに孤立しています。しかし、強権的な体制は必ず滅びることでしょう。ついにはこの国に自由が降臨し、天意と人心が太陽や月のように明るく輝くことでしょう。私は命ある限り、声を上げ続けます。これは私の責任であり、天命でもあるのです。生きて苦難に身を投じ、闇夜の中で火を求め、夜明けを迎えるためには、まさに「民は吾が同袍、物は吾が與なり」という気持ちを思い起こさなければなりません。ですから、私のために集めていただいた義捐金は、閻淮先輩と孫怒濤先輩のお二人にすべてお任せします。今必要とされているところに回してください。苦難に押しつぶされそうになっている同胞に思いやりを届けてあげてください。

 夜明けが近づいてきました。

 末筆ながら、精華大学同窓のみなさんに重ねてお礼申し上げます。
 許章潤
 2020年7月19日

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